[最終更新日]2023/01/24
情報技術の著しい革新並びに発展が、日本の産業・職業界に構造的な変革をもたらしています。
構造的な変革は競争相手にも変化をもたらし、今までのように国内企業だけでの競争・争いだけではなくなり、国際的な企業との競争社会になりました。
つまり、いかなる業界・業種も国際的な競争にさらされ、社会経済・産業的環境の国際化・グローバリゼーションが叫ばれています。
情報技術の発展は、子どもたちの成長や発展にも影響を与えており、教育の目標はもちろん、教育環境にも大きな影響を与えています。
また、学生から職業人への移行に問題を抱える若者も増えており、上記の変化は雇用形態の多様化・流動化にも直結しており、大きな社会問題にもなっています。
このような社会環境や社会問題の変化の中で、国民へのキャリア教育の重要性が認識されています。
そんな中でも、子どもたちのキャリア教育の重要性が叫ばれるようになりました。
そんな、これからの子どもたちである高等学校(高校)のキャリア教育とは?/学年別の学ぶ内容・目標・ねらい・実践例について、キャリア教育を受けてこなった大人世代にもわかりやすく説明致します。
Contents
- 1 キャリア教育とは?
- 2 ”学習意欲が向上する”キャリア教育の効果について
- 3 キャリア教育の基本的方向性/育む必要のある4つの能力
- 4 キャリア教育が目指すものについて
- 5 各学校段階(小学校・中学校・高等学校)におけるキャリア教育について
- 6 高等学校(高校)におけるキャリア教育について
- 7 高等学校(高校)段階におけるキャリア発達課題について
- 8 高等学校(高校)段階におけるキャリア発達の特徴の例
- 9 高等学校(高校)のインターンシップについて(普通科編)
- 10 高等学校(高校)におけるキャリア教育に期待されるものについて
- 11 高等学校(高校)のキャリア教育とは?/学年別の学ぶ内容・目標・ねらい・実践例のまとめ
キャリア教育とは?
キャリア教育に力を入れてこなかった日本で教育を受けた今の大人の頭の中には「キャリア教育」という意味さえもわからないのではないでしょうか?
最近では「キャリア開発」「キャリア支援」という言葉も社会で頻繁に見かけるようになってはいますが正直なところ理解ができていない大人も多いはずです。
それでは、具体的にまずは「キャリア教育」について理解していきましょう。
キャリア教育の定義
日本において「キャリア教育」という文言が公的機関で登場して、必要性が提唱されたのは、1999年(平成11年)12月の「中央教育審議会答申:初等中等教育と高等教育との接続の改善について」です。
この中で「キャリア教育を小学校段階から発達段階に応じて実施する必要がある」と提言されました。
また、キャリア教育とは2011年(平成23年)1月の中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」の中で次のように定義されました。
一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育
もう少しわかりやすく噛み砕くと、児童や生徒一人ひとりの勤労観、職業観を育てる教育です。
なお、キャリア教育とは「連鎖」であり「累積」ではありません。
受けた教育を、「どのように活かすのか」「どのように発展させるのか」または修正していくのかという将来に向けた展望を含んだものです。
将来を考えていく上で、過去の行動や出来事を振り返り再構成して、現在の自分の行動をコントロールしつつ将来に向けて方向づけていくという意味が含まれています。
キャリア教育と職業教育は何が違うのか?
キャリア教育と職業教育は何が違いのでしょうか?
簡単にいうと、キャリア教育は「土台」であり、職業教育は「専門性」を育てると言え、職業教育はキャリア教育の一部です。
職業教育では育成対象の能力について「特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育成します」が、キャリア教育では「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育成します」。
つまり、今までの日本企業は職業教育を重点的にしてきました。キャリア教育はしてこなかったと言っても過言ではありません。
理由としては終身雇用という制度があったからです。その企業で定年まで働けるように知識、技術、能力を育成したのです。
しかし、その能力は他社では通用しない知識、技術、能力だったと言っても間違いではなかったのです。
このように考えると転職が当たり前になった昨今でのキャリア教育の重要性が認識できるのではないでしょうか?
”学習意欲が向上する”キャリア教育の効果について
ここまでご覧頂いた方の中にはおそらく「キャリア教育の効果は将来的なもの」と思われた方も多いはずです。
しかし、充実した計画に基づいてキャリア教育をしている学校ほど、学習意欲も向上する傾向にあると言う結果が出ています。
つまり、キャリア教育を通じて、児童や生徒は「自分自身の将来」と「今、目の前にある学習」との関連性を見つけ出し学ぶという意欲をかきたてられているということになります。
※文部科学省 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター/平成26年3月キャリア教育・進路指導に関する総合的実態調査より
キャリア教育の基本的方向性/育む必要のある4つの能力
文部科学省はキャリア教育の基本的方向性として生涯学習の視点に立ち、キャリア形成支援の充実を図るとしています。
また、育む必要のある次の4つの能力としてまとめています。
- 人間関係形成・社会形成能力
- 自己理解・自己管理能力
- 課題対応能力
- キャリアプランニング能力
それでは具体的に4つについて見ていきましょう。
人間関係形成・社会形成能力
多種多様な様々な他社の考えや立場を理解する。それを踏まえた上で自分の考えを正確に伝えることができる。
自己の役割を果たしながら、自分の置かれている状況を受け止めて、他者と協働・協力し、これからの社会を積極的に形成し働きかける力です。
また、自己を理解し他者も理解し、自分の意見と他者の意見を個性だと認め尊重し互いに認め合う「自他の理解能力」も必要になります。
つまりは大まかにいうと「コミュニケーション能力」だと言えるのかもしれません。
他者の気持ちを理解しないままで責め立てるような発言はよくありません。
だからこそ、他者の意見をしっかりと聞き他者の意見が納得できなかったとしても、「他者はそう思っている。私とは意見が違う」とまずは認識することが重要になってきます。
このような考えがあれば、集団に属した時に望ましい人間関係を形成する力を育み、キャリア形成につながります。
自己理解・自己管理能力
自分を理解する自己理解。つまりは、自分が「できることこと」「やりたいこと」「大切だとおもうこと」について理解する能力です。
また、上記を理解しながら社会と相互関係を保って、これからの自分自身の可能性を含めて肯定的に理解し、主体的に行動する力です。行動と同時に自分の思考や感情を律しながら、これからの更に成長するために自ら進んで学ぼうとする力です。
自己理解を深めるためには多くの出来事を経験させることが大切です。
学習活動はもちろんですが、例えば自然と触れるなどの経験により「私は植物や魚に興味がある」や「虫が苦手」などを認識することに繋がります。このような活動が自己理解を深める事に繋がります。
また、このような活動から将来の夢へ発展したり、自分の性格の分析などと組み合わせて行うと自らのことを直接見つめる機会にもなります。
同時に直接的に見るだけではなく客観的なものになるようにするために、児童や生徒の相互間で交流できる仕組み作りも重要です。
更に加えて、様々な活動において計画を立てさせて実践させるような指導をすることで自己管理能力の育成につながります。
上述した例に加えれば、植物の中でも「今日の目標はたんぽぽを重点的に探す」「たんぽぽを45分探して一つも見つからない場合は変更してテントウ虫を探す」などです。
これは高校生や大学生にも当然共通しています。受験勉強や部活動の計画はもちろん、就職活動計画なども自己管理能力の育成に繋がります。
課題対応能力
課題対応能力は課題や問題を対応するだけの能力ではありません。様々な問題や課題を発見して分析するという能力も含まれます。
つまり、問題をまずは発見し分析して計画を立てた上で処理し解決する能力を言います。
この能力は、基本的な生活習慣の形成で育まれます。
授業の準備、係活動、当番活動、整理整頓などの基盤的な能力が育まれるのです。
もちろん、部活動や修学旅行などの課外活動や運動会などの特別活動でも育まれます。
キャリアプランニング能力
多様な生き方の様々な情報を活用しながら取捨選択し、自ら主体的に判断してキャリア形成する力。
「働く」ということを担う意義を理解する力。
自らが果たすべき様々な役割や立場との関連を踏まえて「働くコト」を位置づける力を言います。
児童や生徒が、様々な立場の社会人と交流することだけではなく、自ら職場体験をする取り組みを企画するなどにより、キャリアプランニング能力の基盤を育むことが多いに期待出来ます。
また、将来の夢や目標を元に将来設計を立てさせる活動や発表も効果的です。
地元企業の経営者はもちろん、各種関係機関との連携を意識しておく事が重要です。
キャリア教育が目指すものについて
上述した通りキャリア教育は「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」を言います。
すなわち、個々の子どもたちが社会の中で生きていくために不可欠な能力を育むことが、キャリア教育の目標です。
このことから、キャリア教育では、児童生徒の個性や発達段階、成長段階を踏まえて目標設定することが必要であり重要になります。
そんな、児童生徒の発達段階・成長段階を踏まえつつ、各段階おいての文部科学省が示す目標例は以下のとおりです。
小学校
進路の探索・選択にかかる基盤を形成する時期
- 自己及び他者への積極的関心の形成・発展
- 身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上
- 夢や希望、憧れる自己のイメージの獲得
- 勤労を重んじ目標に向かって努力する態度の育成
中学校
現実的探索と暫定的選択の時期
- 肯定的自己理解と自己有用感の獲得
- 興味・関心等に基づく勤労観・職業観の形成
- 進路計画の立案と暫定的選択
- 生き方や進路に関する現実的探索
高等学校(高校)
現実的探索・試行と社会的移行準備の時期
- 自己理解の深化と自己受容
- 選択基準としての勤労観、職業観の確立
- 将来設計の立案と社会的移行の準備
- 進路の現実吟味と試行的参加
繰り返しにはなりますが、個々のキャリアは、一人の生涯にわたって形成されていくことが期待されています。
つまり、学校でのキャリア教育は卒業後も考えて行う必要があるということです。
また、同時に社会に出てからも活用できるような学校間はもちろん、学校と就職する企業間や、さらには非常に難しいとは思いますが学生時代のアルバイト先の企業との連携や接続することも考えて行うことが望ましいのではないでしょうか?
各学校段階(小学校・中学校・高等学校)におけるキャリア教育について
それではここからは各学校段階(小学校・中学校など)におけるキャリア教育についてみていきましょう。
これは当然ですが、上述したように各段階おいてキャリア教育が目指すものは違いますので、教育方法なども違ってきます。
また、高校1年生と中学3年生のわずか1年であってもアルバイトという働くコトが出来る学年と出来ない学年では「キャリアの」捉え方も違ってきます。
そのためにも、各段階におけるキャリア教育を理解しておくことは重要なのです。
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高等学校(高校)におけるキャリア教育について
高等学校(高校)のキャリア教育の段階としては、小学校と中学校の延長線上にあります。
ただ、高等学校(高校)生期は、自我の形成が大きく進んでいます。また、同時に身体的にもほぼ成熟していますので、自律の要求が高まっていく時期でもあります。
アルバイト等で働くことも可能になり、進学せずに就職を選択した小学校や中学校の友人から様々な情報を得ることもあり、様々な役割や期待に応えながら円滑な人間関係の構築が求められます。
活動範囲の広がりは所属する集団の広がりにも繋がり、人間関係の複雑性が増すとともに大きく広がります。
しかし、そんな人間関係の広がりはストレスにもなってしまいます。
身体的、生理的側面での早熟化が進むのとは反対に、ストレス耐性や社会性の未熟さが顕著にみられます。
特に現代の高校生の中には、精神的・社会的な成熟の遅れ、一般常識や挨拶などの基本的な生活習慣の欠如、さらには人間関係形成能力など社会生活に不可欠な知識や能力を十分に身につけることが出来ていない生徒が少なくないと言えます。
高校生の時期には、自分自身で将来を選択する機会も多くなりますが、肯定的な考えが出来ないために、目的を持った行動が出来ずに意欲的な生活を送ることが出来ない生徒もいるのが現実です。
つまり、高校生活におけるキャリア教育ではまずは高校生活への適応できるように支援する必要があります。次に学ぶことの楽しさを味わうことができるようにすることが最も重要な課題といえます。
自らの将来のキャリア形成を自らで考えさせて、選択をさせます。
自ら学び自ら考えさせるために「学ぶことの意義」「学ぶことの価値」を知らせて、自らで判断する力や自らの価値観を創ることを重視する必要があります。
それでは、次に高等学校段階におけるキャリア発達課題とキャリア発達の特徴の例を見ていきましょう。
高等学校(高校)段階におけるキャリア発達課題について
高等学校(高校)のキャリア発達課題については2011年11月の文部科学省「高等学校におけるキャリア教育の手引」に次のように示されています。
- 高等学校では、生徒の個性や義務教育までに培った能力や態度を更に伸長させるとともに、学校から社会・職業への移行の準備として専門性の基礎を育成することが求められる。
- 高校生の時期は、中学生と比べて、更に、独立や自律の要求が高まるとともに、所属する集団も増え、集団の規律や社会のルールに従い、互いに協力しながら各自の様々な役割や期待に応えて円滑な人間関係を築いていくことが求められる。
- 自我の形成がかなり進み、人間がいかにあるべきか考えるとともに、自己の将来に夢や希望を抱き、その実現を目指して進んで学習に取り組む意欲を持ち、自己の個性や能力を活かす進路を自らの意志と責任で選択し決定していくことが求められる。
高等学校(高校)段階のキャリア発達段階
- 現実的探索・社会的移行準備の時期
高等学校(高校)段階のキャリア発達課題
- 自己理解の深化と自己受容
- 選択基準としての勤労観、職業観の確立
- 将来設計の立案と社会的移行の準備
- 進路の現実吟味と試行的参加
高等学校(高校)段階におけるキャリア発達の特徴の例
高等学校(高校)段階におけるキャリア発達の特徴の例は次の通りです。
入学から在学期間半ば頃まで
- 新しい環境に適応するとともに他者との望ましい人間関係を構築する。
- 新たな環境の中で自らの役割を自覚し、積極的に役割を果たす。
- 学習活動を通して自らの勤労観、職業観について価値観形成を図る。
- 様々な情報を収集し、それに基づいて自分の将来について暫定的に決定する。
- 進路希望を実現するための諸条件や課題を理解し、検討する。
- 将来設計を立案し、今取り組むべき学習や活動を理解し実行に移す。
在学期間半ば頃から卒業を間近にする頃まで
- 他者の価値観や個性を理解し、自分との差異を見つめつつ受容する。
- 卒業後の進路について多面的・多角的に情報を集め、検討する。
- 自分の能力・適性を的確に判断し、自らの将来設計に基づいて、高校卒業後の進路について決定する。
- 進路実現のために今取り組むべき課題は何かを考え、実行に移す。
- 理想と現実との葛藤や経験等を通し、様々な困惑を克服するスキルを身に付ける。
※文部科学省『高等学校におけるキャリア教育の手引』2011年11月より
高等学校(高校)のインターンシップについて(普通科編)
高等学校(高校)普通科の段階においてインターンシップは必要かつ効果的です。高等学校(高校)の普通科の生徒の多くは進学(大学・短大・専門学校等)します。
その進学先を選択する際に、入れる(合格する)進学先を選択するのではなく、進学先の卒業後において、社会的自立、職業的自立ができるよう、主体的に進路を決定する能力・態度を育成するキャリア教育を進めることが重要です。
目の前のことだけではなく、自らの夢や目標に沿ったキャリアを意識させて「進学の向こうにある社会」を生徒に意識させる必要があり、インターンシップは「進学の向こうにある社会」を生徒に意識させることに効果的です。
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高等学校(高校)キャリア教育におけるインターンシップの効果
高等学校(高校)キャリア教育におけるインターンシップの効果は次の図の通りです。
進学者が多数のある高校での6つのプログラムの3年間のキャリア教育の効果を調査した結果です。調査は平成22年10月に行われました。
6つのプログラムは次の通りです。
- 大企業講和
- 合格体験談
- インターンシップ(2年時に3日間実施、全員対象)
- オープンキャンパス
- 大学研究
- 志願理由書
「人生に影響を与えたもの」「モチベーションを上げられたもの」「印象に残っているもの」のいずれでもインターンシップは他のプログラムと比較して効果的だということができます。
高等学校(高校)キャリア教育におけるインターンシップの目的
高等学校(高校)キャリア教育におけるインターンシップの目的は次の通りです。
- 働くこと、生きることの尊さを実感させ、勤労観、職業観を醸成する
- 進路選択への積極性を醸成する
- 学習意欲を向上させる
- 「基礎的・汎用的能力」を育成する
現在、ほとんどの中学校においては「職場体験活動」が実施されています。これはインターンシップとほぼ同じです。
また、大学でもインターンシップを実施している学校も多くあります。
そんな中で、高等学校(高校)と中学校・大学とのインターンシップの目的の違いはなんでしょうか?
中学校職場体験活動の目的
- 職業観・勤労観の形成
- ある職業や仕事を窓口としながら職業や仕事を知る
- 働く人の実際の生活に触れて社会の現実に迫る
高等学校(高校)インターンシップの目的
- 職業観・勤労観の形成と確立
- 将来進む可能性のある仕事や職業に関連する活動を試行的に体験する
- 体験を手掛かりに社会・職業への移行準備を行う
大学インターンシップの目的
- 職業観・勤労観の確立と深化
- 体験を通して専門的な知識・技能を身に付ける
- 社会・職業への移行を見据えて、より現実的なイメージを持つ
高等学校(高校)におけるキャリア教育に期待されるものについて
繰り返しにはなりますが、高等学校(高校)生は、中学生と比較しても自律の欲求が高まります。
また、所属する団体や集団も大幅に増加します。
それは学校内だけではなくアルバイトなどを通してリアルな社会との繋がりも増加します。
そんな集団の規律や社会のルールに従いながら、多くの人と協力し各々の様々な役割や期待に応えることで円滑な人間関係の構築が求められます。
同時に自分自身の将来に夢や希望を抱きます。夢や希望を実現するために、学習に取り組むという意欲を持ちます。
自分の個性や能力を生かす進路を選択します。進路選択は自らの責任で選択し、決定していくことが求められます。
このような状況を踏まえた上で、生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度の育成と、これらの育成を通じた勤労観・職業観等の価値観の自らの形成・確立を目標として設定すること高等学校(高校)においては重要です。
そのためにも、普通科や工業科などの学科や就職・進学など卒業後の進路を問わずに、社会・職業の現実的理解を深めることが大切です。
また、自分自身が将来どのように社会に参画していくかを考える教育活動等に重点を置く必要があります。
それは具体的に、上述した高等学校(高校)段階のキャリア発達課題「自己理解の深化と自己受容」「選択基準としての勤労観・職業観の確立」「将来設計の立案と社会的移行の準備」「進路の現実吟味と試行的参加」等に繋がるのです。
高等学校(高校)キャリア教育関連の書籍一覧
- 高等学校キャリア教育の手引き/文部科学省
- キャリア教育のススメ 小学校・中学校・高等学校における系統的なキャリア教育の推進のために/国立教育政策研究所生徒指導研究センター
- 変わる! キャリア教育:小・中・高等学校までの一貫した推進のために/文部科学省国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センター
- 世界の教育改革3 OECD教育政策分析 −特別支援教育、キャリア・ガイダンス、高等教育ガバナンス、成人生涯学習への投資/経済協力開発機構
- キャリア教育(MINERVAはじめて学ぶ教職)/吉田武男・藤田晃之
高等学校(高校)キャリア教育関連サイト一覧
- 高等学校キャリア教育の手引き/文部科学省
- 高等学校におけるキャリア教育の実践例と教育プログラムとは?/キャリア教育ラボ
- キャリア教育は、迷いの多い高校生の人生の指針となるか?教科書がないキャリア教育の意義と課題/マイナビ
- 高等学校におけるキャリア教育推進のために「自分を社会に生かし、自立を目指すキャリア教育」/国立教育政策研究所
- 【今注目のキャリア教育】高校での具体的な取り組みや実践例をご紹介/スタスタ
高等学校(高校)のキャリア教育とは?/学年別の学ぶ内容・目標・ねらい・実践例のまとめ
いかがだったでしょうか?高等学校(高校)のキャリア教育とは?/学年別の学ぶ内容・目標・ねらい・実践例でした。
キャリア教育を受けてこなかった大人には刺激的であったかもしれません。
また、このような教育を受けていれば自分の人生が違っていたなんて思った方も多いはずです。
しかし、これからを担う若者に対して同じ思いをさせない為にもキャリア教育を十分理解し、これからの教育や指導にお役立ていただければと思います。
同時に「人生100年時代」と言われています。
現在50才の方でもまだ半分50年もあります。人生を24時間で考えた時にまだお昼の12時ですランチを食べて昼からも頑張ろうかと考えている位です。
30才であれば残り70年で24時間で考えれば午前7:12です。休日ならまだ起きていないかもしれない時間です。
ようやく政府もリカレント教育(生涯を通じて学び続けていくこと)に力を入れつつある現在だからこそ、自分自身の人生を見つめなおすきっかけになったのならば幸いです。