VUCA(ブーカ)の意味とは?VUCA時代に対応するOODAループとは? | キャリアコンサルタントドットネット

VUCA(ブーカ)の意味とは?VUCA時代に対応するOODAループとは?

[記事公開日]2020/02/27
[最終更新日]2022/05/06
VUCA(ブーカ)の意味とは?VUCA時代に対応するOODAループとは?

VUCA(ブーカ)という言葉を聞いた事があるけどVUCA(ブーカ)っていったい何?

  • これからはVUCAの時代だ
  • VUCAだからこそ仕事の基本が変わり就職事情も変わる
  • VUCAを転職に活かす
  • ダボス会議でVUCAワールドって言われたんだよね?
  • VUCAに対応するOODAループって?

等の意見や疑問を聞いた事があるけど正直わからない・・・。

そんなVUCAをわかりやすく説明いたします。

VUCAについて

VUCAについて「VUCA」とは次の4つの言葉の頭文字をつなぎ合わせた造語であり、現在ではビジネス用語として使用されています。

  • Volatility(変動)
  • Uncertainty(不確実)
  • Complexity(複雑)
  • Ambiguity(曖昧)

「VUCA」はアメリカ合衆国において軍事用語として開発され使用が開始されました。

冷戦終結後の複雑化した国際情勢を意味する言葉で、国と国という構図での戦争ではなくなり、相手がテロ行為を行う団体、組織のようなものであるがトップが作戦を立てる訳でもなく、同時多発的にテロが起こる戦争のスタイルを呼ぶのにVUCAという言葉が生まれました。

そして、2010年代には経営やマネジメントの文脈においてもとりあげられるようになり、2016年以降ダボス会議などの国際会議でも数多くのビジネス界の著名人に取り上げられており、「VUCAワールド」という言葉が頻出しています。いつからか世界の経済界各所で「VUCAの時代」が到来したと言われるようになりました。

様々なものを取り巻く環境において複雑性が増しています。複雑性が増し、想定外の事象が次々と発生した結果、将来の予測が困難な状態になる。

そんな状態を指す言葉がVUCAです。

もう少し短い文にすると”あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、将来の予測が困難な状態”となります。

「グローバルな社会」「テクノロジーの進化」「IT技術の進歩によるイノベーションの加速」等、どの場面においても今までと未来を比較した場合同じ10年であっても変化の速さは比べものにならないことは容易に想像がつきます。

VUCA時代とは、このようなめまぐるしく変化し、先が予測できないビジネス環境を的確に示しているといえます。

それでは、次にVUCA時代の単語Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)について詳しく説明していきます。

 

Volatility(変動性)

Volatility(変動性)すさまじい勢いで変化していく時代です。

また、その変化の度合いや割合も大きく、変動性を予想するのは難しくなっているのはご理解頂けると思います。

商品は、消費者の価値観、ニーズの多様化によりVolatility(変動性)が高くなっており、細分化しています。

 

Uncertainty(不確実性)

Uncertainty(不確実性)どのような場面においてもUncertainty(不確実性)は増しています。

イギリスのEU離脱といった面での政治、GAFAやBATとよばれる海外企業の台頭において経済などから考えてもグローバルな世界でのUncertainty(不確実性)までも影響しています。

つまり、現代を取り巻く情勢は、予断を許さない状況であって、さまざまなリスクに対応しなければなりません。

 

Complexity(複雑性)

Complexity(複雑性)考えられないような企業や個人との協業やコラボしたサービスが誕生しています。

また、グローバル化やITの進化により海外企業との競争は当然になっています。

かつてのイノベーションとは違った、「オープンイノベーション」や「リバース・イノベーション」と新たな概念への注目も高まっています。

 

Ambiguity(曖昧性)

Ambiguity(曖昧性)プロダクトライフサイクルは短期化しています。

過去の成功した事例などが参考にしていては間に合わないなんて事も起こっています。

長期的な予測はもちろんですが、短期的な予測も難しくなっています。

 

 

VUCAへの対応/活用方法

VUCAへの対応/活用方法ビジネスの現場においては、VUCAに対応する為にはどのようにすればよいのでしょうか?

また、VUCAを就職や転職に活用する為の方法はあるのでしょうか?

 

VUCA時代に対応する為のビジネスモデル

VUCA時代に対応する為のビジネスモデル「これからは?」という予測を行い、その予測を活かした商品やサービスを考えて実行する。

というビジネスではVUCAの時代にはそぐわなくなります。

特に、日本の老舗大企業では従来型の合議制が行われていると思われますがそれでは二番手三番手になってしまいます。

社内での入念な根回しをしてる間に他社が同様の商品・サービスを展開してしまったり、既に消費者のニーズではなくなることも考えられます。

つまり、VUCAの時代はビジネスにおいては更に「即断即決」が重要です。

スピードを意識し、検討をしてもその時間が無駄になりかねません。「アイデアが思いつけば商品化し見込みがなければ、朝令暮改で撤退。」このような企業が生き残っていくのです。

そのような即断即決を活かす組織作りは、従業員がそれぞれ個人が考えて行動する必要があります。

従業員の主体性や自律性を尊重し、変化を恐れずに行動する、むしろ変化していく事を楽しめるような組織作りや仕組みが大切になります。

変化を新しい挑戦と捉えられる好奇心やチャレンジ精神の旺盛な人材を積極的に活躍できるビジネスモデルに取り組み組織作りに努めましょう。

 

VUCA時代に対応する為の就職・転職とは?

VUCA時代に対応する為の就職・転職とは?就職や転職は、将来や未来を左右する出来事です。

VUCA時代が到来している現代において就職や転職において大切なことは一体どのような事なのでしょうか?

4つに分けて説明いたします。

 

限られた期間でより多くの成果を出す

限られた期間でより多くの成果を出す

働き方改革で残業時間にも上限が発生しており、かつての日本企業内で蔓延していた残業して成果を出すという事も難しくなっています。

また、そういった考え自体が古い考えだと言っても過言ではありません。

限られた期間内で効率的に成果を出すこと、つまりは生産性をアップさせることが必須となります。

 

問題を探し、答えを考える

問題を探し、答えを考える言われたことを言われた通りにしていれば良いという時代は終焉を迎えています。

従業員それぞれが問題解決に向けた答えを考え出し行動することが必要となっています。

また、同時に問題自体を探すことが重要になってきています。

問題を探し出すとは「問題となる事を予想する力」と言い換えることが出来ます。それは、ニーズを読み取るといった意味にも捉えることが出来ます。

 

人を調整する能力

人を調整する能力消費者の考え方やニーズが多様化しています。それは従業員も同様で働くことへの意識も多様化し変化しています。

そんな多様化する従業員を調整する能力が重要です。

自分の経験したことを部下に教えるというスタイルは通用せずに、従業員それぞれへの教育手法を取り入れ調整が必要で、スキルアップさせる「リーダーシップ」のスキルが重要です。

>>リーダーシップとマネジメントの違いとは?/企業のチームリーダーが備えるべき能力

 

エンプロイアビリティ(雇用されうる能力)を高める

エンプロイアビリティ(雇用されうる能力)を高める終身雇用は既に崩壊しています。その企業で定年まで働くという事が珍しくなっています。

組織自体は「継続した運営」が難しくなっています。

そんな中で雇用されうる能力を高めて、どのような環境でも働き続けるために「自分」を高めていく必要があります。

つまり、「自己投資」をするということも重要になっています。

 

VUCA関連書籍一覧

 

VUCAに関するサイト

amazon-VUCA検索結果-

VUCA-BIZ HINT-

今、ビジネスで注目される「VUCA」とは何か

VUCA-Wikipedia-

 

VUCA時代に対応するOODAループについて

 VUCA時代に対応するOODAループについてVUCA時代にはOODAループの実践が効果的です。

OODAループとは以下の4つに分けられています。

  • 観察(Observe)
  • 仮説構築(Orient)
  • 意思決定(Decide)
  • 実行(Act)

それでは4つのステップを説明いたします。

OODAループの観察・監視(Observe)について

OODAループの観察・監視(Observe)について

OODAループのObserveとは、観察・監視のことを言います。

観察するという単語の意味ではなく、観察・監視をすることにより”情報収集が目的”と言う言いかたが正しいかもしれません。

外部の状況に関する生データの収集を意味します。客観的なデータであり収集した者の考えや思いは排除する必要があります。

いかなる問題も関連するデータを収集し整理しなければ判断する事は出来ません。

 

OODAループの仮説構築(Orient)について

OODAループの仮説構築(Orient)についてOODAループのOrientとは、仮説構築のことを言います。

観察・監視(Observe)によって得たデータを分析し、自身の経験などを加味した上で整理し仮説を構築します。

OODAループの仮説構築(Orient)は4つのなかで最も重要だと言われています。この仮説次第で行動が大きく左右されるからです。

この段階は「ビッグO」と称されていて、次の5つの「判断のための装置」から構成されています。

判断のための装置

  1. 文化的伝統(Cultural Traditions)
  2. 分析・総合(Analysis & Synthesis)
  3. 従来の経験(Previous Experiences)
  4. 新しい情報(New Information)
  5. 世襲資産(Genetic Heritage)

この「判断のための装置」は当然ですが個人によって違います。

「従来の経験」「世襲資産」などをとれば明らかで、育ってきた環境が違い、その中で経験したことも違う訳で「判断のための装置」が同じであることはあり得ません。それは親、兄弟であってもです。

つまり、いかなる状況であっても適切に動作する保証はありません。特に組織が大きくなり複数の意思決定者がいる場合に、齟齬が起こりやすくなりますので注意が必要です。

 

OODAループの意思決定(Decide)について

OODAループの意思決定(Decide)についてOODAループのDecideとは、意思決定のことを言います。

意思決定のプロセスでは、次の「実行」に向けて何をするかを決定します。

前段階の仮説構築(Orient)では、大まかな方向性しか決まっておらず、考えられる選択肢は複数出てきます。

その中で効果的に意思決定をするためのプロセスは次の3段階に分けられています。

 

組織や自分がどうなりたいのか?どうしたいのか?

組織や自分がどうなりたいのか?どうしたいのか?組織や自分の目標の確認を行いましょう。

夢と言えば少し違った意味になりますが自分や組織の夢を再認識する方が良いでしょう。

例:「オーストラリアに行く」のに、ニューヨーク行きのチケットを買いに行っても目標達成は出来ません。しかし、飛行機に乗ったことがない人が飛行機に乗ることを目的としている場合にはニューヨーク行きのチケットでも目的を達成する事が出来ます。

 

選択肢をたくさん考える

選択肢をたくさん考えるどうなりたいのか?どうしたいのか?を考えてより多くの選択肢を考えましょう。

例:「オーストラリアに行く」のに、飛行機、船、泳いでなど選択肢を考えます。また、飛行機に乗ることが目的ならオーストラリア、ニューヨーク、プライベートジェットなどの選択肢を考えましょう。

 

最も効果的だと考えられるものを選択する

最も効果的だと考えられるものを選択する上記の二つを照らし合わせて、最も効果的だと考えられるものを選択しましょう。

例:「オーストラリアに行く」のに、早く着きたいのか、安く行きたいのかによって選択肢は変わります。早く着きたいなら飛行機、安く行きたいなら船などの最も目標に対して効果的だと考えられるものを選択しましょう。

 

OODAループの実行(Act)について

OODAループの実行(Act)についてOODAループのActとは、実行のことを言います。

意思決定(Decide)で決めた行動を行います。

 

OODAループ関連書籍一覧

 

OODAループに関するサイト

 

コラム関連で活躍中の国家資格キャリアコンサルタント

嶋田由紀子(しまだゆきこ)

個人相談は下記からも申込可能

基本/50分
8,000円(税別)
 
キャリコンサーチ
みんなのキャリア相談

OODAループのまとめ

実行することによって何かが変化しているかもしれません。

変化していればその変化した部分を観察・監視(Observe)し仮説構築(Orient)意思決定(Decide)します。

変化していない場合でもなぜ変化していないのかを観察・監視(Observe)し仮説構築(Orient)意思決定(Decide)する、これを繰り返すことがOODAループです。

 

まとめ

まとめ

  • VUCAとはVolatility(変動)Uncertainty(不確実)Complexity(複雑)Ambiguity(曖昧)を合わせた造語
  • VUCAに対応できるビジネスモデルは、即断即決でスピードが重視される
  • VUCA時代に対応する為に就職・転職する人は「限られた期間でより多くの成果を出す」「問題を探し、答えをみつける」「人を調整する能力」「エンプロイアビリティ(雇用されうる能力)を高める」
  • VUCA時代に活かせる、OODAループは「観察(Observe)」「仮説構築(Orient)」「意思決定(Decide)」「実行(Act)」の4つから構成されている
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