[最終更新日]2022/09/01
「ハロー効果」という言葉を聞いたことがあるけど、こんなことを思われている方も多いのではないでしょか?
- ハロー効果って私にも有効?
- ポジティブ・ハロー効果とは?
- ネガティブ・ハロー効果とは?
- 人事の評価にも影響を与えるの?
- 面接で活かす為の方法は?
- 教育で利用できるの?
そんな「ハロー効果」についてわかりやすく説明いたします。
Contents
ハロー効果とは?
ハロー効果とは心理学の用語です。認知バイアスの一つで、評価エラーのことを言います。
「ハロー効果」の”ハロー”は日本語でこんにちわの意味を指す「hello」ではありません。
「ハロー効果」の”ハロー”は英語では「halo」で、意味は以下の通りです。
聖像などの頭部(時に全身)を囲む)後光、光輪、光背、(人物・ものを取り巻く)光輝、栄光、(太陽・月の)暈(かさ)、暈輪(うんりん)
参照:https://ejje.weblio.jp/content/halo
ハロー効果とは、あるモノやヒトの対象を評価するときに、一つの特徴に引っ張られてその対象を歪めて見る人間の心理を指します。「ハロー効果」は他にも、”後光効果””光背効果”と呼ばれたりもします。
つまり、ハロー効果のハローとは、「聖人の頭上に描かれている光の輪」を指し、社会心理学の専門用語です。
ハロー効果という言葉は、1920年に心理学者エドワード・ソーンダイクが書いた論文「A Constant Error in Psychological Ratings」で初めて使われました。
ハロー効果が起きる理由は、原始的な時代に生き抜くためには物事を即断することが有利であって、そのことが遺伝的に受け継がれているのではないかと考えられていますが、実際のところはわかっていません。
ハロー効果の種類について
ハロー効果には良い方にも悪い方にも働く可能性があります。
その為、ビジネスに活かす為には常に意識する必要があり、理解しておくことが重要です。
就職試験の際にも良い方にも悪い方にも影響するということを念頭において活動する必要があります。
ハロー効果には次の2種類あります。
- 良い方に働くハロー効果を「ポジティブ・ハロー効果」
- 悪い方に働くハロー効果を「ネガティブ・ハロー効果」
ポジティブ・ハロー効果について
ポジティブ・ハロー効果は、評価者がモノやヒトを評価する際に、ある特定の評価が高いと感じた場合に、別の項目も高くしてしまう現象です。
ポジティブ・ハロー効果の例
- 有名大学卒業生は、本人の能力を確認しないままで優れた人だと評価する
- 学生時代に部活動で全国優勝を経験している人は根性がある
- 好感度の高い芸能人をCMに出演させるという企業
ネガティブ・ハロー効果について
ネガティブ・ハロー効果は、評価者がモノやヒトを評価する際に、ある特定の評価が高いと感じた場合に、別の評価を低くしてしまうという現象です。
ポジティブ・ハロー効果の例
- 学校の成績が悪い生徒は、生活全般に対して素行に問題があると判断する
- 太っている人は自分の気持ちを制御する能力(自己管理能力)に問題があると判断する
- 口コミが評価が低いからきっと美味しくないのだろうと食べてもいないのに判断する
キャリア/生活の中でハロー効果が現れる例
人事評価
人事評価は「過去の経緯/実績」「現在の業務」などを一度に評価をします。しかし、この評価時期に「前期の営業成績がトップ」「社長の御子息」などとなれば、他の評価項目に大きく影響を及ぼし、全体的な評価を高くつけてしまう場合があります。
他にも、出身大学や部活動、過去の実績や、所有資格、仲が良い人物なども影響されます。
面接試験
面接試験はハロー効果が多くみられます。
- 有名大学出身者は優秀である
- 容姿端麗な者は優秀である
- 出身校が同一の人は良い評価
- 部活動が同一の種目なら良い評価
- 学歴に中退があれば悪い評価
- 身長が低い人や痩せている人は頼りないという評価
などです。
ハロー効果についてサイト一覧
ハロー効果の意味とは?心理効果をビジネスに活かそう-ferret-
ハロー効果とは? 人事評価における問題点の例、対策法を解説-カオナビ-
ハロー効果以外の評価エラー
ハロー効果以外にも評価エラーは次のように多くあります。
- 寛大化傾向
- 中心化傾向・中央化傾向
- 酷評化傾向・厳格化傾向
- 期末誤差
- 論理誤差・論理的誤差 対比誤差
- 分散化傾向・二極化傾向・極端化傾向
- 逆算化傾向・逆算割付
寛大化傾向
寛大化傾向は、全般的に評価結果が高めになってしまうことです。
その原因は、評価者が被評価者の業務内容に精通してない、被評価者からよく思われたいという意識が働くなどが考えられます。
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中心化傾向・中央化傾向
「中心化傾向・中央化傾向」とは、質問紙調査など心理学的な測定を行うとき、「どちらともいえない」など、ほぼ中心あたりで偏りの少ない判断が生じることがあることを言います。
例えば、5段階評価で中心の3に集中してしまうようなケースです。
原因は、評価者が評価基準を理解しておらず自信がない場合や、評価される人のことをよく理解していない場合、被評価者間の差をつけることに良しとしない感情が強い場合などに起こります。
中心化傾向・中央化傾向とは逆に、極端に被評価者の差をつけようとしてしまうことを下に記述しています「分散化傾向・二極化傾向・極端化傾向傾向」と言います。
酷評化傾向・厳格化傾向
酷評化傾向とは、中心化傾向・中央化傾向とは逆に評価者が被評価者を酷評してしまうことを言います。
原因は、評価者が自分に自信があり能力が高いと思っている場合に起こります。能力が高い自分を基準として評価をする為に他者は評価が低くなってしまいます。
期末誤差
期末誤差とは、評価する直前や期末にだけ評価者の印象に残るようなコト(業績、態度、行動等)を非評価者が起こした際に起こりやすくなっています。
期末誤差は評価する対象期間が一年など長期になる場合に起こりやすくなっています。原因としては、被評価者を評価するための情報が少なすぎるため(適切に評価することが出来る情報がないなど)に、直近の事象をもって評価してしまうことなどが考えられます。
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論理誤差・論理的誤差
論理誤差・論理的誤差とは、似たような出来事を関連付けてしまい、独立している評価項目であった場合でも事実ではなく推論(論理)で判断してしまうことを言います。
対比誤差
評価者自身を基準として、もしくは他の誰かを基準として被評価者を評価してしまうことを言います。対比誤差は評価者の得意分野や不得意分野に発生しやすくなっています。
評価者の得意分野については厳しく評価し、不得意分野については甘く評価してしまうことが多くなります。
例えば、積極的な行動をする評価者は、慎重な行動をする非評価者に低い評価をつけてしまいます。
対比誤差の原因は、評価基準が理解できない、自分のスタイルへの過剰な自信、評価基準が不明確などが考えられます。
分散化傾向・二極化傾向・極端化傾向
「分散化傾向・二極化傾向・極端化傾向」とは、前述の「中心化傾向・中央化傾向・極端化傾向」とは正反対の評価傾向です。ほんの少しの差を必要以上に大きくして評価してしまう場合に起こります。
評価は二極化してしまい極端に分かれ良し悪しといった評価となります。
被評価者の能力や実績を把握しようという思い込みが強い、あるいは評価に差をつけて被評価者のやる気を高めようとすることなどが原因として考えられます。
原因は評価者が評価基準を十分に理解していないなどが考えられます。
逆算化傾向・逆算割付
逆算化傾向・逆算割付とは、評価者が求める最終的な評価になるように、最終評価結果から逆算して評価項目を調整することで実態と評価が一致しなくなる傾向を言います。
原因は、評価者が被評価者の育成機能を理解していない場合、被評価者の待遇を良くし、被評価者のモチベーションを向上させたい、評価者への教育が徹底されていない場合などが考えられます。