[最終更新日]2021/09/13
社会人になってから上司や先輩から「PDCAサイクルも知らないのか?」なんて言われた事がある人も多いはずです。
ビジネスでPDCAサイクルを知っておいて損はありません。
そんな社会人になってから知っておいた方が良かったと思われる「PDCAサイクルの意味とは?目標達成計画を実行する初心者向けに解説:古く意味がないと言われる理由」を初心者向けにわかりやすく説明いたします。
Contents
- 1 PDCAサイクルの提唱者について
- 2 PDCAサイクルの定義とは?
- 3 Plan/計画
- 4 Do(実行)
- 5 Check(評価)
- 6 Action(改善)
- 7 PDCAのメリット・デメリットについて
- 8 PDCAサイクル失敗原因
- 9 PDCAサイクルを効率的に回すポイント
- 10 《ステップ別》PDCAサイクルを効率的に回すポイント
- 11 PDCAサイクルを効率的に回す各ステップのツールについて
- 12 PDCAサイクルとOODA(ウーダ)ループの違いについて
- 13 PDCAサイクルとOODA(ウーダ)ループの使い分け方法は?
- 14 PDCAサイクルの意味とは?目標達成計画を実行する初心者向けに解説:本当に古くて意味がない?のまとめ
PDCAサイクルの提唱者について
PDCAサイクルは、ウィリアム・エドワーズ・デミング/William Edwards Deming(1900年10月14日– 1993年12月20日)と、ウォルターA.シューハー/Walter Andrew Shewhart(1891年3月18日– 1967年3月11日)が第二次世界大戦後に提唱しました。
ウィリアム・エドワーズ・デミング氏は、アメリカ合衆国のニューヨーク大学経営学大学院の教授、コロンビア大学経営学大学院で教鞭を執っていたエンジニアであり統計学者、著者、講師、経営コンサルタントなど多くの分野で活躍しました。
ウォルターA.シューハーは、アメリカ合衆国数理統計学会の創設メンバーでありフェロー、会長を務め、王立統計学会の名誉会員、ホリーメダルの米国機械学会、インド統計研究所名誉科学博士など多くの分野で活躍しました。
PDCAサイクルの定義とは?
PDCAとは、Plan/計画・Do/実行・Check/評価・Action/改善の頭文字を順番に並べた頭字語です。
PDCAサイクルは、ビジネスや仕事面でだけ活用出来るという訳ではありません。プライベートの問題や家族間の問題、草野球チームのチーム戦略としてなど様々な場所で活用可能です。
それではPDCAのPlan/計画・Do/実行・Check/評価・Action/改善を具体的に説明いたします。
Plan/計画
PDCAの「P」はPlan/計画です。
Plan/計画は、達成したい目標を定めて、その目標を達成するための実行計画(アクションプラン)を作成する段階です。
達成したい目標は、上述した通り、新しい商品の販売などビジネス面のみではなく、「家を常にキレイにしていたい」や「草野球チームで勝ちたい」など様々な場面でも利用可能です。
Plan/計画を考える際には以下の点に注意が必要です。
数値での目標設定
実行計画(アクションプラン)を作成する際には、誰が見てもわかるような数値を目標にすることが望ましいと言えます。
例えば、「売上をアップさせる」ではなく「3月の利益を前年比110%にする」などでの作成です。
また、目標達成の期限を設けて、そのタスクや行動を細分化しスケジュールを立てることが重要です。
ただ、可能な限り目標はシンプルにすることも重要です。
自分で想像出来る限りで良いので到達可能な目標と意識すると良い目標設定が出来ます。
5W1H/5w2H/6W2H/7W3H/8W3H等フレームワークを意識する
プランニングをする際には5W1H/5w2H/6W2H/7W3H/8W3H等のフレームワークを意識するようにしましょう。
- 5W1H
いつ/時期(When)
どこで/場所(Where)
誰が/行動する主体(Who)
何を/内容(What)
なぜ/理由(Why)
どのように/手段(How) - 5W2H
いつ/時期(When)
どこで/場所(Where)
誰が/行動する主体(Who)
何を/内容(What)
なぜ/理由(Why)
どのように/手段(How)
いくらで/料金・金額(How much) - 6W2H
いつ/時期(When)
どこで/場所(Where)
誰が/行動する主体(Who)
誰に/客や関係する人(Whom)
何を/内容(What)
なぜ/理由(Why)
どのように/手段(How)
いくらで/料金・金額(How much) - 7W3H
いつ/時期(When)
どこで/場所(Where)
誰が/行動する主体(Who)
誰に/客や関係する人(Whom)
誰と/パートナー(with whom)
何を/内容(What)
なぜ/理由(Why)
どのように/手段(How)
いくらで/料金・金額(How much)
どれくらい/量・大きさ(How many) - 8W3H
いつ/時期(When)
いつまでに/期限(when by)
どこで/場所(Where)
誰が/行動する主体(Who)
誰と/パートナー(with whom)
誰に/客や関係する人(Whom)
何を/内容(What)
なぜ/理由(Why)
どのように/手段(How)
いくらで/料金・金額(How much)
どれくらい/量・大きさ(How many)
上記のどのフレームワークが正解という事はありませんし、上記が全てではありません。
自身のプランニングに合わせたフレームワークの活用をお勧めいたします。
仮説・プランを漏れなくしっかりと立てる
上述した例で「3月の利益を前年比110%にする」の場合には様々な仮説やプランが考えられます。
- 消耗品費を10%削減する
- 売上を10%向上させる
- 光熱費を10%削減する
- 通販部門の売上を10%向上させる
等利益の出し方は他にもたくさんあります。
そんな中でも取り組むべき課題を明確にした上で重要度や順位を考えましょう。
後述する通りやり直しは可能ですが、ここで可能な限り全てを考えておくことが、より早く効率的にPDCAサイクルを回す事にも繋がります。
Do(実行)
PDCAの「D」はDo/実行です。
Plan/計画したことを、Do/実行する段階です。
実行計画(アクションプラン)を”計画した通り”に実行することが重要です。この”計画した通り”に実行することと同時にその記録を残すことも大切です。
PDCAサイクルは、後から実行したコトを検証する必要があります。
その為にも、記録を残すコトが重要になるのです。記録があることで計画通りに実行したのかや、実行するコトに失念がなかったのかなど詳細な検証が可能になります。
また、記録する際には実行したコトすべてを記録する事が重要です。結果的に成功したコトだけではなく、成功しなかったコトも含めてすべてを記録するようにしましょう。
成功しなかったコトを記録に残す事で、その理由を検証する必要があるからです。同時に実行した時に発生した問題や課題も含めて記録します。
記録した人により隔たりが無いようにする工夫が必要ですが、その記録方法の決まりにこだわり過ぎてしまうと、偏った記録になることもあるために注意が必要です。
Check(評価)
PDCAの「C」はCheck/評価です。
Do/実行したことを、チェックし検証評価する段階です。Do/実行で記録したことが、Check/評価で活かす事に繋がります。
Check/評価では以下のことに注意しましょう。
数値的な部分での評価
check/評価では、まず結果を数値的な部分で判断しましょう。
数値での評価は誰がいつどのようなところであっても間違いなく同じになるからです。
また、どのくらい達成できたの達成できなかったのかの検証も必要です。
例えば、目標に対して200%達成していた場合は目標自体が低かった可能性があり、逆に目標に対して10%の場合には目標が高い可能性があります。
このように目標に対して”どのくらい”も意識して検証しましょう。
計画通りに実行できたかの評価
Check/評価は、数値的な目標が達成したかどうかを検証するだけではありません。
計画通りに実行できたのかどうかのチェックが必要となります。このチェックにも上記と同じように”どれくらい”計画通りに出来たのかも検証も必要です。
- 10%しか計画通りに出来なかったが成功した
- 100%計画通りに出来たが成功しなった
では、評価が違ってくるからです。
評価が違うと次のステップであるaction/改善も当然違ってきます。
目標数値との比較結果に基づきながら、計画実行度との比較をすることが具体的根拠に繋がります。数値によって因果関係が明確になり、action/改善を議論する際の議題にも役立つのです。
結果の評価後の原因究明にも数値を前提としましょう。
「時間(人)が足りなかった」ではなく「1つの項目の実行には1時間必要であり12個の項目が行動出来ずにいた。また、12項目ともに1人で担当しており計画では3時間×4日で完了予定だったが合計で12時間足りずに実行出来なかった」とする事で、action/改善の際に選択肢が増えます。
例えば上記で考えた場合12時間という数値がわかることで分割することが可能になります。
「1人×12時間」で実行できなかった場合には、作業内容を3分割し4人で行動、1時間ずつを12人で担当するなどするaction/改善を考えることが可能になるのです。
このように数値で判断することで、具体性のある改善に繋げることになるのです。
Action(改善)
PDCAの「A」はAction/改善です。
Check/評価した結果から、Action/改善します。
PDCAサイクルではAction/改善の次にPlan/計画に戻ります。Action/改善を考える際にはPlan/計画を頭に入れて考えることが重要になります。
Action/改善では、計画を続けていくのかを含めて検討する必要があります。つまり、計画の中止も含めてAction/改善しましょう。
ついつい「目的を達成するためにはどのようにしたらよいのか」だけを考えてしまい、目的を達成する事が成功だと固執してしまう事がある為です。
企業理念を達成するためには、根本的に目的自体が誤っていたりする場合もあります。ただ、中止した場合にはでは、正しい目的は何なのかを検討して新しいPDCAサイクルを回すという事も重要です。
また、一旦延期というActionもあり得ます。
中止というAction、延期とActionも一つのActionですので忘れないように検討項目の中に入れておきましょう。
PDCAのメリット・デメリットについて
どのような出来事であっても、ゴールの状態がわからずに、計画がないままでは上手くいくことが少ないのではないでしょうか?
目的地がない旅行では「どのように」して「どこに向かえば良い」のかわからないと同じです。
旅行の目的地があるからこそ、電車で行くのか飛行機で行くのかなどを選択することができるのです。また、その選択が正しかったのかどうかを後から評価することも出来ません。
このような状態にならないようPDCAサイクルがあるのです。
それでは、PDCAサイクルのメリットデメリットをわかりやすく説明いたします。
PDCAサイクルのメリットについて
PDCAサイクルのメリットは、業務や品質が継続的改善可能なことです。
業務改善や品質改善は業務として行うのは当然です。
ただ、その改善を継続的に行うとなると難しいと思われる場合が多いのではないでしょうか?
このように難しいと思われる「継続的な改善」を実行するために、効果的なフレームワークがPDCAサイクルなのです。
それでは、具体的なPDCAサイクルのメリットは以下の通りです。
集中して取り組むことが可能であり生産性の向上が高まる
目標を具体的な数値などで設定することで、その目的の為にやるべきことが明確となり、集中して取り組むことが可能になります。
また、仕事へ集中することで、生産性の向上が高まります。
PDCAサイクルは、一人での取り組みではなくチームや会社全体で取り組むことでさらに生産性の向上に繋がるのです。
業務効率の向上に繋がる
PDCAサイクルを行ったとしても成功するばかりではありません。
ただ、PDCAサイクルは成功しても成功しなかったとしてもその評価を行う必要があります。
この評価は、成功した場合には更なる効率化を考えることに繋がります。
また、成功しなかったとしても失敗と捉えることなく、なぜ成功しなかったのかということを考えることを実行するために様々な場面で業務効率を考えるきっかけにも繋がるのです。
結果から改善すべき点が明確になりやすい
上述した通りPDCAサイクルは、成功しなかったとしても成功しなかった理由である改善点を考えます。
それは、目的を定めていることで、改善点が明確になりやすくります。
数値的な目標があるからこそ、「目標の90%に達成した」とわかり、残り10%を達成するためにはどのようにすべきかだったかという点を具体的に考えることが可能になるのです。
また、チームとして取り組んでいる場合には、誰に何をどのくらいの指示を与えるかなどの管理が容易にもなります。
不足している点がわかりやすく
計画を定めているのでは成功しなかった場合にも、何がどれくらい不足しているかがすぐに判明します。
これは数値化しているからこそ、誰でもわかりやすく、その次のステップの「どうして不足したのか?」や「不足分をどのようにして補うのか?」等を誰もが考えることが容易になります。
PDCAサイクルのデメリットについて
PDCAサイクルを実行すれば100%成功しデメリットはないのでしょうか?
もちろん、そんな訳ではありません。それでは、PDCAサイクルのデメリットは何があるのでしょうか?
PDCAサイクルのデメリットは以下の通りです。
イノベーションが起きにくい
基本的にPOCAサイクルは、小さな問題点の改善の繰り返しです。
また、改善手法も前例主義に陥りがちです。改善手法が前例主義になるという点で、過去のデータに頼ってしまうことも多くなります。
このような点でイノベーションは起こりにくく、もし目標を「イノベーションを起こす」としても、その目標自体がPDCAの具体的な数値で示すという、PDCAの目標として相応しくはないのかもしれません。
つまり、PDCAサイクルでは、革新的な商品やサービスは考えにくいのが実情です。
PDCAを回すこと自体が目的となってしまう、忘れてしまう
PDCAサイクルは、一定の時間をかけて実行する必要があります。
その為に、時間が流れるうちに目的を忘れてしまいがちになります。
ただ、PDCAサイクルを回すことは忘れていないために「PDCAを回さなければ」という意識のもとに目的を忘れたままで、とにかく回すという点が目的となってしまうことが多くあります。
しっかりとした目的意識を持ちPDCAサイクルを”なぜ”回しているのかを意識することが重要です。
時間がかかる
PDCAは、一つずつ時間をかけて行わなければならず時間がかかります。
また、Action/改善が効果的がどうかは再度PDCAというプロセスを回さなければならず自然と時間がかかってしまいます。
同時に誤った改善策の場合もありえますので、その場合は更に時間がかかってしまいます。
上記とは別ですが、日本人特有の根回しに時間がかかることもあり得ます。
一つのPDCAを回すのに多くの上長の合意を意味をする「はんこ」をもらわなければならないことも考えられます。
このようなことを考えればやはり時間がかかってしまいます。
PDCAサイクル失敗原因
PDCAサイクルのそれぞれのステップでそれぞれの失敗原因があります。
また、それぞれのステップの失敗原因に特徴があります。
PDCAサイクルのステップごとに良くある失敗原因は以下の通りです。
Plan/計画でよくある失敗例
■目標設定が高すぎる
高すぎる目標であってもしっかりとPDCAサイクルを回せば目標を達成する事は可能です。しかし、時間がかかるためにその途中で諦めてしまう場合がよくあります。
現実からあまりにもかけ離れている目標の場合は、その目標を細分化しPDCAサイクルを回すようにしましょう。
例えば、目標が売上500%アップの場合にはまずは、まずは目標売上を120%にした計画プランでPDCAサイクルを考えるようにしましょう。まずは、実現可能な目標の方が気持ちの部分もやる気になります。
ただ、例で上げたように目標が売上500%アップなど非常に高い目標の場合にはPDCAサイクルよりもイノベーションを生むアイデア等の方が時間的にも短くなるかもしれませんので、新しいサービスや商品の開発に力を入れてみてはいかがでしょうか?
■具体的に決めていない曖昧な計画
上述した通り「5W1H/5w2H/6W2H/7W3H/8W3H等」フレームワークを意識することが成功へのステップです。
しかし、フレームワークを使用せずに「誰かが」「いつか」やるという計画ではうまくいくはずがありません。しっかりととフレームワークを使用した計画を立てるように意識しましょう。
■現状把握と現状分析がしっかりと出来ていない
PDCAサイクルでは現状分析と現状把握が重要です。計画を立てる前に、現状分析と現状把握が出来ているのかをもう一度考えるようにしましょう。
現状把握と現状分析が出来ていなくてもPDCAサイクルを回す事が可能ですが、これではさらに時間がかかってしまうためにモチベーションの面でもうまく回らないことが予想できます。
しっかりとした現状把握と現状分析で目標達成を少しでも早くできるようにしましょう。
Do/実行でよくある失敗例
■現場で実践する人の不十分な取り組み
PDCAはチームで行う場合が多くあります。その為、PDCAを考える人と現場で実践する人は違っている場合がほとんどです。
自分自身がPDCAを真剣に真面目に考えたとしても、現場で実践する人がPDCAの意味を理解しないままで不十分な取り組みを行ってしまってはうまく行くはずがありません。
PDCAサイクルを考えた人は、現場で実践する人に、PDCAの意味を説明し理解してもらうように心がけるようにしましょう。
■実行した記録が不十分・不適切
上記で述べたとおり実践する人が違いPDCAを理解していない場合、計画通りに進めなければならないという思い込んで実行している場合には、記録が不十分・不適切で歪んだ記録になりがちです。
歪んだ記録では、正しいCheck/評価が出来るはずもありません。
記録を正確に短時間で行えるような手法を考えてみるのも良いでしょう。
Check/評価でよくある失敗例
■評価基準が曖昧
Check/評価でよくある失敗例が、「評価基準が曖昧である」場合です。
「全体的によい」「自分的には合格」「なんか物足りない」などが曖昧な評価基準の代表です。このような評価ではAction/改善案も立てにくくなります。
数値的な目標や計画がある場合には、その数値に添った基準で正しい評価をしましょう。
「最終目標数値に向けて今の数値がどうかなのか?」と問うてみるのも効果的です。
■社内や部内など内部チェックだけ
数値的な評価基準が定まっていたとしても内部だけの評価であれば自然と甘くなりがちです。また、チーム内だけであれば見逃してしまう事が起こる可能性があります。
社内全体で取り組んでいるのであればコンサルタントなどの部外者、部署で取り組んでいるのであれば他の部署の評価などで外部のチェックを受けるようにするようにしましょう。
Action/改善でよくある失敗例
■数値的なAction/改善になっていない
Action/改善する際には次のPDCAを意識しなければなりません。その為にも改善の際には数値的な目標を定めるようにしましょう。
今回一度回ったPDCAで満足してしまい、曖昧な目標になることもあるために注意が必要です。
■改善されていない
評価が良くない場合に陥りがちな失敗が前回と同じような目標にしてしまい、根本的な改善策がなされていないことです。
今回のPDCAの評価が良くない場合には、根本的に違う計画を立てるなどするようにして失敗しないようにしましょう。
PDCAサイクル失敗原因のまとめ
このように各ステップで失敗の特徴を理解して、途中で逃げ出す事なく目標達成に向け実行と検証、再設定を繰り返しましょう。
また、チームで実践している場合にはチーム全体で共有し、目標達成のために活用してみていただければと思います。
この失敗原因を知ることも、PDCAサイクル自体のPDCAなのかもしれません。
PDCAサイクルを効率的に回すポイント
PDCAサイクルには効率的に回すためのポイントがあります。
このポイントを押さえておけば時間がかかると言われているPDCAサイクルも比較的に時間がかからずに回すことも可能になります。
そんなPDCAサイクルを効率的に回すためのポイントは次の通りです。
計画を計画通りに実行する
実行している段階で計画が間違っているのではと思い途中で計画を変更してしまう場合があります。
そのようなことが無いように計画を必ず計画通りに実行するようにしましょう。
また、検証は計画通りに実行した後に必ず行いましょう。長期的な計画の場合にはついつい実行の途中で検証してしまいます。計画の途中での検証は計画を失敗させる原因になります。
繰り返しになりますが「計画を計画通りに実行する」これがPDCAサイクルを効率的に回すための最も重要なポイントです。
「C(評価)とA(改善)」を「次のP(計画)とD(実行)」でしっかりと実行
PDCAサイクルは、回し続ける事で目標に到達します。
回し続ける中で評価と改善を中途半端な状態で次の計画を実行していては上手く回るはずがありません。
PDCAをサイクルを回して繰り返すほど、この中途半端な状態での計画実行を行ってしまう傾向は強くなります。
その為にも上述した失敗例などを参考にしてください。
PICKUPキャリコン
出来なかった点だけではなく良い点にも注目する
PDCAサイクルは出来なかった点を改善していくモノだとの思い込みから良い点への注目を忘れがちになります。
自分のモチベーションはもちろん、チームとして実行している時のメンバーのモチベーション向上のためにも良い点や出来た点にも注目し継続して、さらに伸ばしていくようにしましょう。
チームリーダーは、メンバーのモチベーション向上のためにも良い点にも注目して実行してみることをお勧めします。
《ステップ別》PDCAサイクルを効率的に回すポイント
PDCAサイクルを効率的に回すためはステップ別にポイントが違います。
ステップ別のPDCAサイクルのポイントは次の通りです。
上述した「PDCAサイクルのよくある失敗原因」も参考にしていただきながら効率的に回すことに活用してみてはいかがでしょうか?
Plan(計画)を効率的に回すポイント
実現出来そうな数値目標にしましょう。
データを元にした可能な目標設定にすることで効率的なPDCAサイクルを回すことが可能になります。
Do(実行)を効率的に回すポイント
上述した通り、実行の段階では計画を計画したとおりに実行することが最も重要です。
Check(評価)を効率的に回すポイント
結果のデータを検証しながらも、目標設定を再確認してその目標の為に何が足りないのかを考えることが大切です。
Action(改善)を効率的に回すポイント
今回のサイクルで出来なかった点を考えて、次の計画をすぐにでも立てられるような形にしましょう。
PDCAサイクルを効率的に回す各ステップのツールについて
PDCAサイクルを実際に行う場合には、当然日々の業務と並行して行わなければなりません。その為に、想像しているよりも負担になる場合があります。
しかし、現代では様々なツールがあり、面倒だと思われることも楽にこなしていくことが出来ます。
そんな、PDCAサイクルを効率的に回す各ステップごとのツールは以下のとおりです。
Plan/計画で役立つツール
計画で役立つツールはフォーマットです。PDCAのチェックシートなどを作成して活用してみましょう。
PICKUPキャリコン
Do/実行で役立つツール
実行で役立つツールはタスクの管理ツールです。共有するなどして全体のタスクがわかりやすいようにしましょう。
Check/評価で役立つツール&Action/改善で役立つツール
評価・改善の段階ではレポートの作成などをし議論する必要がありますので、コーチングツールの利用がお勧めです。国家資格キャリアコンサルタントの活用もご検討ください。
PDCAサイクルとOODA(ウーダ)ループの違いについて
最近では、PDCAサイクルに変わってOODAループが注目を浴びています。
OODAループは以下の4つに分けられています。
- 観察(Observe)
- 仮説構築(Orient)
- 意思決定(Decide)
- 実行(Act)
詳しくはこちらをご確認ください。
PDCAサイクルとOODA(ウーダ)ループの使い分け方法は?
PDCAサイクルとOODAループは似ていると言われています。
しかし、PDCAサイクルとOODAループは活用できる場面や企業業態はが違います。有用な場面や企業業態は次の通りです。
OODAループが有用な場面・企業業態について
OODAループが有用な場面や企業業態は、スタートアップ企業やベンチャー企業などです。
時間がなく計画などを立てる余地がない時に効果的です。OODAはループは元々、戦闘機のパイロットの意思決定の為に開発されたと聞けば理解いただけるのではないでしょうか?
つまり、イノベーションを起こそうとしている企業や前例主義に陥らないようにしている場合などです。政治の世界でも効果的だと言われており多くの政治家が利用しています。
PDCAサイクルが有用な場面・企業業態について
PDCAサイクルが有用な場面や企業業態は、前例やデータなどが多くある場合です。ゼロベースで始める必要はなく今あるものを変えていく為にはPDCAサイクルが効果的です。
PDCAサイクルは元々、製品や商品の品質管理の目的として開発されたと聞けばご理解いただけると思います。
トヨタやソフトバンクがPDCAを利用していると聞けばPDCAを利用する企業業態はご理解いただけるのではないでしょうか?
PDCAサイクル関連書籍等一覧
- まんがで身につくPDCA/原マサヒコ、兼島信哉
- 最短で目標を達成する! PDCAノート/岡村拓朗
- 図解ポケット PDCAがよくわかる本/日沖健
- 弱くても最速で成長できる ズボラPDCA/北原孝彦
- スクール・マネジメント・ノート―校長・教頭のための万能手帳! 学校のPDCAサイクルを管理!/教育開発研究所
PDCAサイクル関連サイト一覧
- PDCAとは何か?とても簡単に説明します!/株式会社デジタルアイデンティティ
- 【もう時代遅れ?】PDCAとは? 致命的な問題点、失敗する原因、企業事例/カオナビ
- PDCAサイクルとは? OODAとの使い分けや基本と秘訣を解説/営業ラボ
- PDCAサイクル/Wikipedia
- PDCAサイクル/NRI
PDCAサイクルの意味とは?目標達成計画を実行する初心者向けに解説:本当に古くて意味がない?のまとめ
いかがだったでしょうか?
PDCAサイクルの利用で企業の発展はもちろん、個人としても利用していただく目標達成に活用していただければと思います。