カッツ理論とは? テクニカルスキル/ヒューマンスキル/コンセプチュアルスキル

[記事公開日]2020/05/13
[最終更新日]2020/08/25
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新入社員で入社した従業員の「仕事」と店長や社長などの「仕事」の違いとはどのようなものでしょうか?

この「仕事」の違いを認識し理解せずに管理職になり苦労したという話はよく聞きます。そんな「仕事」の違いを人材スキルに関する”カッツ理論”をベースとしてわかりやすく説明いたします。

 

カッツ理論とは?

カッツ理論とは?カッツ理論とは、1955年に Skills of effective administrator でロバート・カッツより提唱された、ビジネススキルと人材の関係性について言及された理論です。

カッツ理論とは、様々な職種に必要な能力は3種類のスキルがあり、職層の違いによって必要なスキルの比率が変化していくという考え方です。

 

ロバート・カッツとは?

ロバート・リー・カッツ(Robert Lee Katz)は1926年生まれのアメリカの経営学者で、ハーバード大学の元教授です。

 

カッツ理論の3つのスキル

カッツ理論の3つのスキルカッツ理論には3つの職位層と3つのスキルがあります。

まずはカッツ理論の3つのスキルは以下の通りです。

  • テクニカルスキル(専門能力)/Technical Skills
  • ヒューマンスキル(対人関係能力・人間理解能力)/Human Skills
  • コンセプチュアルスキル(概念化能力)/Conceptual Skills

 


テクニカルスキル(専門能力)/Technical Skillsとは?

テクニカルスキル(専門能力)/Technical Skillsとは?カッツ理論の3つのスキルの”テクニカルスキル”とは、業務遂行能力、定型業務能力や業務知識と呼ばれるものです。

担当業務に必要な知識や技術と言えばわかりやすいかもしれません。

経理、会計、財務部門の担当者であれば経理や財務の知識が該当します。自社の製品のサプライチェーンを理解することもこのテクニカルスキルに該当するでしょう。

他の具体的なテクニカルスキル

  • 定型業務能力
    マニュアル等で定められている能力のことを言います。
  • パソコン活用能力
    ワードやエクセル、パワーポイントだけではありません。メールやグーグルの検索手法なども含めての活用する能力を言います。
  • 語学力
    英語や中国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、韓国語など外国語はもちろんですが、日本語もスキルと言えます。
    語学力とは”言語を学習して習得する能力、学習によって得た言語能力などを意味する表現”です。敬語なども含まれることがわかります。
  • 情報収集力
    情報収集力と言えば探偵やスパイなどが思い浮かぶかもしれませんが、そのような大きなことだけではありません。
    必要な”情報”を必要なトキに効率的に収集する能力であり、かつ質の高い情報を収集する能力のことを言います。
    なお、この情報収集力はインターネット時代で言えば”ググる”のが得意な人と言い換えることもできるかもしれません。

 

ヒューマンスキル(対人関係能力・人間理解能力)/Human Skillsとは?

ヒューマンスキル(対人関係能力・人間理解能力)/Human Skillsとは?カッツ理論の3つのスキルの”ヒューマンスキル”とは、対人間との能力であり、他者との関係を作るためのスキルを言います。

社内の人間はもちろんですが、社外やパートナー企業の人間やお客様との関係も含まれます。

ヒューマンスキルは以下のように細分化することが出来ます。

  • コミュニケーション力
    コミュニケーション力が、面白い話をする能力と勘違いされている場合があります。ただ単に面白い話を一方的に話す人のコミュニケーション力は高い訳ではなく面白い話をするスキルが高いだけです。
    コミュニケーション力は相手の性格を把握し適切な対応をする能力です。
    つまり、コミュニケーション力とは、人と人の間で意思疎通をとる方法・手法・テクニックなどの総合的な能力を言います。
    これには、メールやラインなど、顔を合わせない文字での意思疎通も含まれます。
  • ヒアリング力
    ヒアリング力とは、傾聴力とも言われます。
    傾聴力とはただ黙って相手の話を聞く”だけ”という意味ではありません。相手が何を言いたいのかや伝えたいのかを考え、話しをしやすく促し、頷いたり、適切な質問をしたり、意見をはさんだりすることを言います。質問力や仮説を立てる能力とも言いかえることが出来ます。
  • 交渉力
    交渉力とは、相手との何らかの問題が起きているときにお互いの妥協点や合意点を見つけ出すスキルを言います。
    交渉力は社外の人との関係だけではありません。社内や部内の交渉にも役立ちます。
    部署を超えて社内全体で取り組むプロジェクトなどの場合には、部門間での調整が必要となるからです。人間と人間との間には絶えず問題が起こりますので交渉力がものを言います。
  • プレゼンテーション力(提案力)
    プレゼンテーション力とは、相手に内容を理解してもらい、同意や納得という選択に導くための様々な技量の総称した言い方です。
    最近は資料作りに重点をおかれた意味合いが多く含まれて使用されることがあります。しかし、プレゼンテーション力とは、プレゼンテーションの際の身振りや手振りという見た目から、話し方や間の取り方なども含まれます。「論理的かつ感情に訴えかける力」とも言えます。
  • 動機付け(働きかけ力)
    動機付けとは、主に部下の意欲を引き出す力を言います。マネジメントを行う際に発揮されます。
    同僚やモチベーションが低下している上司に用いることもまれにあります。
  • 向上心
    向上心とは、現在の状態に満足せずにさらなる高い目標に向かい邁進し尽力する心のことを言います。
    向上心はヒューマンスキルの中で自分自身の中で完結するのが特徴です。また、自分自身の現状に満足できないことが元となり起こってくるものです。上司や先輩などから強制的に定められてやる気持ちは向上心とは違いますので注意が必要です。
  • リーダーシップ
    リーダーシップとは組織やチームを引っ張っていく能力のことを言います。リーダーシップは上記すべてのスキルを合わせた能力と言い換えることも言えます。決断する能力や責任感も必要です。

 

コンセプチュアルスキル(概念化能力)/Conceptual Skillsとは?

コンセプチュアルスキル(概念化能力)/Conceptual Skillsとは?コンセプチュアルスキルとは、知識や情報を分析することにより、ある別の事象がある組織やチームの中でどのように関係しているかの共通項を洗い出して、企業の中や社会の中でどのような影響があるかを、より抽象化して物事の本質を見極める能力であり本質を考える能力のことです。

コンセプチュアルスキルが長けた人は「ある出来事から多くの学びを得る人」「全く違うことに見える出来事に共通項・共通点を見つけ出し解決する能力がある人」ということも出来ます。

コンセプチュアルスキルは以下のように細分化することが出来ます。

  • ロジカルシンキング(論理的思考)
    ロジカルシンキング(論理的思考)とは、一貫して筋が通っている考え方で、説明の方法です。問題を分解し整理して、解決する事が出来ます。
  • ラテラルシンキング(水平思考)
    ラテラルシンキング(水平思考)とは、ある問題解決のために今までの理論や方法や考え方に捉われることなく、「 物事を多角的に考察する」「新しい発想を生み出す」ための思考法です。
  • クリティカルシンキング(批判的思考)
    クリティカルシンキング(批判的思考)とは、物事を客観的に判断しようとする思考プレセスです。自身の感情や周りの意見に流されることなく、物事の本質をとらえる考え方とも言えます。
  • 多面的視野
    多面的視野とは、一つの物事や課題に対して2つ以上の複数のアプローチを行う能力のことを言います。
  • 柔軟性
    柔軟性とは、トラブルや問題に対してその場の状況に応じて臨機応変に対応できる能力のことを言います。
  • 受容性
    受容性とは、異性や外国人など自分とは違った価値観を受け入れられる能力のことを言います。
  • 知的好奇心
    知的好奇心とは、知らないことに興味を持ち、知っていく為の能力です。
  • 探究心
    探求心とは、出来事や物事に興味を示して、物事をしっかり深く掘り下げるための能力です。
  • 応用力
    応用力とは、ある出来事の経験や知識、技術を他の出来事に適用する能力です。
  • 洞察力
    洞察力とは、本質を見通す能力です。
  • 直感力
    直観力とは、感覚的に出来事を捉えて反応する能力です。
  • チャレンジ精神
    チャレンジ精神とは、果敢に挑戦し行動を起こす能力です。
  • 俯瞰力
    俯瞰力とは、客観的に全体像を捉える能力です。
  • 先見性
    先見性とは、先を見通す能力です。

 

カッツ理論の3つの職位層

カッツ理論の3つの職位層

カッツ理論では職位を以下の3つの職位層に分類しています。

  • ロワーマネジメント(監督者層)
  • ミドルマネジメント(管理者層)
  • トップマネジメント(経営者層)

 

ロワーマネジメント(監督者層)

ロワーマネジメント(監督者層)

カッツ理論の3つの職位層の最後は、ロワーマネジメント(監督者層)です。

現場監督や店長と言われるような職位を言います。

企業規模などによって言い方は違います。

 

ミドルマネジメント(管理者層)

ミドルマネジメント(管理者層)

カッツ理論の3つの職位層の2つ目は、ミドルマネジメント(管理者層)です。

部長や課長、リーダー、主任と言われるような職位を言います。

企業規模などによって言い方は違います。

 

トップマネジメント(経営者層)

トップマネジメント(経営者層)

カッツ理論の3つの職位層の1つ目は、トップマネジメント(経営者層)です。

その言葉の通り経営幹部のことで社長やCEOとよばれる職位や取締役などのことを言います。

企業規模などによって言い方は違います。

 


職位により違う必要なスキル

カッツ理論では職位により必要とするスキルが以下の図のように違います。

カッツ理論

ヒューマンスキルの重要性

ヒューマンスキルの重要性ここで大事なのがヒューマンスキルは、どの職位層においても常に大きな割合であり、どの職位層であっても重要なスキルだと言うことです。

コンセプチュアルスキルとテクニカルスキルは職位層が上がるとともに割合が変化していきます。

しかし、ヒューマンスキルはどの段階においても常に大きな割合を占めています。これは、アルバイトや新入社員などから経営層までどの段階であっても対人能力の重要度が高いということが理解出来ますです。

近年ではヒューマンスキルの重要性はますます高まっています。

世間で言われているコミュニケーション力はヒューマンスキルの最たるスキルです。

 

自然と身につかないスキルもある

自然と身につかないスキルもある

カッツ理論を理解したからといってスキルは身に付きません。ヒューマンスキルをはじめコンセプチュアルスキルとテクニカルスキルも同様です。

経験を通して自然と学べることもありますが、管理者として部下の育成しなければならないスキルもあります。また、部下自身が自ら学ぼうとし自己研鑽しなければならない場合も多くあります。

もちろん、部下を育成する時もですが自分自身の成長の為にも自らが学び学ばそうとすることが大切です。

 

カッツ理論の関連サイト

  1. 職位が上がるにつれ 「能力は変化」を提唱/ダイヤモンドオンライン
  2. カッツの3能力/グロービズ経営大学院
  3. ビジネススキルを理解する上で実用的なカッツ理論/mitsucari
  4. 階層別教育に役立つカッツ理論とその使い方!/企業内学習の戦略
  5. 「カッツ理論」から、人材育成を考える/カレッジサプリ

 

カッツ理論のまとめ

カッツ理論のまとめ職位が上がれば自然と必要なスキルが身につく訳ではありません。つまり、優秀なプレーヤーであるかといって、職位層が上がった際に優秀なマネージャーになれる訳ではありません。

しかし、一般的に現場で優秀なプレーヤーだった人は、優秀だった成功体験を元に優秀なマネージャーになれると勘違いしてしまいます。

そんな人はカッツ理論を知ることにより、現在の自分が必要なスキルは何かを認識し、その必要なスキルを学びスキルアップする必要があるのです。

 

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