[最終更新日]2021/09/12
いつ頃からかわかりませんが『自分に自信をもちなさい』と教育されませんでしたか?
その教育は、功を奏して自分に『自信をもたなければならない』という意識は芽生えました。
そして、気が付けば『自信』という言葉に怯えさえも感じてしまうことすらある現実。
私たちはいつの頃からか『自信』という言葉を常に意識する生活を過ごしはじめました。
何かを成し得る=成功を手にする為には『自信』を得る・『自信』を自覚することが必要であり、重要であることは当然です。
しかし、そもそも『自信』とは何を意味するのでしょうか?多様性の社会と謳われ、人生100年時代を迎えた今だからこそ、その『自信』を育むものは何かを、考えておく必要があります。
そんな『自信』を理解するためにも『自信』に直結する「自己効力感」をわかりやすく説明いたします。
Contents
自己効力感とは『これならきっと私にもできる!』と感じること
人間の五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)は徐々に発達していきます。
その発達の過程で【挑戦】と【発見】が連続に起こります。そして、【挑戦】と【発見】の中で人間は多くの事を学び、感じながら成長していくのです。
「寝返り」「ハイハイ」「つかまり立ち」「2足歩行」と順に成長して、行動や運動を覚えていきます。この行動は運動は”自覚している”かどうかは別です。
”自覚している”とは、記憶しているかどうかとも言い換えることができます。
つまり、つかまり立ちができたその時の想いや、歩けたときの感覚を、ありありと語れる人はいないと言うことです。
つかまり立ちから、初めての1歩を踏み出そうとした、その動機を覚えている人はいるでしょうか?覚えている人はおそらくいないはずです。
しかし、そんな事を覚えていなくても人間は、一つ一つの体験が積み重なり【今】に至っています。これは紛れもない事実です。
そんな「挑戦」と「発見」は大人になっても続いています。しかし、その感覚は大人になれば極端に薄れていきます。
「挑戦」して「発見」する為には「体験」や「経験」をしなければなりませんが、「体験」や「経験」さえもしているか”わからなくなる”それが大人といっても過言ではないのです。
わからなくなる事は決して悪いことではありません。人として当然のことでもあります。
ただしここで大切にしておく必要があるのは、その「体験」や「経験」から何を得ているのかということです。
大人になればそれまでの「体験」と「経験」から、どのようなモノやコトでも、ある程度の予測や推測を立てることができるようになっていきます。
その推測の中で【これならきっと私にもできる!】と感じることがあると思います。
この【これならきっと私にもできる!】を自己効力感(じここうりょくかん)と呼ぶのです。
自己効力感の提唱者バンデューラについて
自己効力感とは英語で表記するとSelf efficacy(セルフ・エフィカシー)となります。
自己効力感(Self-efficacy)は、カナダの心理学者でありアメリカ心理学会会長も務めたアルバート・バンデューラ/Albert Bandura(1925年〜)が提唱した言葉です。
心理学者であるアルバート・バンデューラは、社会的学習理論を確立した人物であり、やがて社会的認知理論へと発展していきます。
社会学習理論
社会的学習理論とは、人間は社会の中で様々な学習を通じて成長する生き物であるという理論です。
この学習とは、自分自身が体験することだけをもって学習し成長していくという意味ではありません。
自分以外の他者の行いを知る事や観察すること、真似る=模倣することでも学習することが出来るのです。
受け身で学んでいくのではなく、他者の行動などから積極的に学び、真似ることを意味することから考えると、能動的に学ぶことを意味している点も特徴的です。
自己効力感の位置づけ・自己可能感との違い
アルバート・バンデューラは自己効力感を次のように位置づけました。
自分が目的に応じた必要な行動を遂行できる、あるいは、自分にならできると可能性を認知していること。
ちなみに、英語のSelf efficacyを日本語に訳すときに「自己可能感」と訳されることもありますので注意が必要です。
つまり、自己可能感と自己効力感は同じ意味です。
社会的学習理論と自己効力感の関係性
社会的学習理論において、自己効力感である「これならきっと私にもできる」と感じて、行動に移行できるかを決定させる動機には、「結果期待」と「効力期待」の2つが存在します。
- 結果期待
ある特定の行動を起こせば、期待する結果が得られるだろうと考えられること - 効力期待
自分が望んでいる結果に繋がる行動を自分自身が遂行できると考えられること
この「結果期待」と「効力期待」を感じられるかどうかが「自己効力感」に強く関係しています。
自己効力感と自己肯定感との違い
心理学で用いられる言葉で「自己肯定感」を聞いたことがある方も多いはずです。
「自己効力感」と「自己肯定感」はよく似た響きでもあり混同してしまう言葉として非常に有名です。
この「自己肯定感」と「自己効力感」はともに、人が行動を起こす際に必要不可欠な心理状態ですが、違いがどこにあるのかをしっかりと理解しておきましょう。
自己肯定感とは
自己肯定感とは、自分自身を尊重し、大切な存在と敬う気持ちがあり、自分の存在価値を実感することができており、自分自身を認めることができている状態です。
自己肯定感が高い状態とは、「”ありのまま”の自分を素直に受け入れることができるという状態」です。
失敗を前にした時に「自己効力感」と「自己肯定感」の違いは顕著に現れる
「自己肯定感」と「自己効力感」の違いをわかりやすく理解するためには、失敗を前にした時の心持ちの違いで説明します。
自己肯定感が高い人は失敗した時に「次は頑張ろう」「失敗しても大丈夫。自分にはきっと価値がある」と出来ても、出来なくても結果に左右されることなく、自分を受け止められ、認められます。
自己効力感が高い人は失敗した時に、自分を信じて、自分が望む結果に向けて実際に具体的な行動に移せることを意味します。失敗した時には、「次こそできる」「次こそ目的を達成する為には何が必要か」と考えるのです。
自己効力感を手にいれる為に必要な6つのポイント
自己効力感を手に入れる為に必要とされる=自己効力感は「達成経験」「代理経験」「言語的説得」「生理的情緒的高揚感」「想像的体験」「承認」の6つの要素に分類されます。
それでは、自己効力感を手にいれる為に必要な6つのポイント説明します。
達成経験
達成経験は、自己効力感を手に入れるためにとても大切な要素です。
自分自身が目的や目標を達成した、あるいは成功させたり完成させたという経験を意味します。
簡単に言えば目標を達成し成功した経験というコトです。達成した内容の大小は関係ありません。
また、よくある勘違いですが他人と比較してという意味合いではなく、その達成を自分自身が実感していることが大切です。「あの人が出来なかったけど私は出来た」という意味ではありませんので注意が必要です。
何らかの成功した経験がなければ自分はできるんだとは思えません。
代理経験
代理経験とは、自分以外の人が目標や目的を達成したり、あるいは成功や完成する姿を観察することを意味します。
身近な人であるほどこの効果は大きく、自分のことに置き換えやすいことを意味しています。
例えば、部活動などをイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。
同じチームでコツコツ地道に練習しているチームメイトが試合のここ一番の時に、練習の成果を発揮し活躍する姿を見て、自分も頑張ろう!と思えるような感覚のことです。
これが代理経験です。
「プロのスポーツ選手の頑張りを見て自分も頑張ろうと思える。」これが災害などがあった時にいう「スポーツの力」なのかもしれません。
言語的説得
言語的説得とは、自分に目的・目標を達成する能力があることを、言葉を用いて説明されることで、具体的な言葉を用いての励ましを意味します。
達成した出来事を一緒に喜んでくれる存在や、結果を褒めるだけでなく、その過程に意識をむけてくれる言葉などが大切です。
例えば、応援や声援もその一つですし、上司や先輩からのヒントやアドバイスなども含まれます。
最近では、SNSで『〇〇資格の勉強会』というような、同じ資格取得の目的をもったコミュニティーを開設し互いに励まし合い資格取得を目指すなどもこの一例と言えます。
生理的情緒的高揚感
生理的情緒的高揚感とは、ドキドキしたり、ワクワクするといった気持ちのことです。
新しい発見や新たな気づき・再認識といったことによる気持ちの高まりを意味します。
気持ちを高めるには、やはり規則正しい生活習慣やリズムを整えるコトです。
健康であることが心身のコンディションを高めるのは紛れもない事実です。
想像的体験
想像的体験とは、自分自身や他者が目標・目的を達成し成功を納めた姿を想像することを意味します。
可能な限り具体的に、詳細に成功を納めた姿をイメージすることが大切です。
想像的体験の代表例と言えばやはりイメージトレーニングです。
自分が一番望む姿を詳細にイメージ出来れば出来るほどに、本番で考えなくても自然にイメージ通りのパフォーマンスができるようになるのです。
プロのスポーツ選手やアスリート達は日々この訓練を行って自己効力感を高めているのです。
承認
承認とは、他者から認められることを意味します。
自分の考えや意見・存在そのものを認めてもらえているという意識・安心感が大切です。
自分が「そこにいる」ことを知ってくれていたり、存在しているいることを知ってもらうほど大きな安心感はありません。
人間が求めている欲求の中でも、高度な次元の事柄です。
自己効力感が高いことによる5つのメリット
自己効力感を高めることでメリットはどのようなことがあるのでしょうか?
それでは、ここからは自己効力感が高いことで、どのようなメリットがあるのかをわかりやすく説明いたします。
挑戦に対する臆病さが薄れ、行動へのスピード感が高まります。
成功出来るんだから挑戦しないという選択は普通はありえません。
変な例えですが「100%当たるなら宝くじ」は誰もが買いますよね?それと同じようなもので挑戦しない方がおかしいのでは?と思えるようになります。
挑戦しないと成功はありませんので成功へのスピードも速くなります。
失敗に対して自分を責める気持ちが弱まります。
失敗は成功のもとだと言いますが、自己効力感が高いと「失敗したとしても次に成功する為のヒントだ」と考えられるようになります。
自己効力感が高いと、失敗をして恥ずかしく、情けない存在なのではなく、失敗を失敗のままにしておくわけにはいかないと思える前向きさが生まれるのです。
《出来なかったらどうしよう》と考え始めることが少なくなります。
失敗を恐れる気持ちが弱まっていくのですから、出来なかったらどうしよう考え始めることが少なることは当然のことです。
失敗を恐れて「できない」理由を探すのではなく、「できる」為にどうすれば良いのかを考えられる意識の変化が明確になります。
環境や人との関係性に感謝と学ぶ気持ちが自然に持てるようになります。
自己効力感が高いと自分一人の力や能力だけでは解決できないことを実感します。
しかし、この解決できない実感とは消極的なものではありません。
自分の周囲で見守ってくれたり、ヒントを与えてくれる人などの存在に気付く心の余裕を自然にもたらせてくれており、感謝の気持ちが強くなるのです。
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感情が豊かになり、表情が明るくなります。
「出来ない」ことを受け止め、その事実を前向きなエネルギーに変えていく。
すると、何気ない日々の繰り返しの中に普段と異なる発見などが増えます。いつもと同じ景色・会話・関係にも感謝する気持が芽生えていきます。
そんな人へは、意識しているしていないはわかりませんが、他者の接し方も少しずつ優しさが含まれるように変化していきます。
すると表情や雰囲気が明るくなります。
表情や雰囲気の明るさはそのまま感情の豊かさにも繋がります。
自己効力感を持ち合わせているかを判断する5つポイント
自己効力感がゼロな人はいません。まずはこれが大切なポイントです。
人は誰もが多い少ないはあるとしても必ず自己効力感は持ち合わせています。
それでは、自己効力感の高いや低いはどのような点で見極めることができるのでしょうか?
ここでは自己効力感を持ち合わせているのかどうかを判断する5つのポイントをわかりやすく説明いたします。
指示待ち人間は自己効力感が低い
人からの指示を受けてからしか行動に移せない。俗に言われる指示待ち人間です。
現代では多くの人が指示待ち人間になってしまっている傾向が強いと言われています。
そんな指示待ち人間は自己効力感が低いという事が出来ます。
自己効力感が高い人は、指示をされる前に自らが考えて行動に移すのです。
行動までの時間がかかる人は自己効力感が低い
具体的な行動指示を受けてからも、実際の行動に移すまでに時間がかかる人がいますが、このような人は自己効力感が低いと言えます。
タイミングが合わない・チャンスを逃しがちで行動しないことの理由を考え立ちになります。
俗に努力をしているのに報われない人は。この傾向が強い可能性があります。一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか?チャンスは”今”です。
考えるのではなく行動を!!!
納得出来なくても指示された通りに一旦は物事を進められる人は自己効力感が高い
いくらアドバイスやヒントを伝えても、その通りにやってみない人がいます。
反対に納得が出来ていなくてもまずは指示された通りに物事を進められる人がいます。そして、言われた通りにやってみてまずは成功するのです。
その成功は、達成経験となり自己効力感が高まります。
逆に、疑い深い人は、言われた通りに物事を進めずにその行為を「人のいいなりになっている」ことだと誤解してしまい、成功しないまま諦めるのです。
まずは、人から教えられるコトで成功による達成経験を得てから、自分にあったやり方を探してみることが自己効力感を高めるには良い方法です。
弱音を吐かず、諦めず、落ち込まない人間は自己効力感が高い
始める前から「出来なかったらどうしよう」「きっと上手く出来ないから」と言葉にし、案の定「できない」現実に打ちひしがれてしまうような人がいます。こういった人は当然自己効力感が低いと言えます。
「どうすればできるか」がそもそも発想として存在しないのだから、周囲の人のモチベーションまで下げていきます。
逆に、出来ない事などを想像せずに失敗しても諦めずに成功するまでし続ける人は自己効力感が高いです。
このような人は周囲のモチベーションも上げてくれます。
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言い訳が上手に出来る人間は自己効力感が高い
様々な場面で結果報告は必要です。
結果報告が望まれた結果(成功)ならが良いのですが、望まれた結果ではない場合(失敗)も当然起こり得ます。
そんな時に成功しなかった理由(言い訳)を説明する際に、他人事のように聞こえてしまう人は自己効力感が低いと言えます。こういう人は、結果を「仕方がない」と思ってしまう傾向が強くあり、その思いが報告する際に相手に伝わってしまいます。そして、怒られるのです。
しかし、自己効力感が高い人は成功しなかった理由(言い訳)を上手に説明することが出来ます。なぜなら、その成功しなかった理由には次にどうすれば成功するかが含まれているからです。
つまり、自己効力感が高い人の言い訳は、「出来なかった理由が理解出来ました」という言い訳であり、次に繋がる説明なのです。
発明家トーマス・エジソンの有名な言葉と同じです。
「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」こんな形の言い訳を部下がしてきたなら、あなたも応援してしまうのではないでしょうか?
自己効力感が高いことによる5つのメリットと自己効力感を持ち合わせているかを判断する5つポイントのまとめ
いかがだったでしょうか?
自己効力感が高いことによる5つのメリット・自己効力感を持ち合わせているかを判断する5つのポイントをご紹介をしましたが、自分自身に当てはまる部分はありましたか?
自分の事はわからないけど、周囲に当てはまる人がすぐに思い浮かんだなんて方は多くいたのではないでしょうか?
自己効力感を高いということは、全ての物事に対して主体的に取組めているということを意味しています。
主体的とは自分の事として捉えて考えている事を指します。
自分の行動に責任を持つ、自己管理する意識をしっかりと持ち合わせているということは、自分は他者との関係性において社会の中で成立しているという自覚を促すことに繋がります。
つまり主体的に取り組めているという事は、「他者からの期待や要請・要望に自分は応えることができる」「きっと対応することできる」という確かな意識をもつことに繋がり、自分に対する信頼感や有能であるという自信を獲得していくサイクルを生み出していくことになるのです。
自己効力感・自己肯定感の関連書籍一覧
- 激動社会の中の自己効力/アルバート バンデューラ
- 自己効力感とレジリエンスを高める看護の実践/バーバラ レズニック
- セルフ・エフィカシーの臨床心理学/坂野雄二・前田基成・川原健資・嶋田洋徳
- 新装版 社会的学習理論の新展開/編集:祐宗省三・原野広太郎・柏木惠子・春木豊
- 自己肯定感のコツ「自分の価値」に気づく92のヒント/植西聰
- 子どもの自己効力感を育む本/松村亜里
- お母さんの自己肯定感を高める本/松村亜里
- 「どうせ無理」と思っている君へ 本当の自信の増やしかた/植松努
自己効力感・自己肯定感関連サイト一覧
- 自己効力感とは? 自己肯定感と何が違う? 測定方法・高める方法/カオナビ
- 自己肯定感とは?高い人・低い人の特徴や注意すべきポイント/グロウメンリーダーズ
- 自己効力感とは?4つの要因とその高め方について/ピポラボ
- 自己肯定感とは?自己肯定感が低い人の特徴や高めるための方法も紹介/lafool
- 自己肯定感/Wikipedia
- 自己効力感/Wikipedia
自己効力感とは?高める方法と高い人を見極める方法/自己肯定感との違いを例えと一緒に解説のまとめ
自己効力感がなぜ『今』必要なのか
自己肯定感と自己効力感の違いを記しましたが、自己肯定感は「ありのままの自分」を素直に受け入れることができるという実感を意味しています。
「ありのままの自分」を素直に受け入れることは大前提に位置することと言えます。
自分で自分のことを受け入れられない、認められないことは、自分を失うことを意味しています。
他者との関わりなくして成立しえない現代社会の中で生きていく為には、自己肯定感は必要不可欠です。
ましてやSNSでいつでも誰とでも繋がれる現代に於いて自己肯定感はとても大切です。
そんな自己肯定感の下地が構成された上で、自己効力感が『今』の時代は必要です。
それはなぜなのでしょうか?
自己効力感を得るということは”未来の自分”に向かって働きかける実感であることを意味しているからです。
人生100年時代に突入し、多様性の社会を迎えています。
そのような社会の中で、コロナウィルスという未知の脅威を前に今だ解決策を見いだせていないと言えます。
他にも多くの問題があります。
「経済格差の問題」「人種差別の問題」「自然環境の問題」「エネルギー資源の問題」等々・・・
いずれの問題も明確な解決策を見いだせずにいます。
このような社会全体・世界規模での問題・課題に対して「私一人にできることなど何もない」と考えることが、永遠に解決を先送りしていくことに繋がると私は考えています。
一人一人の問題・課題は、確かにその時点においては社会全体や世界に繋がっているという自覚は持ち辛いことは確かです。
しかし一人一人の人間が、自己効力感=【これならきっと私にもできる!】という意識を芽生えさせることができれば、自ずと気づくことがあります。
それは、個人の問題と社会は、間違いなくリンクしているという真実です。
すなわち、一人一人が当事者意識を高めることが、自己効力感を高めることの意味ではないかと私は考えています。
『自信』とは何か
『自信』を持つということは必要なことです。
自信を無くして自己実現はあり得ません。
失敗や挫折を経験したことがない人間はいないはずです。
失敗や挫折による心の傷を『自信』消失と結びつけ過ぎではないかと感じることが私はあります。
失敗や挫折は失うばかりではなく、そこから得ているものもあるという事に気づかなければならない。
これからを生きる私たち、とくに若者においては【ありのままの自分】を受入れることに加え、【未来は自分で作り上げるものだ】という意識をもつことが大切だと私は考えます。
自らが望む明日は、【これならきっと私にもできる!】という意識のもと挑戦する先に待ち構えていると信じることが大切です。
挑戦には、失敗も挫折も必要不可欠であることも強く自覚しなければなりません。
本当に必要な、そして真の『自信』とは、過去の実績や積み重ねが根拠となって生まれるばかりのものではないと私は考えます。
未来に向かって積極的に、社会との関係性の中で自分が存在していることを認識する。
そして失敗と挫折を繰り返しながらも、挑戦し続けていく。
その行動していく先にこそ『自信』は本来の輝きを発するものだと自己効力感は示してくれているのです。