[最終更新日]2021/09/14
職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義をしました。
厚生労働省:職場のパワーハラスメントについて
この定義においては、
- 上司から部下に対するものに限られず、職務上の地位や人間関係といった「職場内での優位性」を背景にする行為が該当すること
- 業務上必要な指示や注意・指導が行われている場合には該当せず、「業務の適正な範囲」を超える行為が該当すること
を明確にしています。
そんな中、労災認定を受けた精神疾患の認定理由には職場のいじめや嫌がらせなど、パワハラ(パワーハラスメント)が原因となっている場合が多く早急なパワハラ(パワーハラスメント)対策が必要です。
Contents
パワハラ(パワーハラスメント)
優越的関係に基づく
パワーハラスメントという言葉は、上司から部下へのいじめ・嫌がらせをさして使われる場合が多いですが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるものもあります。「職場内での優位性」には、「職務上の地位」に限らず、人間関係や専門知識、経験などの様々な優位性が含まれます。
業務の適正な範囲を超える
業務上の必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントにはあたりません。例えば、上司は自らの職位・職能に応じて権限を発揮し、業務上の指揮監督や教育指導を行い、上司としての役割を遂行することが求められます。職場のパワーハラスメント対策は、そのような上司の適正な指導を妨げるものではなく、各職場で、何が業務の適正な範囲で、何がそうでないのか、その範囲を明確にする取組を行うことによって、適正な指導をサポートするものでなければなりません。
身体的もしくは精神的苦痛を与えるか就業環境を害する
に、以下の行為
身体的な攻撃
叩く、殴る、蹴るなどの暴行を受ける。
丸めたポスターで頭を叩く。
精神的な攻撃
同僚の目の前で叱責される。
他の職員を宛先に含めてメールで罵倒される。
必要以上に長時間にわたり繰り返し執拗に叱る。
人間関係からの切り離し
1人だけ別室に席にうつされる。
強制的に自宅待機を命じられる。
送別会などに出席させない
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過大な要求
新人の仕事のやり方もわからないのに、他の人の仕事まで押し付けられて、同僚はみんな先に帰ってしまった
過小な要求
運転手なのに営業所の草むしりを命じられたり、事務職なのに倉庫業務だけを命じられるなど
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個の侵害
交際相手について執拗に問われる。妻に対する悪口を言われる。
パワーハラスメントに関する実態調査について
■平成24年職場のパワーハラスメントに関する実態調査についてはこちら
■平成28年職場のパワーハラスメントに関する実態調査についてはこちら
現在のパワハラ(パワーハラスメント)対策
現在、パワハラ(パワーハラスメント)被害者の救済には民事裁判で慰謝料や損害賠償を請求する場合が多い。しかし、民事裁判で被害を立証するのは難しく、労働者災害補償保険の認定されない場合もあります。
そんなパワハラ(パワーハラスメント)を、国の行政機関厚生労働省は事後的な救済ではなく、被害自体を予防する必要性が高まっていると考え、パワハラ防止の法整備を行いパワハラ(パワーハラスメント)の防止策を企業に義務付けるよう諮問機関で議論を始めました。
具体的に企業に課す策は、パワハラ(パワーハラスメント)の防止策を義務付けるだけではなく、従業員の相談にのる窓口の設置や事実関係を調査したり、パワハラ加害者に対しての人事処置を求めることも検討するとしています。
また、法律に違反した企業は行政指導の対象として、悪質な企業と判断した場合には公表することも検討しています。
昨今、ブラック企業と共にパワハラ問題は深刻化しており、労働局への労働相談へは2017年度まで6年連続で最多を更新しています。
厚生労働省の調査によれば、企業で働く人の3人に1人が「パワハラ(パワーハラスメント)を受けたことがある」と答えていて、パワハラ(パワーハラスメント)は日常化しているが、セクハラ(男女雇用機会均等法)、マタハラ(育児介護休業法)のように企業に対しての防止措置はありませんでした。
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