“ジョン・コッター”変革の8段階プロセス/意識・組織変革を実現するリーダーとは

[記事公開日]2020/07/23
[最終更新日]2020/07/22
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コロナの影響を考えれば、今のままで良いはずがありません。つまり、どの企業や団体も変革が必要になります。

”変革”と言えば「コッターの変革プロセス」です。

会社・企業経営者や部署やチームの変革に取り組もうと考えている方はもちろん、社会人一年目の新入社員、学生の就職活動中の方にも「コッターの変革プロセス」をわかりやすく説明いたします。

 

“変革の8段階のプロセス”提唱者ジョン コッターについて

変革の8段階のプロセス提唱者ジョン コッターについて変革のプロセスの提唱者ジョン・P・コッター(John Paul Kotter)は、1947年アメリカ合衆国カリフォルニア州生まれのハーバード大学史上最年少の33歳で終身教職権を取得したリーダーシップ論の権威として国際的に知られています。

ジョン・P・コッターはハーバード・ビジネス・スクール松下幸之助記念講座名誉教授で、コッター・インターナショナル共同創設者です。

 

 

変革の8段階のプロセス

変革の8段階のプロセス企業が組織変革推進させるためには”8段階のプロセス”があります。

1980年代以降にアメリカの企業は大規模な変革に取り組んできました。

例えば、新技術の導入、戦略の大転換、技術革新の促進、Re-engineering(リエンジリアニング)、事業の再編、社風の改革、M&Aなどです。

しかし、多くの企業で大規模な変革は失敗に終わり、そういった事例を検証し研究した結果”8つのプロセス”を示しました。

また、IT環境の急速な進化で1980年代よりも増して、現代の社会環境は日々大きく変化しています。

社会環境の変化に対応するためには、大規模な変革を成功させることが重要になってくるのです。

大規模な変革時に経営者やリーダーは、立場を利用し強制的に従業員などのメンバーを動かしがちですが、8つのプロセスを順に実行していかなければなりません。

順に実行しない場合に、どこかで”つまづきの石”が現れます。”つまづきの石”の例は以下の通りです。

  • 内向きな企業文化
  • 縦割りの組織
  • 官僚主義
  • 社内派閥
  • 信頼感の欠如
  • 不活発なチームワーク
  • 傲慢な態度
  • ミドルリーダーの怠慢
  • 中間管理職のリーダーシップの欠如
  • 現状維持にあまんじてしまう不確実に対する恐れ

変革の8段階のプロセスは「①危機意識を生み出す」「②変革推進チームを築く」「③ビジョンと戦略を生み出す」「④ビジョンを周囲徹底させる」「⑤従業員の自発を促す」「⑥短期的成果を実現する」「⑦成功を活かし更なる変革推進」「⑧企業文化に定着させる」です。

 

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①企業内に危機意識を生み出す

①企業内に危機意識を生み出す「変革が必要!」まずはこの気持ちがなければ変革は成功しません。

しかし、現状が満足な組織内において変革の必要性が生まれることはなく、問題点の分析が必要です。

また、「現状への危機感」と「未来への希望」が人を動かす為にはセットで必要です。

つまり、危機感を生み出し組織に浸透させ、変革後の未来へ希望を感じさせることが、人の行動に結びつくのです。

トヨタ自動車では、”100年に一度の大変革の時代を生き抜くために”と豊田昭雄社長が事業のフルモデルチェンジに取り組んでいます。

 

現状維持バイアス

現状維持バイアス変化によって得られる有益なコトやモノより、失う可能性のある現状に対して、過剰な反応をしてしまう傾向を”現状維持バイアス”と言います。

変革する際には現状維持バイアスが働いてしまう場合が多くあります。

現状維持バイアスを防ぐためにも、危機意識を生み出すことが重要になるのです。

 

75%の必要性

75%の必要性75%の危機感をもたないままでは変革は失敗すると言われています。

変革する場合の「危機意識を生み出す」重要性はこの数字からも理解が出来るのではないでしょうか?

 

オープン・コミュニケーションへの配慮

オープン・コミュニケーションへの配慮変革推進にも様々な方向性があります。

その方向性の議論が自由に出来る環境も必要です。

これは自分の意見がいつでも自由に言えると感じる「オープン・コミュニケーション」のことを言います。

「これをいうことは場の雰囲気を壊すのでは?」「この数字はあの人の意見を否定することになる」など言いたいことが言えない雰囲気は変革を中途半端なモノにしてしまう恐れがあります。

 

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②変革推進チームを築く

②変革推進チームを築く変革は一人で達成できることはなく、変革を強く推進するチームが必要です。

また、変革推進チームのメンバーには優秀で力のある人材が必要です。

優秀で力がある人材とは、業務を着実に遂行する能力だけではありません。

スキル、人望、人脈、信頼、評判、評価、影響力などが多くある事が望ましく、同時に変革を主導する権限を与える事でチームの総力を向上させることが出来ます。

 

経営陣の変革推進チームへの参加の重要性

経営陣の変革推進チームへの参加の重要性経営陣が変革推進チームに参加しないことは、変革推進チームの意思決定の速度に悪影響を与えることが考えられます。

変革にはスピードも重要ですので経営陣の参加で変革推進チームをサポートし、チームの団結力を高めましょう。

 

 

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③変革のビジョンと戦略を生み出す

③変革のビジョンと戦略を生み出す危機意識を生み出し、チームの編成が出来た後には変革のビジョンと戦略が立案しましょう。

ビジョンは変革を導き、戦略が変革を実現します。

ビジョンとは「将来のあるべき姿を示すもので、なぜ人材がそのような将来を築くことに努力すべきなのかを明確に、あるいは暗示的に説明したもの」です。

優れたビジョンの特徴は以下の6つです。

  1. 目に見えやすい
    将来や未来が誰もがわかる形(数値等)で示されている。
  2. 実現が実現が待望される
    利用・使用者などの顧客はもちろん、従業員や株主などの関係者(ステークホルダー)が期待している長期的利益に訴えている。
  3. 実現可能である
    理想論や夢物語ではなく、現実的で戦略を練り実行する努力をすれば達成可能な目標から生み出されている。
  4. 方向を示す
    意思決定の方向をガイドし、明確な方向が示されている。
  5. 柔軟性がある
    様々な変化が起こる状況で、個々人が熟慮した結果の自主的行動やさまざまな選択を許容する柔軟性がある。
  6. 簡潔明瞭でありコミュニケートしやすい
    概ね5分以内で説明することが可能であり、相手からも理解を関心を示す反応が得られる。

 

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④ビジョンや戦略を組織全体に伝達・周知徹底

④ビジョンや戦略を組織全体に伝達・周知徹底ビジョンや戦略を考えていれば従業員が理解してくれる。このようなことは一般的ではありません。

また、ビジョンや戦略が従業員に伝わらなければ変革が成功することはありえません。

変革は、ビジョンや戦略を企業内の従業員に伝えることで成功に近づきます。

しかし、伝えるだけではありません。

従業員が変革のビジョンや戦略を認知するだけではなく、理解し共感を得る必要があります。

社内説明会で話したり、社内向け広報誌に掲載するなどで変革が成功することはありません。

あらゆる様々な手段を用いて理解し共感を得る必要があります。継続的な働きかけでコミュニケーションや対話を重ねて共通認識として変革を成功させるという想いを構築していきましょう。

周知徹底方法には以下のようなモノやコトがあります。

  • 日常的な会話(雑談を含む)
  • 社内報への掲載
  • 定例会議でビジョンについて議論
  • 管理者研修のメインテーマにする
  • SNSでの広報
  • ポスターの掲示
  • 朝礼や終礼での広報
  • 変革チームが行動モデルとなる
  • 変革チームが新しい行動様式を伝授する

 

MBWA(Management By Walking Around)/歩き回る管理

MBWA(Management By Walking Around)/歩き回る管理社長や管理職などが部屋にこもり席に座って報告を待つのではなく、現場に足を運び従業員との対話などのコミュニケーションを取ることが重要です。

「自らが現場に赴き、現場の人と触れ合い、現場の状況を自分の目で確かめる」このようなマネジメントスタイルはMBWA(Management By Walking Around)と呼ばれています。

報告を”待つ”のではなく自らが”取りに行く”マネジメントスタイルです。

MBWAで、自らの口から従業員へ”変革への強い決意”を行うことが可能となります。

 

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⑤従業員の自発を促しビジョン実現へのサポート

⑤従業員の自発を促しビジョン実現へのサポート従業員へビジョンの周知が進むに従い、自発的にポジティブな行動をしようと考える人が増えてきます。

しかし、これまでと違った行動を起こすことには下記のような障害が存在します。

  • 組織体制
  • 組織構造
  • 評価制度
  • システムの問題
  • 抵抗勢力

このような様々な障害を取り除き、ポジティブな行動を起こす環境整備が必要です。

従業員自身がリスクを取ることを恐れずに、伝統や慣習に囚われない考え方でアイデアを出し、活動しアクションを起こすことが可能となるのです。

当然、アクションの結果、失敗に終わることが多く考えられますがアクションを評価できる環境作りに重要になります。この環境作りはアクションを奨励することに繋がることも考えられます。

また、一定程度の変革が見受けられたとしても抵抗勢力は存在します。表立っては反対の意見は言わないがビジョンに沿った行動をとらない人です。

この抵抗勢力が力を持ったポジションにいる場合には変革の大きな障害となってしまいます。また、この抵抗勢力への態度は、変革への本気度として示されます。

つまり、抵抗勢力には人事権を発動する等、最大のアクションを起こします。

もちろん、「人」を評価する環境や制度・システムも抵抗勢力と言えます。このような抵抗になる障害を取り除くことがビジョン実現へのサポートに繋がるのです。

 

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⑥短期的成果を上げるための計画策定と実行・実現

⑥短期的成果を上げるための計画策定と実行・実現変革は進むが成果が目に見えない場合に、変革への強いモチベーションを維持させることは難しくなります。

これは従業員には特に起こり得る事です。

モチベーションを維持させるためにも短期的な成果の実現が重要です。

例えば、1年で120のことを変革しようとする場合は、1カ月で10の短期的な成果を設定し目に見える形で実現する必要があります。

また、短期的成果が実現した場合には貢献した従業員の表彰や昇格など目に見える形で報酬を与えます。これは経営者側の判断で行うことが可能で、社内に変革の実現に向けて成果が表れていることを示し、本気度を改めて示すことにも繋がります。

と、同時に繰り返す必要があるビジョンと戦略の周知徹底にも役立つ事が考えられます。

短期的な成果は、ビジョンと戦略を考える際にあらかじめ策定しておく「仕込み」が大切です。

数字(売上・利益等)や新商品開発など、誰が見てもわかる明白な成果を意図的に組み込んでおきましょう。

 

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⑦改善成果の定着・さらなる変革の推進と実現

⑦改善成果の定着・さらなる変革の推進と実現実行・実現で得た信頼をさらなる変革に活かします。また、ビジョンに沿わない制度や組織、政策を改めることも必要です。

更に大きなシステム制度の改革を推し進めると共に、変革ビジョンの推進をする人材の育成や採用も行い、当初の変革を定着させます。

変革が企業内に根付くには5年~10年が必要だと言われています。

⑥の短期的成果を変革達成と勘違いせずに信頼を活かして更なる変革の推進を推し進めましょう。

 

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⑧企業文化に変革アプローチを定着させて根付かせる

⑧企業文化に変革アプローチを定着させて根付かせる変革の最終プロセスは組織にこのプロセスを企業文化として定着させることです。

定着はステークホルダー全てにであり、経営者層や現場従業員等も問いません。

企業文化として定着させるためには以下の2点が良いアプローチ手段です。

 

成功と変革との因果関係を従業員に周知し理解させる

成功と変革との因果関係を従業員に周知し理解させる変革で生みだされた新しい行動様式が企業成功へ繋がった因果関係を明確にし、従業員に周知し理解させます。

「景気回復で売上が偶然向上した」「バズったからたまたま認知度が上がった」などで成果が上がったのではなく、変革の結果によって成し遂げられたことの因果関係を周知します。

様々な会議やミーティングで業績と改革の関連性を話し合うなどすれば、経営者層を含め会議出席者への周知を効率的に行うことが可能です。

変革によって成果が上がったことが理解されれば、従業員も「継続して変革を続けよう」という意識に繋がります。

このように変革と成果の繋がりを従業員に理解させることが継続した変革に繋がるのです。

 

変革推進を継続する次世代リーダーの育成を行う

変革推進を継続する次世代リーダーの育成を行う変革は次世代のリーダーに引継ぎを行う必要があります。

次のリーダーの育成と共に変革したビジョンを企業文化として定着させるための引き継ぎ方法を確立しましょう。

新しいリーダーの元でも変革を継続させることが、変革の本当の成功です。

次世代のリーダー候補に力が強いポジションに就任する前には変革の意識が根付いているのかのチェックを行うなどして、変革を企業文化として定着させて根付かせるようにしましょう。

 

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変革の8段階のプロセスを実行する際の注意点

変革のプロセスの8段階のプロセスを実行する際の注意点変革の8段階のプロセスを実行する際には注意点があります。

主な注意点としては以下の4点です。

プロセスを実行する際には十分ご注意ください。

 

8段階のプロセスは順番に行う

第1段階から第8段階は順を追って進めることが重要です。途中のプロセスを飛ばさずに第1段階から順番に実行しましょう。

順番に行っても同時進行する

プロセスを順番に進めたとしても、1段階ずつ進むことはまずありません。順番で行いますが同時進行し、後戻りもあり得ることを考えたプロセスを計画しましょう。

強いリーダーシップ

変革を実行するには強いリーダーシップが必要です。

リーダーにとって変革は「した方が良い」ではなく「しなければならない」のだと認識しましょう。

8段階のプロセスは永遠のLOOP

8段階目の説明にある通り、変革をすることが企業文化にする必要があります。つまり、8段階目はゴールではなく、次の変革のスタートになります。このプロセスは永遠にLOOPすることを認識しておきましょう。

 

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コッターの変革プロセスの関連サイト

  1. ジョン・コッターの8段階のプロセス 企業変革は正しい手順で進めよ/GLOBIS知見録
  2. ジョン・コッターの「変革の8段階プロセス」/EARTHSHIP CONSULTING
  3. 組織変革について考えるコッターの「変革の8段階」(組織開発系フレームワーク)/hirameki
  4. コッターのリーダーシップ論/INVENIO
  5. ジョン・コッターに学ぶ変革時代で生き残るためのリーダーシップ/識学総研

 

>>働き方改革推進支援センター一覧

 

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“ジョン・コッター”変革の8段階のプロセスのまとめ

ジョン・コッター変革の8段階のプロセスのまとめ現代では社会変化のスピードが早く1段階目から8段階目までを終えた時には、既に時代遅れになっているなんて事もあり得ます。

終わる事のない変革のLOOPだと知れば「辛く険しい道のり」だと感じるかもしれません。

しかし、今を変革をすることでしか前に進むことは出来ません。

ほんの少しだけでも「変革」に役立つことが出来れば幸いです。

 

 

この記事はキャリアコンサルタントドットネット運営事務局が作成

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