[最終更新日]2021/09/14
「ブラック企業」という言葉が巷を騒がしています。
サービス残業という名前に変わる「未払い残業」、いじめや嫌がらせ、暴力的行為などの「パワーハラスメント」など違法な状態での労働をさせる企業のことです。
そんなブラック企業は多くの出来事が悩みの種になりえます。
その中でも労働契約の解除、つまり「退職」は問題になり、クライエントからの相談事例が多くあります。
そんな中でもオーナーという上司でさえも労働環境の改善を求めているコンビニについてのご相談事例です。
Contents
大手コンビニアルバイト店員(大学生21才)からの相談事例
コンビニのアルバイト店員ですがブラック企業の典型で辞めようと思っている。
しかし、人がいないのはわかっているので辞めると言えば店長に絶対に止められます。
だから、何も言わずに辞めようと思う。
ただ、すでに内定を貰っており、内定先の企業名もバイト先で言ってるので何も言わずに辞めたら、内定先の企業に連絡されたりするのでしょうか?
注)クライエントの許可を得て掲載しております。若干の修正を加えての掲載となります。
世間で言われているコンビニについて
アルバイトをしていて退職を考えている時の問題は「辞める」事をいつどのように伝えるかだと思います。
そして、良くないのはわかっているけど、アルバイト先に何も言わずに辞めたいという気持ちはとてもよくわかります。
わざわざ、相手が嫌がる事を伝えなくてもいいんじゃないかと・・・。
言ったとしたらどうせ嫌なことを言われたりされたりするんだろうし・・・。
これは誰でも同じことだと思います。
しかし、どうしてそのバイト先の人はあなたにそんなことをするのだと思いますか?
相談内容からは具体的な内容がわかりませんが、世間で聞く「コンビニのアルバイト先のブラック企業の典型」の話にはなりますが少しお話させていただきます。
例えば、そのコンビニの店長がお中元のノルマがあるから、バイトに最低でも3個以上買うように強制してくるというお話です。
これは自分だけでは買うには個数が多いからお金が足りない、だから自分の店長という権力を使いバイトという部下に対して名目上は協力を依頼してくるのです。
ただ、協力だったら断ることも出来るのですが、協力という言葉とは違い脅迫的なものの言い方をされる店長がいるのが問題です。
では、なぜその店長は脅迫的な言い方をするのでしょうか?
それは「相手の気持ちを考える事が出来ない」「自分だけ辛い思いをなぜしなければならないのが嫌」のような考え方になっているのでは?と思うのです。
つまり、店長という仕事に対して自分の仕事力や人間力が合っていない仕事をしているから、他人(部下)に対して適切な指導をする事が出来ないのです。
また、普段からあなたとの信頼関係を構築出来ているのなら、ノルマが足りないから買ってくれないかと言われたとしても、あなたもそれほど嫌な思いをされないでしょう。
しかし、そういった店長は関係構築が出来ないままで、ただ「お中元を買え!」とあなたに対して強制してくる事に強い違和感をお持ちなのだと思います。つまり、その上司としてはそうするしかないのです。
もしくは、そういった強制的に伝えるのが良いと思っている方かもしれません。強制的に伝えるのが良いと思っている方に多いのは「やはり」ということになるとは思いますが「体育会系」の方です。
時代の流れや人の気持ちなどは考えもしなままに「俺はこうして先輩から教えられたのだ!」という理由で「上から目線」で伝えることしか出来ないのかもしれません。
店長がどういった気持ちで強制的に伝えるのかは不明ですが、いずれの考えにせよ、その店長は「あなたの理想とする店長ではない」わけです。
内定先への連絡はあるのか?
心配されている内定先への連絡ですが、その部分に関してはわからないというのが答えだと思います。
こうった就職のことに関わらず何に関しても執念深い方はいらっしゃいます。
そういった行動をしても何の問題解決にもならないのですが嫌がらせという行為をしてしまう方はいらっしゃるのが現実です。
内定先まで連絡することも当然考えられますので、十分に注意した方がよいと思います。
これは普段の仕事ぶりや会話などから推測する事も出来るかと思いますが推測の域を超える事はありません。
PICKUPキャリコン
アルバイトをする理由はなんですか?
次にアルバイト先の話ではなく、あなたのお話を少しさせていただきます。
あなたはなぜアルバイトをされているのでしょうか?
お金の為だけですか?
もし、お金の為でアルバイトをしているのでしたら、はっきりと退職の意思を伝えて辞めた方が良いでしょう。
内定先への電話等の総合的なリスクを含めた場合、やはり退職の意思を伝えて辞めるべきだと思います。
直接会って伝えるのが無理なら、電話もしくはメールなどでも良いでしょう。
「なぜ」辞めるのかという理由は伝えなくても大丈夫です。
ただ、「辞める」ことだけでは伝えておかなければ、後日にトラブルが考えられます。例えば、一人暮らしで急に出勤しなくなると「自宅で倒れているのでないか?」と通報され、警察が家に来るという事態も考えられます。
「そんなことはない」と思われるかもしれませんが、可能性はゼロではありません。
トラブルよりも問題の嫌味は、当然言われるかと思います。
しかし、それは「自分の考え」と「人の考え」が違うだけです。素直に受け止めればよいのです。
「そんなんじゃ社会では通用しない!」「他人の迷惑を考えろ!絶対に不幸になる。」など罵詈雑言を言われるかもしれません。
しかし、繰り返しますがそれはその人の意見です。こういう考えの人もいるのだと素直に受け止めましょう。
あなたはあなたの権利を主張しており雇用契約という契約においては何ら問題はないのかもしれませんが、急な退職で相手の手を煩わせているのは間違いのない事実です。
と、もう一つの考え方として文句を言われて辞めれるなら良しとしましょう。
また、退職意思を伝えての退職ですと内定先へ何を言われても問題ありません。
PICKUPキャリコン
お金のためじゃないアルバイトをする理由
ただ、お金の為じゃなく、社会勉強をする為にアルバイトをしておられるのでしたら辞めるべきではないと思います。
なぜならどのような会社に入っても、必ず矛盾している事があるからです。
例えば、会社の業績が冴えない時は、使いもしない商品を買わされることもあります。顧客サービスに従事していないのに毎月「お客様の声」を書かされることもあります。
だからこそ、今のアルバイト先はその練習先と考えてアルバイトをすればよいのではないでしょうか?
また、ブラック企業という言葉の定義は非常に難しく、中高年の定義と若者の定義は必ずしも一致しているとは言えません。
サービス残業といわれる残業手当の出ない労働は違法ですが、残業が多いが法律に沿った残業代を支払われている会社はブラック企業なのかと言われればそれはグレーゾーンとなります。ただし、残業時間の上限が設けられた法律が制定され、それ以上の残業は違法となりましたが、それでも一部業種には適用されないなどがあります。
こういった事を理解しないままに、自分の考えに合わない企業はすべてブラック企業だと一括りにしてしまっていることが多いように感じます。
ですので、まもなく社会人になられるわけですので、今の間に自分の中の「ブラック企業の定義」をしっかりと見つけてみるのにちょうど良い機会なのかもしれません。そうする事で社会人生活で必ず役たつことがあると思います。
社会勉強だと考えてアルバイトをするのでしたら、これ以上に好都合な練習場所はないのかもしれません。
だって、ブラック企業なのですから。
お金だけ貰えれば良いと思ってアルバイトをするのでしたら、これ以上劣悪な環境はないのかもしれません。
だって、ブラック企業なのですから。
社会はそれほど甘くなく、辛いことばかりなのかもしれません。
だからこそ、その辛さに今のうちに慣れておくのもいいかもしれません。
しかし、アルバイトの時にその辛さを味わう必要はないかもしれません。
だって、社会人になれば当然のように味わう辛さなのですから。
自分がどちらを選んだ方が幸せになれるのかは自分にしかわかりません。
ただ、あなたが幸せになる事を願っています。
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