[最終更新日]2021/12/01
LLC合同会社とは、株式会社と同じで独立や起業する際に設立を検討すべき会社形態です。
しかし、株式会社との違いやLLP有限責任事業組合との違いは知らない方も多いはずです。
そんな、「LLC合同会社とは?/株式会社と違う?やばい怪しい法人?設立方法やメリットを説明」をわかり易く説明致します。
Contents
LLC合同会社とは?LLC合同会社について
LLC合同会社とは、2006年(平成18年)5月1日に改正された会社法で創設された新しい会社形態です。
LLCとは、Limited Liability Companyの略です。
アメリカ合唱国(United States of America/略称USA)のLLCをモデルとして導入された経緯があり“日本版LLC”とも呼ばれています。
LLC合同会社なんて聞いたことがないと思われたかもしれませんが、最近では以下のような有名な企業も実はLLC合同会社となっています。
有名な日本のLLC合同会社
- Apple Japan 合同会社
- Google 合同会社
- アマゾンジャパン 合同会社
- コダック 合同会社
- シティグループ・ジャパン・ホールディングス 合同会社
- 合同会社 西友
- IHG・ANA・ホテルズグループジャパン 合同会社
- デロイト トーマツ 合同会社
- 日本ケロッグ 合同会社
- 合同会社 ユー・エス・ジェイ
- ユニバーサルミュージック 合同会社
- ワーナー ブラザーズ ジャパン 合同会社
- クロックス・ジャパン 合同会社
- フィリップ モリス ジャパン 合同会社
いかがでしょうか?
このように有名企業もLLC合同会社という形態ですが、LLC合同会社にはどのようなメリットがあるのでしょうか?また、デメリットはあるのでしょうか?
LLC合同会社のメリット・デメリットについて
会社と言えば「株式会社」が有名です。会社形態では、株式会社とLLC合同会社以外にも、合資会社、合名会社があります。
また、上場企業は株式会社しかありません。「東証一部上場企業に内定もらいたい」や「上場企業の株を買った」などと聞いたり言った事もあるはずです。
株式会社と同じで有限会社も少し前までは多くみられました。しかし、この2006年(平成18年)5月1日に改正された会社法で有限会社の新規設立は出来なくなりましたので、現在ある有限会社は2006年以前に設立された有限会社です。
それでは、まずはLLC合同会社と株式会社の違いを分かりやすく説明いたします。
LLC合同会社と株式会社の違い
LLC合同会社も株式会社と同じで、出資者全員が会社に対して間接有限責任を負います。
株式会社は、「出資者(株主)」と「経営者(取締役)」が同じである必要はありません。「出資者(株主)」でなくても「経営者(取締役)」になることが出来るのが株式会社です。
上場企業では、基本的に「出資者(株主)」と「経営者(取締役)」が違う為に年に一度開かれる株主総会では、「出資者(株主)」から「経営者(取締役)」に厳しい声がテレビで放送されているのを見たこともある方も多いはずです。
「経営者(取締役)」の任期は原則2年で、改選のたびに登記が必要です。決算公告(財務情報の開示)が義務付けられており、利益配分や意思決定のプロセスは出資比率によって決定されます。
株式会社と違ってLLC合同会社は、出資者と経営者が同じです。
役員の任期はありません。決算公告(財務情報の開示)は不要で、利益配分や意思決定のプロセスは定款で自由に規定することが可能です。
LLC合同会社と株式会社の違い
LLC合同会社 | 株式会社 | |
所有と経営 | 原則同一 | 原則分離 |
役員の任期 | なし | 原則2年 |
決算公告 | 不用 | 必要 |
利益配分 | 定款で自由に規定 | 出資比率に応じる |
設立費用 | 6万円~ | 20万円~ |
LLC合同会社のメリットデメリット
上述した通り株式会社とLLC合同会社は様々な違いがあります。
しかし、その違いが会社(企業)にとってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
それでは、LLC合同会社のメリット、デメリットを経営や費用、認知度などのことに関して詳しく説明いたします。
LLC合同会社のメリット
- 会社を設立する初期費用が安い
合同会社の法定設立費用は6万円です。
株式会社の法定設立費用は約20万円程度かかります。設立時費用が少ないのはLLC合同会社の大きなメリットです。
なお、合同会社、株式会社であっても専門家に設立依頼費用は別途必要です。 - 設立までの期間が短い
株式会社の設立には1カ月程かかる場合もありますが、LLC合同会社の場合には早い場合には数日で遅くても2週間程で設立が完了します。
思いたったら即行動ではないですが、やはり設立期間が短いのはLLC合同会社のメリットと言えます。 - 年単位のランニングコストが安い
株式会社は決算を報告する義務があり、決算報告を官報に掲載する場合に6万円の費用が毎年発生します。しかし、LLC合同会社にはその義務がなく毎年6万円の費用は必要ありません。
また、役員の任期にも株式会社のような原則2年という任期がありますが、LLC合同会社には定款で定めない限りありません。
つまり、役員の変更手続きも不要であり変更時の定款の再登録費用を節約することに繋がりますので、ランニングコストが安くLLC合同会社のメリットと言えます。 - 間接有限責任
合名会社・合資会社は無限責任ですが、株式会社と同じくLLC合同会社の役員は間接有限責任です。
つまり、出資者である経営者は出資額の出資範囲内までしか責任を負いません。
万が一経営が上手くいかずに倒産したとしても、経営者の個人財産を弁済に充てなければならないという義務はありません。間接有限責任はLLC合同会社の大きなメリットと言えます。 - 経営の自由度が高い
株式会社の場合には出資比率に応じた利益分配の必要があります。
しかし、LLC合同会社の場合は出資比率に関係なく利益分配が可能になります。
技術が高い優秀な社員や売り上げ向上に大きく貢献した社員に多くの利益分配することが可能です。もちろん、貢献度合に関係なく公平な分配をすることも可能で経営の自由度が高くなっています。
このように経営の自由度が高いことはLLC合同会社のメリットと言えます。 - 意思決定するスピードが迅速
株式会社は「出資者(株主)」と「経営者(取締役)」が違う為に重要な事項は株主総会にて決定しなければなりません。
しかし、LLC合同会社は「出資者(株主)」は「経営者(取締役)」である為に迅速な意思決定が可能で、社会の動きに対して俊敏な動きでスピードのあるスムーズな経営が可能です。
社会の流れも早くなっており意思決定のスピードが迅速な点はLLC合同会社のメリットです。 - 法人としての節税メリットが受けられる
これは株式会社も同じですが、個人としては受ける事が出来ない法人としての節税を受ける事が可能です。
個人事業主として同じ事業を行っていた場合と比較すると、所得が一定以上になった場合に払う必要がある税金が安くなります。
このようにLLC合同会社は法人としての節税が可能な点がメリットになります。 - 株式会社へ移行することが可能
下記に示すデメリットがある為に、企業が一定規模に達した後に株式会社の方が多くのメリットがある場合が考えられます。
その際には、手続きは必要ですが株式会社への移行する事が可能です。その為、一定の規模になるまではLLC合同会社で一定規模以上になれば株式会社にするという考えでLLC合同会社を設立する事も良いかもしれません。
規模が大きくなり株式会社の方がメリットがある場合に株式会社に移行することが可能な点はLLC合同会社のメリットと言えます。
LLC合同会社のデメリット
- 知名度・認知度・信用度が低い
上述した通り2006年(平成18年)施行の会社法から時間は経ちますが、株式会社と比較してまだまだ知名度や認知度が低いと言わざるを得ません。
もちろん、appleやGoogleなどの大手の企業がLLC合同会社にしていますので以前に比べれば知名度は向上しています。しかし、LLC合同会社を知らない人に説明するのは面倒であり、説明が上手に出来ない場合に信用度が低くなる恐れがあります。
一部の会社には様々なトラブル防止のために、株式会社としか取引しないという会社もあります。
また、新規従業員を採用する場合にも、LLC合同会社を知らないという人材は採用できない事も多いに考えられます。 - 資金調達の制限と難しさ
株式会社は株式発行により、様々な投資家から資金調達をすることが可能です。もちろん、社外の第三者からの調達も可能です。
しかし、LLC合同会社は株式という概念自体がありませんので銀行や知り合いからの借入(融資/借金)、国を含めた行政機関からの補助金や助成金などに限定されてしまい、資金調達の方法や範囲が限定されてしまいます。 - 出資者同士の社内対立が起きるリスクがある
LLC合同会社では重要事項を決定する際に、社員全員の合意が必要です。
社内全員がまとめっている時には問題がありませんが、意見の食い違いや方向性の違いなどが起きた時には経営や業務自体にも大きく影響を与える可能性があります。
以下の項目には社員全員の同意が必要です。- 代表社員の継承
- 事業継承
- 出資者の権利譲渡
経営に関する事項では、社員の過半数が必要です。また、業務執行社員を選出している場合には業務執行社員の過半数の同意が必要です。
LLC合同会社のメリットでお伝えした「利益配分を出資比率に関係なく決定できる」はメリットであると同時にトラブルの原因になることも考えられる為にデメリットとも言えます。
ただしこの社内対立については、会社内での日頃から良好な人間関係構築はもちろん、信頼関係の構築で防ぐことが出来ると言えるかもしれません。
LLC合同会社の設立方法と設立の流れについて
LLC合同会社のメリットやデメリットを理解した上で、LLC合同会社の設立をしようと考えている方やLLC合同会社を今後設立するかもしれない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そんなLLC合同会社の設立をしようと考えている方やLLC合同会社を今後設立するかもしれない方向けに、LLC合同会社の設立方法や設立の流れについてわかりやすく説明致します。
LLC合同会社の設立必要項目を作成する
LLC合同会社設立には様々な項目を決める必要があります。
LLC合同会社設立に必要な基本的な項目は次の通りです。
- LLC合同会社名(商号)
社名に使える文字には一定のルールがあります。また、名称の付け方にもルールがある関係上、事前確認をお勧め致します。
社名は覚えてもらえることができれば仕事の受注につながる可能性がある反面、覚えにくい社名の場合は受注を逃してしまうことも考えられますので確認をしてじっくりとゆっくりと考えることを強くお勧め致します。 - LLC合同会社の事業目的
適法性(法律に適合しているか)明確性(明確かどうか)営利性(利益を生み出せるか)をしっかりと確認しながら、事業目的の設定を行いましょう。 - LLC合同会社の本店所在地
本店所在地を変更するためには費用が発生しますので移動しなくても良い場所の選択がお勧めです。
代表者の自宅や社員の自宅の住所をLLC合同会社の本店所在地にする場合にはHPに掲載する等でトラブルが発生することも考えられますので注意が必要です。
その際にはバーチャルオフィスなども検討してみてはいかがでしょうか? - LLC合同会社の社員構成
代表社員、業務執行社員を決定しましょう。 - LLC合同会社の事業年度
事業年度は自由に決めることができます。
行政機関なども事業年度である4月1日~3月31日が多いとは思いますが1月1日~12月31日や設立月を事業年度にしても問題有りません。
LLC合同会社の定款を作成する
定款はLLC合同会社を運営するための基本的規則です。
LLC合同会社の基本原則になる定款には次の3つの記載事項があります。
- 絶対的記載事項
- 相対的記載事項
- 任意的記載事項
絶対的記載事項
必ず記載しなければならない項目が絶対的記載事項です。
絶対的記載事項を忘れてしまうと定款が無効となります。
- 会社の商号(名称)
- 会社の事業目的
- 本店の所在地住所
- 社員(出資者)の氏名、及び住所
- 社員全員が間接有限責任社員であること
- 社員の出資する目的とその価額
相対的記載事項
相対的記載事項とは「絶対的記載事項のように絶対記載しなくてもよいけど、社内のルールとして定めておきたい」場合に定めておく事項のことです。
相対的記載事項は記載がなくても定款が無効になることはありません。相対的記載事項の項目は次のようなものがあります。
- 業務を実際に行う業務執行社員の定め
- 代表社員の定め(社員が複数人いる場合)
- 利益の配当に関する事項(出資比率にかかわらず自由に設定可能)
- 社員の退社に関する定め(出資金額の払い戻しのルール)
- 持分の相続に関する定め(出資者が死亡した場合に払い戻しで出資金額を回収するなど)
- 解散の事由(特定条件を定め満たした際に解散すると定めることが可能)
- 会社の存続期間(期間限定で事業を行う場合)
- 残余財産の分配の割合(解散時に残った財産をどのように配分するか)
任意的記載事項
任意的記載事項は、任意で記載しても良いという事項です。
上述した相対的記載事項との違いは、任意的記載事項は定款以外の方法で定めても良いという項目ということです。
任意的記載事項として多く定められている事項は次のようなものがあります。
- 社員総会の開催条件や開催した場合に何について決める権限を持たせるのか
- LLC合同会社の事業年度
- 代表社員や業務を実際に行う業務執行社員の人数等
- 代表社員など社員の報酬事項
LLC合同会社の登記書類作成をする
LLC合同会社の登記書類は次のとおりです。
- LLC合同会社設立登記申請書
LLC合同会社の基本情報やその他書類を揃えましょう。 - 定款
上記で説明した定款です。 - 印鑑届書
LLC合同会社の印鑑です。ハンコは契約書などに必要です。
事前にLLC合同会社の実印を作成しておく必要があります。 - 代表社員就任承諾書
代表社員になる個人が、代表に就任することを承諾していることを証明する書類です。上記の定款に代表社員が実名で定められていない場合には代表社員就任承諾書が必要です。 - 本店所在地決定書
定款に本店所在地の記載がない場合には、本店所在地決定書の提出が必要です。 - 社員の印鑑証明書
社員になる全員の個人としての印鑑登録証明書を市役所や町村役場で事前に取得して提出する必要があります。 - 登記用紙と同一の用紙
登記事項全てを記入した用紙です。
定款や発起人会議議事録で決まっている事項すべてを書き写したものです。CD-ROMなどで提出することも可能です。 - 収入印紙
納付する金額は資本金の0.7%か6万円のうち、どちらか安い方の収入印紙が必要です。なお、収入印紙は法務局でも販売していますが金券ショップなどで購入すると節約になるのでお勧めです。
登記を申請する
上記の書類を一式揃えたら、登記する管轄法務局に提出します。
なお、登記する管轄の法務局以外に提出することは出来ません。
◆法務局の管轄の検索
法務局ホームページ:管轄のご案内
※各法務局・地方法務局の取扱事務やアクセス案内図・交通手段紹介ページを確認することが可能です。
その他手続きについて
登記してから2ヵ月以内に、法人設立届を管轄する都道府県税事務所、管轄する市区町村役場または管轄する税務署に提出しましょう。
また、青色申告承認申請や社会保険の手続き、労働保険関係の各種届出、印鑑証明書と登記簿謄の請求を含めた手続きを行いましょう。
その他にも銀行口座の手続き、法人としてのクレジットカード申請なども必要かどうかを検討の上で手続きを進めましょう。
LLC合同会社の向いている業種や事業について
それでは、LLC合同会社に向いている業種とはどのような業種なのでしょうか?
LLC合同会社設立前に株式会社とどちらの設立をしようかと悩まれていたり、無限責任ではあるけど、合資会社や合名会社の方が良いかと悩んでおられる方向けにわかりやすく説明致します。
小売業やサービス業(BtoC)/LLC合同会社の向いている業種や事業①
スーパーやカフェ、居酒屋など一般顧客を対象にしているBtoCビジネス事業では比較的にLLC合同会社も向いていると言えます。
他にも考えられる例は、美容室や理容室、鮮魚や野菜やフルーツ販売・豆腐屋・肉屋等の小売業、介護関連事業、学習塾などです。
ただ、これは株式会社とLLC合同会社のどちらかの選択が重要という訳ではありません。
重要なことはサービスの認知やビジネス力です。その面を理解した上で選択をしてみることをお勧めします。
上述している通りスーパーの西友やユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運得しているユー・エス・ジェーなどがわかりやすい例ではないでしょうか?
社長1人会社、家族限定出資会社、シニアや主婦・学生の起業/LLC合同会社の向いている業種や事業②
運営する上のランニングコストを節約するという上で、社長1人会社、家族限定出資会社、シニアや主婦・学生の起業はLLC合同会社がお勧めです。
上述した通りLLC合同会社は設立費用は安くてすみます。
また、LLC合同会社は株式会社と違い役員に任期はないので、役員選任の手続きも必要もありません。
その延長線で役員選任後に必要な登記も必要ないために登記費用もかからず株式会社よりも間違いなく少なくなるため運営するランニングコストの節約に繋がります。
必要のない経費を削減するのは、株式会社であってもLLC合同会社であっても同じですがその企業形態により違うランニングコストは忘れがちになります。
そういったランニングコストまでを考えた上での会社の設立を強くお勧め致します。
PICKUPキャリコン
節税を目的とした会社/LLC合同会社の向いている業種や事業③
一定の資産をお持ちで法人化した資産管理だけをする会社等、法人格による節税のみの会社の場合は合同会社がお勧めです。
上記で示した通りLLC合同会社は設立費や維持コストが低く抑えられる点で合同会社が適しています。
上場企業の中にも筆頭株主が合同会社という会社も多く見受けられます。社長の資産管理会社だと思われますが、ここからも節税を目的とした会社にはLLC合同会社が適していると言えます。
有名人や著名人が代表で運営する会社/LLC合同会社の向いている業種や事業④
有名人や著名人の名前を全面的に出して運営する会社の場合は、株式会社である必要はそれほどなくLLC合同会社がお勧めです。
上記の小売業やサービス業(BtoC)で記したとおり、有名人や著名人が代表で運営する会社は、サービスの認知やビジネス力が重要であり企業名称は重要ではありません。
ただし、将来的には第三者からの資本で運営を考えている場合は、株式会社での運営を検討してみてはいかがでしょうか?
出資比率に関係ない平等な発言権が必要な場合/LLC合同会社の向いている業種や事業⑤
例えば、営業だけが得意な人と技術開発だけが得意な人となど、得意分野が違う複数人で共同運営する会社の場合などにはLLC合同会社が向いています。
異なる能力や技術・ノウハウを持ち寄った場合など、お金はないけど技術はあるという人にも平等な発言権や決定権をもたせたい場合には、LLC合同会社の出資比率に捕らわれないという特徴を活かすことが出来ます。
技術開発も営業も大事です。いずれかの意見ではなくいずれの意見も取り入れるそんな企業形態を考えている場合はLLC合同会社がお勧めです。
LLC(合同会社)に向いていない業種や事業について
それでは、LLC合同会社に向いていない業種や事業とはどのようなモノなのでしょうか?
LLC合同会社設立前に株式会社とどちらの設立をしようかと悩まれていたり、無限責任ではあるけど、合資会社や合名会社の方が良いかと悩んでおられる方向けにわかりやすく説明致します。
PICKUPキャリコン
将来は上場しようと考えている企業/LLC合同会社の向いていない業種や事業①
LLC合同会社は上場することは出来ません。
その為、将来は上場することを考えている企業は設立当初から株式会社をお勧め致します。
ただし、上述したとおり途中で株式会社への変更も可能です。
その為、設立時にはLLC合同会社で事業運営が軌道に乗ってきた段階で株式会社への移行という選択肢も一つです。
もちろん、成功するかどうかはわかりません。
しかし、様々な条件の元で成功すると思ったからこそ会社設立を検討しているわけですので、将来のことも十分に考えた上でLLC合同会社にするのか株式会社にするのかなどの検討するようにしましょう。
企業ガバナンスが重要な大規模な事業展開を考えている企業/LLC合同会社の向いていない業種や事業②
企業ガバナンスが重要である大規模な事業展開を考えている企業は、LLC合同会社が向いていないと言えます。
経営者間の相互チェックが必要でチェック機能が有効に働く組織形態は株式会社と言えます。
ただし、繰り返しにはなりますが、上述したとおり途中で株式会社への変更も可能です。
その為、設立時にはLLC合同会社で事業運営が軌道に乗ってきた段階で株式会社への移行という選択肢も一つです。
LLC合同会社とLLP有限責任事業組合との違いについて
LLCと似たLLPという会社形態があります。
LLPは有限責任事業組合でLimited Liability Partnershipの略になります。
LLC合同会社とLLP有限責任事業組合は事業形態も似ている部分があります。
LLC合同会社もLLP有限責任事業組合も出資比率に関わらず利益配分は自由に決定することが可能です。
また、出資者は有限責任であり出資の範囲において責任を負います。
他にも、設立費用が安い、設立までの期間が短い、決算公告義務がない、組合員(LLC合同会社では出資者(株主)であり経営者(取締役)のこと)の任期がないなどがあります。
ただ、全く違う点もあり、その代表としてLLC合同会社は法人格を有しますがLLP有限責任事業組合は法人格を有しないという点です。
そのため、法人としての許認可が必要な事業などは事業体がLLP有限責任事業組合の場合は運営することが不可能です。
また、LLC合同会社は事業運営途中に株式会社への組織変更が可能であり株式会社化した後は上場という道も考えられます。しかし、LLP有限責任事業組合は株式会社への組織変更が出来ません。当然上場も不可能です。
LLC合同会社の設立や運営に関する関連書籍一覧
- LLC(合同会社)の設立・運営ができる本/五十嵐博一
- 合同会社設立・登記・運営がまるごとわかる本/「合同会社まるごとわかる本」プロジェクトチーム
- 合同会社の法務・税務と活用事例/太田達也
- 株式会社との対比でみる 合同会社の法務・登記・税務/加藤政也
- 5つの定款モデルで自由自在 「合同会社」設立・運営のすべて/神﨑満治郎
LLC合同会社の設立や運営に関するサイト一覧
- LLC(合同会社)とは?メリット・デメリットと株式会社との違いをわかりやすく解説します/ビジドラ
- LLC(合同会社)とはどういうもの?メリット・デメリットを解説/freee
- 合同会社とは?設立のメリット・デメリットや株式会社との違い、設立の手続きまで解説/マネーフォワード
- 合同会社とは? 広まった背景、メリット・デメリット、設立費用や資本金、設立の流れやサービスについて/カオナビ
- LLCとは?メリット、デメリットなど/ドリームゲート
LLC合同会社とは?/株式会社と違いやばい怪しい法人?設立方法やメリットを説明のまとめ
いかがだったでしょうか?
LLC合同会社とは?/株式会社と違いやばい怪しい法人?設立方法やメリットを説明でした。
LLC合同会社を活用した効率的な会社運営にお役立ていただければ幸いです。