[最終更新日]2021/09/13
就職活動をしている学生のみなさんはこのようなことを考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
- 長時間労働がない職場希望
- サービス残業がない職場希望
- 定時で帰れる職場希望
- 各種ハラスメントのない職場希望
- 給与未払いのない企業希望
最近の言葉で言えば「ブラック企業」と言われている会社の特徴です。
そんな「ブラック企業」に間違っても入社しないように、ブラック企業一覧を検索する前に知っておくべき求人の特徴【新卒者向け】をわかりやすく説明いたします。
Contents
ブラック企業について
実は、厚生労働省において”ブラック企業”の定義はありません。つまり、厚生労働省など行政機関で「ブラック企業」という言葉は使われていないのです。
しかし、厚生労働省が運営している労働条件に関する総合情報サイト「確かめよう労働条件」ではこのような記載があります。
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
参照:確かめよう労働条件/「ブラック企業」ってどんな会社なの?
ただ、行政機関が定義していないのとは逆に、社会では「ブラック企業」という言葉は一般化しています。
行政機関の動きが鈍いなか「ブラック企業大賞」などブラック企業問題を社会に訴える団体などもおり、この「ブラック企業大賞」はテレビニュースなどでも紹介されておりご存知の方も多いはずです。
ブラック企業大賞とは?
パワハラ、セクハラ、残業代未払い、長時間労働、派遣差別、偽装請負・・・。日本の労働環境はいまますます悪化の一途をたどっています。それらの職場はここ数年で「ブラック企業」と称され、社会的にも注目されつつあります。しかし個別事例の調査やその問題の発信・解決も簡単ではなく、ブラック企業で働く当事者は、不当な処遇を受けていても声をあげられる状況ではありません。さらにはブラック企業を生み出す社会・経済的な構造についての分析や提言についても不十分であるため、きわだったブラック企業の存在は一時的に取り上げられても、企業全体・働く場全体の質の向上にはなかなか結びついていません。そこで私たちは、ブラック企業の個別の事例はもちろんのこと、それら企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして「ブラック企業大賞企画委員会」を立ち上げました。
また、「ブラック企業大賞」では、ブラック企業はこのように定義されています。
ブラック企業とは
- 労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業
- パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)。
【ブラック企業を見極める指標】
●長時間労働
●セクハラ・パワハラ
●いじめ
●長時間過密労働
●低賃金
●コンプライアンス違反
●育休・産休などの制度の不備
●労組への敵対度
●派遣差別
●派遣依存度
●残業代未払い(求人票でウソ)
ブラック企業の特徴
社会では「ブラック企業」という言葉は一般化していますが、定義されていない”ブラック企業”はその言葉を使う人によって捉え方は様々です。
そんな中でも、世間で一般的に使われているブラック企業と言われている企業の特徴は次の通りです。
休日が少ない・有給が取れない
ブラック企業は「休み」が少ないのが特徴です。
土日祝日に休みという訳ではなく、仕事をしない「休日」が少ないという意味です。
ただ、繰り返しになりますが行政機関などがブラック企業という言葉を定義されていない為に、一部では「土日祝日が休みじゃないからブラック企業」という人がいるのも事実です。
なお、ここでは、「休日」が少ないという意味で説明していますのでお間違いのないようにご注意ください。
「休日」が少ない為に、心身ともに休むことが出来ない。つまり、リフレッシュすることが出来ないままで次の勤務になってしまうという悪循環に陥ります。
カレンダー通りに休んだ場合には120日ほどの休みがあります。土日祝日とお盆や年末年始などの休みを加えた数字となり、この120日という年間休日数が平均です。
つまり、年間休日数が120日前後の場合は、休日に関しては平均的だと考えることが出来ます。ただ、休日数が平均でも残業が多く労働時間も考慮して考えなければなりません。
また、年間休日数が少ないからといって一律で違法であるとは言い切れません。
労働基準法第35条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
と、定められているからです。
有給休暇とは?有給休暇について
有給休暇とは、労働基準法39条に定められている従業員すべてが与えられると言っても良い権利です。
労働基準法39条
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
つまり、従業員には有給休暇を取得する権利があります。これは正社員や契約社員など雇用形態に関わらず権利があります。もちろん、フルタイムで働いている正社員等と比べると取得することが可能な日数などは違いますが、取得出来ないと勘違いされている方も多いははずです。
また、基本的には取得する日や取得する理由は従業員の自由です。
- 彼女とのデート
- ただ、寝たいだけ
- アイドルのコンサートに行く
- 朝からお酒を飲みたいから
上記のように、社会人としてふざけていると思えるような理由であっても全く問題ありません。と言うよりも、理由を伝える義務さえありません。
逆に企業として「上記のような理由だから有給が取得出来ない」と言う発言は、不当な理由で有給休暇申請を拒否することに繋がります。
これは『適正な範囲を超えた業務上の対応』としてパワハラ(パワーハラスメント)になる可能性さえあります。
有給休暇の時期変更権とは?時季変更権について
ただし、企業にも繁忙期などに休まれてしまうと回らないなどという問題が起こる可能性がある為、労働基準法39条5項で「時季変更権」が定められています。
労働基準法39条5項
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
時季変更権は、有給休暇を「他の時期」に変更できる権利であって、「他の時期」に与えない行為は違法になります。
働き方改革関連法に伴う有給休暇の取得義務化について
2019年4月よりすべての企業において、有給休暇の取得が義務化されました。
年10日以上の有給休暇が付与される従業員については、企業は年5日の有給休暇を取得させることが義務化されました。
この義務化は従業員の雇用形態は問いません。フルタイムで働くアルバイトやパートも取得が義務化されます。
また、有給休暇義務化に伴い使用者が時期指定を行うためには、『就業規則に時季指定の対象となる労働者の範囲や時季指定の方法を記載する必要』があり、就業規則の変更がされていると考えられますので一度確認してみてはいかがでしょうか?
義務化ですので取得させない場合には労働基準法違反となります。
参照:厚生労働省/年次有給休暇の時季指定義務
《参考資料》外国の有給休暇について
旅行会社のエクスペディの調査で2018年の外国の有給休暇の各種結果です。
■有給休暇取得率
国名 | 取得率 | 取得日数/支給日数 |
---|---|---|
ブラジル | 100% | 30/30 |
フランス | 100% | 30/30 |
スペイン | 100% | 30/30 |
イタリア | 75% | 21/28 |
インド | 75% | 15/20 |
香港 | 100% | 14/14 |
メキシコ | 93% | 14/15 |
シンガポール | 93% | 14/15 |
韓国 | 93% | 14/15 |
オーストラリア | 70% | 14/20 |
アメリカ | 71% | 10/14 |
日本 | 50% | 10/20 |
注)同取得率であっても日数の高い順に掲載しています。
■休み不足と感じている人の割合
インド | 75% |
---|---|
韓国 | 72% |
香港 | 69% |
フランス | 64% |
シンガポール | 63% |
イタリア | 61% |
アメリカ | 59% |
オーストラリア | 54% |
日本 | 53% |
メキシコ | 52% |
ブラジル | 50% |
スペイン | 47% |
■「自分はより多くの有給休暇をもらう権利があると思う」と回答した人の割合
香港 | 86% |
---|---|
インド | 82% |
韓国 | 78% |
シンガポール | 77% |
メキシコ | 77% |
ブラジル | 77% |
イタリア | 70% |
スペイン | 69% |
アメリカ | 67% |
オーストラリア | 61% |
フランス | 58% |
日本 | 54% |
■有給休暇の取得に罪悪感がある人の割合
日本 | 58% |
---|---|
韓国 | 55% |
シンガポール | 42% |
アメリカ | 39% |
香港 | 38% |
インド | 36% |
オーストラリア | 36% |
フランス | 25% |
ブラジル | 23% |
イタリア | 21% |
スペイン | 21% |
メキシコ | 20% |
なお、日本は2018年度まで3年連続で有給取得率は最低です。
このように日本人は、働き過ぎで休むことに罪悪感を覚えているという考えであることがわかります。この考えがブラック企業を生み出していると考えることも出来ます。
今この瞬間から少しだけでも、日本人は働き過ぎなんだという気持ちを持つことがブラック企業の減少に繋がるのかもしれません。
長時間労働・過重労働
ブラック企業といえば、長時間労働・過重労働が一番の問題と言っても過言ではありません。
残業代を支払っている場合であっても長時間労働・過重労働は問題ですが、違法ではない場合もあります。
しかし、残業代を支払っていない場合は100%違法です。
残業代を支払わない違法な行為を”サービス残業”という言葉が使われている場合がありますが、これは法律違反ですのでお間違いのないようにご注意ください。
それでは、労働時間とは一体どのような時間のことをいうのでしょうか?
通常の働いている時間は当然ですが、次のような時間も労働時間になります。
着替え・待機の時間
制服などに着替える時間は労働時間です。
もちろん、出社したときだけではなく帰宅する際に、制服から私服に着替えるときも同様です。
また、昼休み中の電話番など、業務として社内待機を命じられている場合は労働時間になります。
朝の朝礼や掃除の時間
仕事が始まる前に従業員が総出で掃除をする会社などもありますが掃除時間は労働時間です。
また、始業時間5分や10分前から朝礼を行う会社がありますがこの朝礼時間も労働時間になります。
終礼がある際には終礼も労働時間となります。
強制的に参加させられる研修
就業時間外で行われる研修は労働時間です。
ただし、強制的に参加させられる親睦会(飲み会)は労働時間に当たらない場合がほとんどです。あくまでも自由参加である場合がほとんどだからです。
最近では、親睦会(飲み会)を会社が費用負担し、更に残業代も支払って開催する企業が出てきていいます。
このように通常の残業時間以外にも労働時間になりますので、今まで考えていた労働時間よりも増して労働時間は長くなる方がほとんどではないでしょうか?
他にも多様な働き方を推進する為となりますが法律では、長時間労働につながってしまう働き方が認められています。
変形労働時間制
法定労働時間は1日8時間、週40時間です。
これを例えば月曜日は6時間、火曜日は10時間などにして、法定労働時間内に設定する勤務を変形労働時間制と言います。
この時間の計算を月、もしくは年単位で計算するのです。
つまり、労働時間を1ヶ月単位もしくは1年間単位で計算する働き方で、この労働時間内であれば残業代が発生しないという制度になります。
固定残業・みなし残業
固定残業・みなし残業は、営業職などの働いている時間を把握することが難しい職種で広く活用されています。
固定残業・みなし残業とは、企業が一定時間の残業をあらかじめ想定して、当初より月給に残業代を固定で記載して、残業時間を計算せずとも固定分の残業代を支払う制度です。
企業側から言えば、固定残業代であっても残業代を支払っているという認識です。ただ、従業員側から見れば残業しても給料に変化なしとなっているのが実情です。
固定残業・みなし残業代は、実労働時間より短い場合であっても固定残業代を減らすことは出来ませんが、実労働時間がみなし時間を超えた場合は追加でその時間分を支払う必要があります。
ただ、固定残業・みなし残業を導入している企業の多くは、残業代を支払っているから働かせ放題だと誤った認識でいるのが実情です。
フレックスタイム制度
フレックスタイム制度とは、従業員側が自由に出勤時刻、退勤時刻を決める制度です。
通勤ラッシュを避けて勤務したり、子どもの登校時刻以降の出勤など、仕事と生活の調和を図るライフバークバランスを考えて勤務が出来ると人気です。
ただ、そもそも仕事量が多く労働時間を自分でコントロール出来ない場合などにも多くあります。
なお、フレックスタイム制度であっても総労働時間を超えると残業代が発生します。
管理職
少し前に話題に上がった”名ばかり管理職”問題。
労働基準法で労働時間等に関する規定の適用除外の第41条と第41条の2が定められています。この条文では「管理監督者」は経営者と同じような立場であることから、残業代の支払いが必要ないと定められています。
ただ、この労働基準法の「管理監督者」と企業で働く「管理職」が必ずしも一致するわけではありません。
このような事情を悪用した企業がいたために「名ばかり管理職」問題となりました。
労働基準法の「管理監督者」には厳密な要件があります。
- 部門を統括するなど重要な職務と権限が与えられていること
- 自身の業務量や出退勤について裁量的にコントロールしており管理を受けないこと
- 賃金面で、その地位に相応しい待遇がなされており、十分に優遇されていること
長時間労働・過重労働のまとめ
このように様々な制度があり様々な働き方があります。
ただ、制度はその企業がどのように捉え方や運用方法によって悪用することが可能であり、悪用する企業はブラック企業を生み出しているのかもしれません。
給与が低い・最低賃金以下
ブラック企業といえば、長時間労働・過重労働とセットにされる問題が給与水準です。
高度経済成長時代には、働けば働くほど給料が上がっていました。また、バブル時代には給料をあげないと従業員が集まらないので更に給料が上がるというサイクルで問題になりませんでした。
現代では、この高度経済成長時代の働き方だけを継承して、給料は下がっていくという点が問題です。
「やりがい」「お客様満足度向上」「根性」「努力」などという都合の良い言葉で、アメ(給料)をあげずに労働者にムチを打っているのです。
最低賃金とは?最低賃金について
厚生労働省は、都道府県別で最低賃金を定めています。
最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者(企業)は、その最低賃金額以上の賃金を労働者(従業員)に支払わなければならないとする制度です。
つまり、最低賃金以下の給料は違法です。もし、仮に最低賃金額より低い賃金を労働者(従業員)と使用者(企業)が合意の上で定めても、それは法律によって無効となります。
また、その働いた給料は最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。
最低賃金は、アルバイトやパートなど時給制で働く人だけに有効と思われていませんか?
そんな事はありません。最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託、正社員など雇用形態や呼称などに関係なく、働くすべての従業員とその企業に適用されます。
月給制であっても時給換算し最低賃金以下になる場合は違法となります。
参照/厚生労働省:必ずチェック最低賃金・使用者も労働者も
残業代が出ない
給料が低い原因は、残業代を支払わない企業がいるという問題です。
G7(フランス、アメリカ、 イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の平均賃金は右肩上がりで上昇しています。しかし、日本だけは30年近く横ばいのままです。
上述した通りに高度経済成長期のモーレツ社員の働き方を引き継いだまま、儲かっていないから給料を上げれない、このような悪循環に陥ったと考えられます。また、これを悪用している企業もあると容易に推測が出来ます。
ただ、昨今では過労から精神的な病にかかり自ら命を絶ってしまうなどの社会問題が多く起こっています。
その為、今までのように「残業をさせているけど残業代を支払わない」などしてしまうと労働基準監督署なども厳しく対応している現状から様々な法律の抜け穴を見つけ脱法的な手法で残業代を抑えているのが現状と言えるのではないでしょうか?
新卒・転職関わらず離職率が高く従業員の入れ替わりが激しい
ブラック企業は、従業員を育てるという考えはないと言っても過言ではありません。
世間で言われているように「従業員は使い捨て」と考えている企業が多く、使えない場合は次の従業員を雇えばよいという位です。
そんな企業に長く働き続ける人は当然少なく、離職率は非常に高く、入れ替わりが激しくなります。
また、退職届を出して辞める人は少なく、急に来なくなったりする人が多い為に引継ぎなどが行われることは稀です。
求人の必須要件は、学歴や経験、年齢、資格などほとんどありません。
ただ、企業のやり方に耐えることが出来るかどうかという体育会系だということが出来ます。社長や上司のいうことはすべてが正しく、それ以外は間違っている、このような考えがなければ仕事に馴染むことはありません。
違法な退職勧奨や不当解雇が多い
上記で述べた通りブラック企業は、社長や上司が言うことが正しいという社風です。つまり、社長や上司と合わない従業員は必要ありません。
その為、必要のない従業員を不当解雇を行う場合などもあり、最近ではその不当解雇が社会問題になっています。
そんな不当解雇にならないような「自己都合退職」を促すように仕向けてくる企業が多くなっています。
なお、企業が従業員を解雇するには厳しい法律上の制限があり、簡単に解雇することは出来ません。仮に解雇したとしても、客観的に合理的な理由がない場合は違法の可能性が高く、トラブルの原因にも繋がります。
その為に自己都合退職させトラブルを回避しようとするのです。
よく使われる退職勧奨の手法
-
- パワハラやパワハラまがいのことをする
暴力や暴言などはもちろんですが、仕事を与えないという場合もあります。仕事が忙しすぎるのも辛いのですが仕事がないことは人間にとって非常に辛いのが実情です。一人だけ別室で作業をさせるなどもよくあります。逆にノルマが急にきつくするなどもあります。 - 直接働きかける
「解雇されたらこれからの経歴に傷がつく」「環境変えた方がよいのでは?」「君自身も向いていない仕事していたら辛いだろう?」などと直属の上司や同僚などを使い辞めた方が良いのかもと思うように働きかけます。 - 人材紹介会社を利用する
大手の場合は人材紹介会社を利用する方法もあります。
人材紹介会社へ出向させたのち、様々な適性検査などのテストを受けさせ、診断結果から「このような才能があります」「この仕事ではもったいない」などと、退職した方が良いのではないかと勘違いさせて自らの意思で退職させるのです。
- パワハラやパワハラまがいのことをする
パワハラやセクハラなどハラスメントが横行している
今では「してはいけないが当たり前」になっている各種ハラスメントですが、ブラック企業では一般的に行われており、そのハラスメント行為が問題になることはありません。
また、ハラスメント行為を問題にした従業員を排除することが多いのが特徴です。ハラスメント行為をした従業員ではありません。
ハラスメント行為が行われたことを問題にした従業員です。
今ではハラスメントと言われる行為は多くあります。
- セクシャルハラスメント(セクハラ)
性的な嫌がらせ。「対価型セクハラ」「環境型セクハラ」とに大きく分けられる。 - セカンドハラスメント(セカハラ)
セクハラを会社に訴えた後に、周囲の同僚や上司などからバッシングを受ける等の二次的な被害。 - パワーハラスメント(パワハラ)
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為。 - モラルハラスメント(モラハラ)
言葉や態度などによる嫌がらせのこと。
モラハラは職場以外で起こることがある点でパワハラとは違うが、精神的に継続的な嫌がらせ(無視など)の面ではパワハラと同じとも言える。 - アルコールハラスメント(アルハラ)
アルコールを自らの意思ではなく飲ませる事。 - ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
男らしさや女らしさ、「男とはこうだ」などという概念を強制する嫌がらせ。 - リストラハラスメント(リスハラ)
パワハラの一種でリストラの対象者に対する嫌がらせ。 - カラオケハラスメント(カラハラ)
パワハラの一種でカラオケで歌いたくない人を歌わせる行為。 - スモークハラスメント(スモハラ)
喫煙に関する嫌がらせ。 - ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)
「A型だから」等、血液型の性格判断の決めつけや偏見。 - マリッジハラスメント(マリハラ)
未婚者に「結婚しないの?」などと執拗に聞いたりする。セクハラの一部。 - エアーハラスメント(エアハラ)
空調関連の嫌がらせ。暑い日にエアコンの使用禁止したりする行為。パワハラの一種。 - ソーシャルハラスメント(ソーハラ)
SNSでフォローや友達申請、投稿へのいいねの強要などの行為。 - カスタマーハラスメント(カスハラ)
顧客や取引先からの悪質なクレームや不当な要求。
精神論・やる気や情熱という言葉が社内の多くで使用されている
精神論で「やれば出来るよ」「情熱が足りないんじゃないか」と社内の至る所で使用されています。
後述しますが、求人情報にも「情熱持って仕事が出来る」などと多く使用されています。
企業で働く上でチームワークは大事ですので仲間意識を持つことや、周囲に感謝することは大切です。
しかし、ブラック企業ではその気持ちを強要してくることが多くあります。
また、やる気や情熱という言葉を使い長時間労働や残業を強要に繋がります。
求人票・求人情報から見るブラック企業の特徴【新卒者向け】
上述した通りブラック企業の定義はありません。
しかし、世間では一般的に上述したような企業がブラック企業であると認識されています。
そんなブラック企業は、求人票・求人情報にも特徴があります。
これは上述した思考が元となって求人内容を考えて求人情報を掲載するからだと思われます。新卒者はほとんどの方が社会人経験がない学生ですので、ブラック企業には騙されやすいと言えますので以下の点に注意してい下さい。
募集人数が同業他社と比較して異状に多い
募集人数は、将来を見通した上で決定します。これは、新事業の展開などを計画している場合も考えられますが、その場合は求人情報に掲載されているはずです。
つまり、新事業の展開などの掲載がないのに異常に多い人数を募集している場合は、一定の退職者を見込んだうえでの募集を計画しているということに繋がり、大量退職するほどに仕事が厳しいのではないかと推測がつきます。
もちろん、急成長している企業の場合は、人手不足に陥るので募集人数は多くなります。しかし、そういった企業はネットで検索すればすぐにわかります。
また、同業他社との比較も大切です。成長している企業と同じで急成長している業種もありますので、他社と比較してみましょう。
人数だけではなく全従業員数に対してどれくらいの割合の募集人数なのかなども比較してみる必要があります。
全従業員が100人の企業で100人の募集と全従業員1万人の企業で100人の募集では意味が違います。
他に高度経済の時代に大量採用した人たちが辞めていく時代に突入している事から、大量募集している企業もあります。そのような企業は大企業であることが多いのでホームページを調べればある程度のことはわかります。
会社説明会やOB、OG訪問で会った社員が異様に元気で会社の良い点だけを言う
就職活動中の学生に合わせるブラック企業の社員は、「会社を100%良いと思っている」ことが前提ですので会社の悪い点などは当然言いません。
少し変な言い方をすれば「洗脳」が完了しているということになります。
仕事をする上で上司や社長を尊敬することは大切です。
しかし、100%合う人など存在しないと言っても過言ではなく欠点が見つからないのは、そもそも人を見る目がないの、または見ようとしていないから矢見ることが出来ない状態だと考えることが出来るのではないでしょうか?
もしくは、前述した通り「洗脳」が完了していると言えます。
ブラック企業は、一種の新興宗教と同じです。
「この宗教に入ると、良いことしかありません。逆に入らないと損しますよ。」と異様に元気で伝えてくる信者を想像してみてください。
このような勧誘と同じだと考えれば、異様に元気なOBやOGに出会ったら、ブラック企業かもしれないと疑ったほうが良いかもしれません。
初任給が理由もなく異様に高い
グローバルなビジネスを展開している企業では月収100万円等という企業があるのは事実ですが、あくまでも何らかの高い専門技術を持っている人材限定で、理由もないのに初任給の手取りが異様に高い企業は気をつけるほうが良いと思われます。
「先物取引」「悪質な不動産屋」などは精神的にきつく肉体的にも厳しい仕事内容の為に高い給料にしている場合が考えられます。
証券会社だと思っていたら先物取引だったや、不動産屋だと思っていたら地上げ屋だったなどという話があります。
面接官の服が汚れていたりシワが目立つ
面接官は会社を代表してこれからの会社の未来を決める人材の採用を決める従業員です。
また、同時に会社の代表ですので学生側からも見られていると意識を持って職務あたるのが一般的です。
つまり、その面接官の服が汚れているということは、学生に見られているという認識がないと考えることが出来ます。
それほど新卒者のことを大切に思っておらず、人材を大切に考える文化が無いとも考えられます。「従業員は使い捨てのコマだ」との認識で採用活動しているのかもしれません。
また服が汚れている場合には、もう一つ理由を考えることが出来ます。
採用活動の業務が忙しく、家に帰ることが出来ない等、服装にまで気を使うことが出来ないのかもしれません。
ただ、いずれの場合であっても面接官の服装を確認しておくことは、ブラック企業を見極める上でポイントとなります。
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会社説明会などの段取りが悪い・質問しても返答があやふや
会社説明会は、学生が企業と接触する最初という場合がほとんどですので非常に重要にも関わらず、段取りが悪い場合は注意が必要です。
採用担当者は、会社の未来を左右する人材を選ぶ事が仕事ですので、企業の中でも特に優秀な人を配属することが多いのです。
にも関わらず、会社説明会の段取りが悪いとなってしまうと、従業員全体の質が低いと見ることが出来ます。また、質問に対してあやふやな回答しか出来ない等も同様と考えることが出来ます。
同時に、段取りが悪く採用担当者のモチベーションが低い場合にも注意が必要です。これは採用担当者自身が、すでに退職を考えている場合や、採用することに抵抗があるなどの場合が多いのが実情です。
採用サイトが更新されていないや内容が薄い
何度も記述していますが、人材の採用は会社の未来を大きく左右します。
未来を左右するのにも関わらず、採用サイトが更新されていない場合は要注意です。人材を大切に思っていない企業文化が疑われます。
もしくは、上記の「会社説明会などの段取りが悪い・質問しても返答があやふや」同様に従業員全体の質が低いと見ることが出来ますし、更新しなくても人など簡単に雇えるだろうと考えている場合もあります。
ただ、最近ではマイナビなどのサイトを主に採用活動している企業もあり、一概にブラック企業だということは出来ませんが、しっかりとした企業の場合は採用サイトの閉鎖などの対応をしています。
採用ツールなどが異様に豪華
上記の「会社説明会などの段取りが悪い・質問しても返答があやふや」とは真逆ですが、採用ツールが異様に豪華な場合も注意が必要です。
また、同様に「採用サイトが更新されていないや内容が薄い」とも逆ですが、採用サイトが異様に豪華な場合な場合も注意が必要です。
バブル時代の「内定者にはハワイ旅行」と同じような考えで、高そうなツール等を駆使して採用者数をとにかく増加させようと考えているのもしれません。
メールが夜遅く送られてくる
最近では、ツールの活用で応募者にメールを一斉送信することが可能です。
また、メールの送信時刻の設定も出来ます。
それなのに、夜遅くにメール送信されてくるということは、その時間まで働いているということが容易に想像することが可能です。
また、同時そのツールさえも使いこなすことが出来ていないことになります。
もしくは、本当に人手が足りていないという場合もありえます。
企業の中でも特に優秀な人を配属することが多い人事にさえ人手が足りていないという事は、会社全体での人手不足が考えられますので入社後の待遇が心配になってしまいます。
《参考資料》ユニーク企業の福利厚生や社内制度例
従業員満足や人材確保の為にユニークな福利厚生や社内制度を整備している企業も多くあります。食事補助やコーヒー補助などは当たり前で他にも働くことが楽しくなりそうな制度ばかりです。
- 失恋休暇/チカラコーポレーション
失恋した翌日から20代前半で1日、20代後半で2日、30代以上は3日です。 - 親孝行支援制度/大和ハウス工業
年4回を上限に、帰省距離に応じた補助金(1.5万円~5.5万円/回)を支給されます。 - 自転車通勤制度/はてな
月額2万円が支給され、事故が起きた際の保険も会社負担です。 - ゲームソフト購入補助・ゲーミング手当/グラニ
ゲームソフト購入費用を支給。また、ゲーミング手当は会社推奨ゲームをプレイし、基準をクリアすれば手当が支給される。 - モバイルワーク/カルビー
コロナで一般的になりましたがカルビーは2014年4月から週2回上限、勤務場所を自宅に限定して運用開始しています。2017年4月から場所・回数の制限を撤廃。 - 出産子育て支援金/バンダイナムコオンライン
1子、2子出産時は20万円、3子の出産時には200万円が支給されます。 - 横軸ランチ/ギャプライズ
事業部、役職、雇用形態を横断したチームを組み、月1でランチ会を実施。ランチ費用は会社負担。 - かき氷食べ放題制度/サイブリッジ
スーパークールビズを実施するに当たりかき氷食べ放題制度を実施。 - オシャレ手当/グラニ
社員一人ひとりの個性を尊重し、日々の生活に活力を持って臨むことができるよう、もっとオシャレしたい社員をサポート(上限5千円/月)
PICKUPキャリコン
ブラック企業一覧情報関連サイト
- ブラック企業とは|ブラック会社の特徴10個と見抜くポイント/労働問題弁護士ナビ
- ブラック企業/Wikipedia
- ブラック企業の31つの特徴/社会人の教科書
- 労働基準関係法令違反に係る公表事案/厚生労働省労働基準局監督課
- 長時間労働削減に向けた取組/厚生労働省
- 「ブラック企業」ってどんな会社なの?/厚生労働省・確かめよう労働条件
ブラック企業一覧を検索する前に知っておくべき求人の特徴【新卒者向け】のまとめ
ブラック企業の特徴を説明いたしましたが、なぜみなさんブラック企業は嫌なのでしょうか?それは、その仕事をする上で、誰のために何をしているのかわからなくなるからではないでしょうか?
ただ、仕事をする目的は人によって大きく違います。また、仕事から何を得たいのかも違います。
《参考》仕事の目的などについて知りたいからは以下を参考にしてください。
- マズローの欲求5段階説(自己実現理論)/就職・転職・従業員満足度向上に活かす
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この仕事をする上での自分の目的と、周囲の人との目的が合っていないとその仕事は辛くなり楽しくありません。
企業の目的として営利を追求する事は当たり前のことです。
しかし、人の勘違いを利用して営利を追求することに抵抗がある人は多いとは思いますが、自分の給料が上がるならと積極的に利用する人がいるのも事実です。
そして、周囲にそのような人がいるとなると「詐欺のような手法で儲けるなんて嫌だ!」と楽しくなくなります。
このように楽しくない仕事をしていると、ついつい自分の会社はブラック企業なのではないかと勘違いしてしまいます。
ブラック企業ではない営業ノルマが厳しい企業
営業方法を覚えて将来は独立すると決めて働いている人にとっては、どれだけノルマが厳しくてもブラック企業だとは思いません。
それは、将来の自分の目標があり、ブラック企業で働けば短期間で学ぶべきことが出来るからです。この事からわかるようにブラック企業は、従業員の意識が決めるということです。
もちろん、残業代の未払いなどの法律違反を犯している企業をよしとしている訳ではありませんが、そのような企業でさえ気分良く働く従業員がいるのが事実です。
つまり、ブラック企業で働かないためには、自分自身の目標を持ち、会社に入って何を学びたいのかを意識しておくことが重要です。
コミュニケーション能力を高める訓練の必要性
仕事は一人でこなしていくものではありません。
上司、同僚はもちろん、取引先やお客様など様々な人とのかかわりの中で仕事は進めなくてはなりません。
そのため仕事をする上でコミュニケーション能力の高さは非常に重要です。また、ただ単に仲間と協働するだけではなく、自らが積極的にアイデアを出していくなども必要なのです。
「コミュニケーション能力が高い人はどの企業でも面接で落とされることはない」と言っても良いほどです。これはブラック企業ではない優良企業であっても同じです。
コミュニケーション能力は、入社後にも役立ちますし、転職先でも役立ちます。社会人であればいつでもどこでも非常に重要な能力となります。
このコミュニケーション能力を持っていて損はありません。
ただコミュニケーション能力は、一朝一夕で高めることは出来ずに日々の訓練が必要です。
その為に、ブラック企業を検索するよりもコミュニケーション能力を高める訓練をすることをお勧めします。
就職と結婚は同じ
就職と結婚は同じだと言われています。
有名企業であるということはルックスが良いことと繋がります。売上や利益率、上場企業か等は学歴や年収などと結びつきます。
社風やOBやOGなどに惹かれて就職するのは、相手の性格に惚れて結婚することのようなモノです。
しかし、これだけではありません。
「こんなはずじゃなかった」と思う所も、結婚した後しかわからず、就職した後でしかわかりません。恋愛期間や就職活動時には見えない”何か”がある事は、決して珍しいことではなく当たり前にあり得ます。
「入社からすぐ責任感のある仕事が出来る」ということは、離職率が高く退職する社員の仕事を引継ぎさせられるらから、「家族的でとにかくみんなで楽しいことが好きな雰囲気」ということは、様々なイベントを開催し強制参加であるなど言い方の難しさや、人によって捉え方が違う点など本当に様々です。
つまり、就職するまでブラック企業だということはわかりにくいのが真実です。
ただ、残念ながら現代の日本の企業で100%法律を順守している会社はいないのが現実ではないでしょうか?
その為に入社後に「あれ?ここ違法じゃない?」という事は当たり前のように見当たり、ブラック企業だなと感じてしまう場合もあると思います。
そういった場合にも自分自身の中で許せる範囲なのかや、自分の成長の為に繋がるのか等を吟味した上で続けるのか転職するのか等を決定することをお勧めします。
自分自身の判断基準
ここで重要な点は、自分の判断基準を持っておくという点です。他人の基準ではなく自分の基準で判断をし今後を決めることが大切なことです。
「残業代の不払いを自分が許せないから辞める」「パワハラ上司を処分しないことに納得が出来ないから辞める」等です。
最初に書いたとおり日本にブラック企業はありません。なぜなら行政がブラック企業を定義していないからです。
だからこそ自分の中でのブラック企業の基準を持ち、就職活動に望むことがブラック企業に入社しない一番の近道なのではないでしょうか?