アサーティブな伝え方でコミュニケーションを円滑に-アサーショントレーニングとは-

[記事公開日]2020/04/05
[最終更新日]2020/08/25
assertion

テレビや新聞、雑誌などで「アサーション」「アサーティブ」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

  • 人間関係に役立つんでしょ?
  • 相手も傷つけず自分も傷つかないって聞くけど?
  • 最近の若者にはアサーティブな表現が良いんだよね?
  • 親子関係など様々な場面で役立つって聞くけど本当?

などと聞いたことがあるけど、本当の所は「アサーション」「アサーティブ」ってよくわからないなという方向けに「アサーション」「アサーティブ」から「アサーショントレーニング」までわかりやすく説明いたします。

 

「アサーション」「アサーティブ」とは?

「アサーション」「アサーティブ」とは?「アサーション(assertion)」は直訳すると「断言、断定、主張」となり、「アサーティブ(assertive)」はアサーティブネス(assertiveness)で、直訳すると「自己主張」となります。

直訳では少しニュアンスが強すぎてしまっていますが、ここで使う「アサーション」「アサーティブ」とは、自分のことをまず考えるが、他者をも配慮するやり方であり、自分も相手も大切にした自己表現方法です。

アサーティブを含めて自己表現方法は「非主張的自己表現」「攻撃的自己表現」「アサーティブな自己表現」の3つがあります。

 


非主張的自己表現

非主張的自己表現非主張的自己表現とは、気持ちや考えを自分自身で表現しなかったりすることです。表現する内容には信念なども含まれます。

つまりは、自己主張をせずに自分で自分の言論の自由を放棄している言動の事です。

これには曖昧な表現をしたり言い訳のように言ったり、相手が聞き取れないような小さな声で言う事なども含まれます。こういった言い方は、「相手の気持ちを考えているから」と思われたりします。

しかし、自分の気持ちに正直ではなく、相手を立てているのではありません。「自分の気持ちや考え方なんておかしいし、間違っています。だから、私の気持ちなどは無視してもらって大丈夫です・・・」と伝えているのと同じです。

非主張的自己表現な言動は、自身がなく、不安が強く、その気持ちを表に出すことさえもせずに隠し、卑屈な気持ちになっている場合が多く、非主張的な言動後には「自分はやっぱりだめ」「言ってもわかってくれないし」のような劣等感や諦めの気持ちがあります。

と、同時に非主張的自己表現な人が勝手にそのような行動をしているにも関わらず、相手に対して「私は譲ってあげた」「ヒトの気持ちも知らないで・・・」というあきらめの気持ちや恨みがましい気持ちが残ったりもします。

相手のことを考えて譲ってあげたりした場合は、自分の決断で行動しているので、爽やかな気持ちになるはずですが非主張的自己表現な人は自分で決断して行動していないのでそのような気持ちにはなりません。

非主張的自己表現な人は気持ちを表現せずに伝えていないので、相手が理解出来ないことが一般的であるにも関わらず、「ヒトの気持ちがわからない人」や「鈍感でダメな人」などと相手のことを軽蔑したりする気持ちを持ちます。

非主張的自己表現な人は、このようなことが積み重なって生活しているのでストレスがたまります。ストレスはうつ状態になりやすくなります。

うつ状態になるばかりではありません。

非主張的自己表現な人のストレスを軽減させるために、自分より立場の弱い人への八つ当たり等をすることを無意識にしてしまったりしまいます。

 

攻撃的自己表現

攻撃的自己表現攻撃的自己表現の人は、自分の意見や気持ちをはっきりと伝えます。自分の言論の自由を貫き自己主張をします。ただ、自己主張には相手の人権や気持ちを汲み取るといったことは行わずにただひたすら自己主張のみを行うのです。

つまり、自分の権利のみを考えて相手の権利を脅かすので、相手を見下したり相手の気持ちを害したり、支配に繋がることもあります。

攻撃的自己表現の人は、自分の意見をはっきりと言うので表情は豊かです。ただ、自分の主張のみですので、相手を踏みにじってることになります。相手より優位に立つことや、その場の主導権を握ることが目的となってしまっている場合もあり自分に正直でないとも言えます。

攻撃的とは、DVのような暴力や罵声だけをいうのではなく、相手を操作して自分の思い通りにしたりすることを言います。非難、侮辱、皮肉、八つ当たりも当然ですが含まれます。

攻撃的自己表現の人は、攻撃することで自分を防御しているといった感じもあり、強がっていたりします。また、攻撃的自己表現の人も、強引さに気づいている事もあり、自分の本心ではないことに気づき、後悔することになります。

攻撃的自己表現の人から攻撃された相手は、自分の意見が通らないので、バカにされた等の気持ちになるのは当然で結果的に、敬遠するようになったり怒りを感じて復讐心を抱いたりすることも考えられます。

つまり、お互いの関係が良くなることは少ないのが実情です。

 

アサーティブな自己表現

アサーティブな自己表現アサーティブな自己表現の人は、自分のことも大切にし、相手のことも大切にする自己表現です。

攻撃的自己表現の人と同様に、自分の権利である言論の自由を考えます。しかし、攻撃的自己表現の人と違う点は相手にも言論の自由があることを理解しているので相手の言論の自由を尊重しようとします。

自分が自分の意見を主張するのと同じように、相手が同じように意見を主張するように奨励しようとします。

アサーティブな自己表現は人は、お互いの意見が一致する場合だけではなく、一致しないことがあることを知っています。どちらかと言えば意見や考えが一致すればラッキーと思うくらいの気持ちでいて、意見が一致しない場合には、お互いの意見を出し合い、納得しあえる結論を出そうとします。

こういった言動は、アサーティブな自己表現は人自身が清々しい気持ちになります。と、相手にも同様の気持ちを与えますし、大切にされたという気持ちも持ちます。大切な気持ちを持たれたことに対しては良い気持ちしかありませんので、アサーティブな自己表現の人は相手から尊敬の念を覚えてもらえることもあります。

また、話し合いの中で、お互いの主張、意見を聞くことで、より豊かな発想が生み出されて、より良い案になり満足のいく妥協案が探りだせる可能性もあります。

このような相互尊重する体験をすることがアサーションです。

参照:カオナビ/アサーションとは?

 


自己表現の特徴一覧

非主張的自己表現 攻撃的自己表現 アサーティブな自己表現
引っ込み思案 強がり 正直
卑屈 尊大 率直
消極的 無頓着 積極的
自己否定的 他者否定的 自他尊重
依存的 操作的 自発的
他人本位 自分本位 自他調和
相手任せ 相手に指示 自他協力
承認を期待 優越を誇る 自己選択で決める
服従的 支配的 歩み寄り
黙る 一方的に主張する 柔軟に対応する
弁解がましい 責任転嫁 自分の責任で行動
自分OKでない、相手はOK 自分はOK、相手はOKでない 自分もOK、相手もOK

 

非主張的自己表現と攻撃的自己表現とアサーティブな自己表現の違い

非主張的自己表現と攻撃的自己表現とアサーティブな自己表現の違い非主張的自己表現の人は、自己否定的です。自尊心も低く、不安と緊張の中で生活しています。不安と緊張はそのままストレスになり、気分が落ち込み眠れなくなることなどにも繋がり、うつ傾向に陥ることがあります。

非主張的自己表現の人とは逆に、攻撃的自己表現の人は、一見自信がありそうです。その場の状況を瞬時に判断して物事を進めているように見えます。

人の意見を聞かず、聞いたとしても軽視し、結論が自分の意見になるように話を進めます。ただ、このような人が好かれるわけがなく嫌われる事も多くあります。攻撃的自己表現の人は、攻撃的自己表現をすればするほど嫌われますので孤立します。

しかし、攻撃的自己表現の人は、攻撃的な自己表現をすることしか出来ない為、嫌われないようにとさらに攻撃的自己表現を繰り返し、さらに嫌わるという悪循環に陥ってしまうのです。

結果、攻撃的自己表現の人は、愛情に飢えてしまうのです。非主張的自己表現と攻撃的自己表現は、常に周りの人との関係で物事を進めようとします。

つまり、自分の気持ちには正直ではなくなります。

その正直ではない気持ちを見破られることを恐れて、増して周りの人や状況などを気にして自分が辛くなるという悪循環に陥ります。

これでわかる通り、非主張的自己表現と攻撃的自己表現は表現方法は逆ですが、心の中での考えは同じなのです。

このような人は、まず自分を好きになることが必要です。

不安などを出すことが出来る環境で生活していくなどにより他人を信用するということも必要です。

自分の意見を言っても良いことや、強引に話を進めなくても良いことなどをゆっくりと時間をかけて理解していきましょう。

アサーティブな自己表現になれない理由

  1. 気持ちがわからない
    まず、自分の気持ちがわからなければアサーティブな自己表現になれません。
    「答えがわからないのに回答を言いなさい」や「食べた事のないものを好きか嫌いか答えなさい」と言われているようなものです。
    自分の気持ちがわからないのに人に対してアサーティブな表現が出来る訳がありません。
  2. 言論の自由を使用していない
    言論の自由は誰もが持っている権利です。自分が考えていることを発言することは誰もが保障されています。
    しかし、言論の自由を使用しない人が多くいます。
    言論の自由の権利を行使することは、相手を傷つけたり、相手から間違っていると思われる可能性があります。
    つまり、自分と相手との意見が対立することがあり、こういった対立をさけるためには自信の権利を主張しないことを選択することがあるのです。
    また、当然ですが言論の自由は相手も同様に持っており、主張したことを否定することは相手の言論の自由を否定することになります。
    相互尊重が必要であり、相互尊重出来れば次の段階に進むことが出来ます。
  3. 考え方が偏っている
    現代は、道徳や常識とよばれていることにより、様々なコトやモノなどに縛られて生活しています。
    ・先生は生徒よりも偉い
    ・上司には従うべきであり逆らうものではない
    ・人を傷つけてはならない
    ・勝つことが大切であり負けることはダメ
    しかし、これらは絶対的ではありません。
    もちろん、すべてが間違っている訳ではなく、悪い訳ではありません。こういったすべてを含めて対人関係の場で考えや気持ちを理解にして、敵意などを持たずに伝えることが大切です。
  4. 周り、結果を気にしすぎてしまう
    失敗を恐れてしまっている場合はアサーティブな表現にはなれません。失敗しない為には挑戦しないことが最善です。
    つまり、伝わらないかもしれないという失敗を恐れていては、アサーティブな表現にはならないのです。
    伝えることは自分のみで成り立ちますが、伝わるどうかは、相手が受け取るという行為が必要です。受け取るという行為は相手の自由であり、相手が決定することです。相手が決定した後の自分のアクションは、その後に考えるべきであり、相手の決定前に考慮すべきことではありません。
    アサーティブな表現をする為には、相手へ伝わるかがではなく、自分の気持ちを伝えることに重点をおく必要があります。自分の気持ちの表現方法に最大限の力を注ぐことが必要なのです。
    また、このように相手を尊重しているような行為は、非主体的な行為であり、相手は何もしていないにも関わらず相手に操作されているような気持ちになります。
    その気持ちは欲求不満になり相手への恨みにも繋がってしまいますので、アサーティブな表現など出来るはずもありません。
  5. アサーティブな表現方法等を理解していない
    アサーティブンな表現方法には慣れることが必要です。
    しかし、アサーティブな表現方法を知らずして慣れることはありません。アサーティブな表現方法も一般的なコミュニケーションスキルと同じく、親などの周囲の大人の言動が強く影響します。当然ですが周囲の大人がアサーティブな表現方法を知らない場合は、アサーティブな表現スキルを身に着けることは出来ません。
    しかし、スキルを身に着けるチャンスがなかった場合でも学び、訓練をすることで習得することは可能ですので、適切なアサーティブな表現が出来る人の言動を観察し、スキル向上に役立てましょう。

参照:人事・採用・労務情報/アサーションとは何ですか?

 

アサーティブな自己表現トレーニング法

アサーティブな自己表現トレーニング法上述している通りアサーティブな表現には様々なコトやモノが影響しています。子ども時代に接した大人の影響も大きく関係しています。

しかし、就職活動している学生や社会人になった後であっても、練習や訓練などトレーニングによりアサーティブな表現を身に着けることが可能です。

自己の意見を確立する

自己の意見を確立するアサーティブな表現には自己の意見を確立することが必要です。自己の意見がないままでは相手に意見を伝えることが出来ません。

その意見を確立する為には、まず自分の考えや自身の欲求を持つ権利があることを理解することが重要です。考えや欲求があることは人間誰もが持つ当然の権利です。

アサーティブな表現でない人は自分の考えや自身の欲求を持つということに罪悪感を抱いてしまうこともあります。性、役割、年齢、地位などにより固定化されたイメージによる行動が縛られていることも良くあります。

また、アサーティブな表現でない人は、自分勝手な判断基準で行動している場合があります。非主張的自己表現な人は「相手の気分を害すことを言ってはならない」と決め込んでしまったり、攻撃的自己表現な人は「絶対にそうに決まっている」などと自分本位な思い込みを持っています。

両者ともに自分だけではなく他人の権利さえも侵してしまっています。

こういった事を踏まえた上で、自分の確実な基準をもって、確信して、自身を持って行動する必要がります。

 

意見や考えを相手に伝える

意見や考えを相手に伝える自分で確立した意見や考えは相手に伝えなければアサーティブな表現を学ぶことは出来ません。

ただし、伝える際に注意すべきことは、自分の意見や考えを伝えることを重点をおきながら、相手にも同じ権利があることを理解しましょう。

相手の意見を尊重しつつ、批判と否定との違いも理解しておく必要があります。

ただ、もうお分かりいただいているとは思いますが、相手の意見が否定であっても批判であっても、相手の意見を大切にし、人権を尊重しなければならないのは当然です。

 

>>”批判”と”否定”の違いとは~社内のいじめやパワハラに備える~

 

相手が怒りや悲しみ等感情的になった場合

相手が怒りや悲しみ等感情的になった場合アサーティブな表現であっても相手が怒りや悲しみなど感情的になってしまうこともあります。まして、アサーティブな表現がまだ未熟な場合には相手を傷つけてしまうことは当然あり得ます。

あなたのその表現で相手が感情を露わにしたとしても、その意見を変えなければならないことには繋がりません。ただ、その結果に対しては責任を持たなければなりません。

相手を傷つけてしまったことを失敗と捉えるならば、その結果に責任をとる必要があります。しかし、その失敗を恐れていてはアサーティブな表現を手に入れることは出来ません。

アサーティブな表現を習得するためには、「失敗する権利」を理解した上で相手が感情的になった場合でも繰り返して伝えてみる必要があります。

もちろん、繰り返すことを選択しないという権利もあります。アサーティブな表現とは、アサーティブな表現をしなければならないという訳ではないのです。

アサーティブな表現をしないと選択することもアサーティブな表現をするということになるのです。

 


アサーティブな表現を活かす場所と方法

アサーティブな表現を活かす場所と方法アサーティブな表現によるコミュニケーションはいつでもどこでも活用することが出来ます。

どのように場所で活用していく事ができるでしょうか?

職場・仕事場

上司であっても、部下であってもアサーティブな表現を活かすことが出来ます。

指示や命令をすることもありますがアサーティブな表現で人間関係の円滑化に活かしましょう。

学校

先輩・後輩、先生・生徒として、友人としてもアサーティブな表現を活かすことが出来ます。

先輩・後輩関係、先生・生徒の関係では職場などと同様で命令や指示などをすることもありますがアサーティブな表現で人間関係の円滑化に活かしましょう。

家庭・家族内

親、夫、妻、子どもとしてもアサーティブな表現を活かすことが出来ます。

家庭内でもアサーティブな表現で人間関係の円滑化に活かしましょう。特に親の言動を子どもは見ていますので親としてアサーティブな表現を心がけて子どもの教育に繋げましょう。

恋人

恋人としてもアサーティブな表現を活かすことが出来ます。

恋人関係においてアサーティブな表現は良い効果を生み出します。将来、家族として生活していく為にもアサーティブな表現を心がけてよいよい関係の継続に努めましょう。

参照:HRpro/アサーション

 

>>アサーションについての書籍はこちら

 

この記事はキャリアコンサルタントドットネット運営事務局が作成

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