[最終更新日]2021/09/14
お金の為に働く訳ではありません。しかし、お金はとても大切です。
お金がなければご飯を食べることもできませんし、家を借りることも買うこともできません。
つまり、働くこととお金は切っても切れない関係です。では、その働くこととお金の関係をもう少し詳しく説明したいと思います。
Contents
ファイナンシャルプランニングとは何か?
高度経済成長からバブル崩壊まで様々な経験をした日本経済は今、少子高齢社会、人口減少と新しい困難に立ち向かう時代を迎えています。
環境が大きく様変わりしたことで、これからの時代は、あなたの人生をどのように過ごすのか、老後の生活はどうするのかなどを自律的に考える時代となっています。
そんな自律的に考える時代に、個人の収入や資産・負債、保障内容などに関するあらゆるデータを集めて、要望や希望・目標などを聞き、現状を分析し、それに基づいてクライエントのライフプラン上の目標を達成するために、必要に応じて弁護士、税理士、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士などの専門家の協力を得ながら、ライフプランにそって貯蓄計画、保険・投資対策、税金対策などの資産設計をファイナンシャルプランニングと言います。
ファイナンシャルプランニングを考える際のライフプラン
「ライフプラン」とは、充実した人生を送るために、あなたの将来の生活状況や環境の変化を予測して作成する生涯の生活設計のことをいいます。そして、ライフプランの作成には、あなたの個人の価値観や生き方が重要になってきます。
何に重点を置いて生活をするのかのキャリアアンカーなども理解しておく事も重要です。
なぜなら、ライフプランの実現があなたの夢や希望の実現を導いてくれるからです。
従って、その実現のためには、きちんとした人生設計を行うとともに「資金計画」を練り上げる必要があるのです。
ライフプランを実現する手段のライフプランニングについて
ライフプランニングには2種類に分類されます。
それが「狭義のライフプランニング」と「広義のライフプランニング」です。
それでは「狭義のライフプランニング」と「広義のライフプランニング」の違いはなんでしょうか?
詳しくわかりやすく説明させていただきます。
狭義のライフプランニング
狭義のライフプランニングとは「生きがい」「家庭経済」「健康」「家族」の4つの観点だけで生活設計をする
広義のライフプランニング
広義のライフプランニングとは、上記の4つあげた中の「家庭経済」に絞り込み、その具体的な中長期プランを立てることを言います。
ファイナンシャルプランニングは「狭義のライフプランニング」のことを指します。
すべての個人が自分の「生きがい」「家庭経済」「健康」「家族」の4つの観点から資金計画を考えることを指します。「狭義のライフプランニング」では年代・年齢によってテーマは違います。
それでは、年代別の「狭義のライフプランニング」テーマをわかりやすく説明させていただきます。
年代別のライフプランニング
20代のテーマは”結婚”
20代の重要なテーマは「結婚」です。
独身を続けるかそれとも結婚するのかを判断する時期になります。また、結婚を選択するのならば、結婚資金の準備も考えねばなりません。
と、同時に自分の収支を認識し、日々の生活資金を消費者ローンなどに頼らない適正なお金の使い方を学ばなければなりません。
つまり、計画的な支出と自分の収入管理をする時期になります。
税金、保険、年金などの知識も持つようにして、30代以降の資産設計に備える時期です。
ただ、現在は晩婚化が急速に進んでおり、結婚を意識するのは少し早いのかもしれませんが、お金の収入と支出に関しては理解しておいて損はないでしょう。
30代のテーマは”住宅購入”
結婚をしているのであれば、家族構成を考慮したお金の使い方が求められます。出産・育児と合わせて、住宅購入が30代のテーマとなります。
教育資金や住宅取得資金を早い時期から貯える必要があり、生計を支える世帯主の不慮の事故による万一の場合に備え、生命保険に加入するリスク回避策を考えて実行しましょう。
独身の場合でも自分自身の病気などにより働けなくなった場合を想定し、医療保障や収入保障なの手段を講じておく必要があります。
結婚しているしていないに関わらず、親の介護問題も気になりはじめる時期となります。
40代のテーマは”教育資金”
40代は子どもをいるなら教育資金が大きなテーマとなります。
進学に必要な資金があるのかどうか、またその資金がない場合は資金調達の方法はあるのかを探ります。
住宅を購入していれば、住宅ローンの返済などもあり、親の介護問題も本格化する時期ですので、まとまった資金の支出が続く時期でもあります。
親の介護などの問題と同時に、自分自身の老後設定にも着手しなければなりません。今の国の財政状況などを考えれば、公的年金の受給年齢が上がるのはほぼ間違いありませんので、それを前提とした老後設定を考えます。
50代のテーマは”退職後の計画”
50代は子どもの自立により負担が減る時期になります。
子どもの負担が減るこの時期の重要なテーマは、自分たちの”定年退職後の老後計画の作成”です。
40代の頃に計画した通りに公的年金が受給できるのか変化を見極める等の確認も含めて、老後の生活は退職金と年金で賄えるのかどうかを確認し、不足がちならば調達方法を確保しておく必要があります。
今の段階で、すでに公的年金は60才から満額受給で生活設計をしていては不足することが予想されます。60代前半の生活資金を確保を早めに行います。
医療、介護に手厚い保険の加入なども進める一方、親の介護問題も引き続き抱えています。
60代以降のテーマは”生きがいの追求”
子育てから解放され、職業人生も終わった時期です。
自由な時間が大幅に増えるので、時間を有効に使い、あなたの「生きがい」の追求にいそしむことが可能です。
20代~50代までの貯えてきた老後資金の着実な運用と健康的な老後生活を過ごすことが、重要なテーマです。
また、家族の為にも、自分の介護状態を想定した準備や自分の財産継承を考えた相続対策にも着手する時期です。
遺言書作成や生前贈与などの対策について専門家に相談する機会をもちます。財産継承の相続対策は気力と体力がある早い時期に着手することが肝要です。
ライフイベント表の作成
ライフイベントとは、あなた自身の進学や就職、結婚、子どもの誕生・進学・入学、住宅や車の購入など、自分や周りの家族の将来の予定や希望、あるいは将来予測される出来事の中で資金が必要なものを指します。
そのライフイベントを一覧表にしたのが「ライフイベント表」です。世帯構成員一人ひとりに発生するライフイベントと世帯全体(家族)に係るものを合わせた形式のものを言います。
「ライフイベント表」は資金計画を立てる際の重要なツールとなるものです。自分や家族の目標が具体的かつ明確になるだけではなく数値化できる点が強みです。
面倒くさい方はエクセルなどで作成すれば簡単に作成できますので、目で確認できる状態にし、あなたの「ライフイベント」を確認してみてください。
印刷して利用も出来ますので是非ご活用ください。
また、子どもがいる場合は進学する学校が、私立か公立かによっても必要資金が違いますので、必要資金についての記載も良いでしょう。
それが出来ましたら「ライフイベント表の作成」の次に現状把握を行いましょう。
現状把握が間違っていると将来の収支予測も誤ったものとなってしまいます。その危険を回避するために「現状把握」はとても重要です。「収入」「支出」「資産」「負債」「保障」の5つの指標を使って算定しましょう。
収入
収入は、税込みなのか手取りなのかでは額が大幅に変化します。この収入とは「可処分所得」を使います。
可処分所得=収入(税込み)-(所得税+住民税+社会保険料)
です。
収入(税込み)より自動引き落としされている積立金などは可処分所得に含まれますので給料明細の手取り額とは違います。ご注意ください。
支出
支出は、収入から年間貯蓄額を引き逆算しましょう。
年間総支出=可処分所得ー年間貯蓄額
年間貯蓄額は、1年間で貯蓄した金額を指します。
収入(税込み)より自動で引き落としされている自身がしている積立金や自社株積立制度などは年間貯蓄額に含まれます。
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資産
預貯金や株などの有価証券、不動産、ゴルフ会員権の会員権などを指します。
取得した価格ではなく、時価で換算します。
負債
主に住宅ローンや車のローンがあります。借入金の残額、金利、返済期間などを算定します。
また、学生時代に借りた奨学金なども含まれます。
保障・保険
不慮の事故や病気の場合に備えがあるかを確認します。
生命保険、損害保険、年金、健康保険、勤務先の保証などが算定する項目です。
キャッシュフローを計算する
上記の現状把握で算定したデータを使ってキャッシュフローを計算しましょう。
現状の状況を示した「現状把握」と「ライフプラン」に基づき、今後の収支状況を予測するための資料です。
キャッシュフローの計算には以下の手順があります。
①経過年・暦年の記入
作成年を記入したあとに、その後1年づつ記入します。
1年ごとの作成が一般的で毎年12月31日を基準として数値をしたり、自分で定めた期日で記入します。
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②家族名と年齢の記入
上記で作成したライフイベント表の作成の際に利用した家族名と年齢を記入します。
③収支項目の記入
世帯全体の「収入」を記入します。
記入の際には「世帯主の収入」「妻の収入」「臨時収入」「年金収入」「その他」に分類して記入します。
④支出項目の記入
「支出」は年単位で把握した上で、「基本生活費」「住居費」「教育費」「保険料」「臨時支出」「その他」の6項目に分類します。
項目ごとに細分化することで家計の見直しがやりやすくなります。
■基本生活費/日常生活に欠かせない費用です。食費、水道光熱費、被服費、通信費、交通費など
■住居費/住宅ローン・家賃・管理費・修繕積立金・固定資産税など
■教育費/学費・塾・習い事(そろばん、スイミング、ピアノなど)・仕送りなど
■保険料/生命保険料・損害保険料・共済掛金
■臨時支出/ライフイベントで今後不定期に発生する費用・住宅取得時の手数料・冠婚葬祭・車、バイクの購入など
■その他/趣味、旅行、交際費、予定外の生活関連費用など
⑤年間趣旨の記入
上記から算出された「収入合計」から「支出合計」を差し引くと「年間収支」が算出されます。算出された「年間収支」かからキャッシュフローを計算します。
⑥貯蓄残高の記入
貯蓄残高は以下の計算式で算出します。この結果、ライフプランの実現性の判断が可能となります。
当年末の貯蓄残高=前年末の貯蓄残高×(1+運用利率)±当年の年間収支
まとめ
いかがだったでしょうか?
キャリアコンサルティングを行う上でお金のことは考えずにはいられないのが現実です。
現実にしっかりと目を向けた転職の為に活かしていただければ幸いです。