[最終更新日]2021/09/14
就職活動には、保護者・親である父親、母親と子どもであり学生兼就活生との親子としてコミュニケーションはとても大切です。
しかし、そのコミュニケーションに対する意識には保護者と子供としてギャップがあります。
これは保護者世代の就職活動と現代の学生の就職活動には手順、内容、スケジュールなどが大きく異なっていることが原因です。
紙ベースで求人情報を見て紙ベースで履歴書を提出していた保護者世代の方の就職活動時代と違い、インターネットで求人情報を見つけた後も応募まですべてデータで行うことが、現代の就職活動では当然です。
それでは、保護者として子どもである学生と距離を近くし、親子として就職活動生を応援する為に「保護者の就活時代」と「現代の就職活動」の違い~保護者が就活学生に安心を与える支援方法~を分かりやすく説明したいと思います。
Contents
保護者世代と現代の取り巻く就職活動学生の環境の違い
保護者世代の就職先の代表の一つ「メーカー」がありました。それは、日本の製造業が世界を席巻していたからです。
しかし、ご存知の通り日本の製造業が世界を席巻していた時代は終わり、産業構造は大きく変化しています。
その結果、現在の就職活動学生の就職先として「メーカー」への就職率の比率は下がっており、逆にサービス業が勢いを増しています。以下には、就職先業界や日本経済環境の変化を示すデータを数値で示しています。
ご覧いただくと大きく変化した点がご理解いただけると思います。
大学生の就職先業界
《1993年》
製造業26.1%/サービス業 25.4%
《2013》
製造業12.3%/サービス業 33.6%
大卒への進学率
《1981年》25.7%
《2017年》52.6%
日本の経済成長率
《1974年~1990年》
平均値 4.2%
《2004年~2016年》
平均値 0.78%
いかがでしょうか?
保護者世代と現代の就職活動学生との差をご理解いただけましたでしょうか?
では、保護者として、就職活動学生の就職活動を支援応援したいという気持ちはどうすればよいのでしょうか?
保護者からの意見は「就職活動学生である子どもを親子として、とても心配しているけれど、何をしてあげればよいのかがわからない」と多く聞かれます。
お受験や中学受験、高校受験大学受験とは違い一人一人の答えが違う就職活動において、どのように子どもを支援、応援をすればよいのか戸惑う保護者が多いのが実情です。
逆に就職活動学生である子ども側からは「人生最後の選択みたいなものだから自分で決めたい」という声が聞かれます。
小学校や中学校、高校、大学と保護者である父親・母親、家族に支援してもらってきたけど、最後に自分が社会に出る一歩は、自分で頑張りたいと思っている就職活動学生としての子どもが多いのが実情です。
「支援をしたい保護者」と「自分一人で頑張りたい就職活動学生の子ども」これが親子間の大きなギャップです。
では、保護者として就職活動学生である子どもを親子として支援や応援はしない方が良いのでしょうか?
そんな事はありません。
就職活動学生の子どもたちの本音は「支援はしてもらいたいけど、決めるのは自分」というのがアンケート結果から読み取れます。
そんな就職活動学生である子どもたちの本音を、アンケート結果から読み取り、学生たちの「こういう支援がうれしかった。」や「こういう支援はとても嫌だった」という声が寄せられています。
この違いを保護者として理解することは就活生に対する理解です。
それでは、保護者世代の就職活動事情と現代の就職活動生の子どもの就活との違いを理解しましょう。
自分の経験は忘れて、急かせない、比べない、見守りたい
就職活動以外でも保護者世代はもちろん、大人は自分の経験を基に子どもたちにアドバイスしがちになります。
しかし、保護者世代の就職活動の時代は20年~30年前です。落ち着いて考えれば当然20年~30年で社会は大きく変化しています。
企業はグローバル化を進めており、外国人と一緒に働くことも珍しい事ではありません。ユニクロでは近所の店舗で外国人を見かけるようになったことなどでもグローバル化を感じることが出来ます。グローバル化の結果として、新卒学生同士の競争は激化し、保護者世代と比べて今の就活生は大変な環境に置かれていると言えます。
そんな、就活生の子どもを親として支援する為には、就職活動生である子どもと同じ目線で会話し、アドバイスをする為に、ひと昔前にはなかった現代の就活用語を理解しておいた方がよいのは当然です。
そんな就活用語の基本的なものを紹介したいと思います。
就職活動生と話を合わせる為に知っておきべき就活用語
キャリアセンター
大卒の保護者世代にとっては「就職課」の方がなじみがあるのではないでしょうか?キャリアセンターは「就職課」が発展した形です。
公共職業安定所がハローワークと呼ばれるようになったのと同じように「就職課」は「キャリアセンター」と発展しています。
キャリアセンターの重要な任務は大学と企業との橋渡し役です。
また、単なる学生の就職支援にとどまらずに、大学内の機関であるからこそ可能なキャリア教育を進める事も重要な使命となっています。
フリーターや契約社員、派遣社員などと働き方や雇用形態も、多様化しており細やかな指導を行う学校が増えている為にキャリアセンターは重要です。
就職情報サイト
「ググる」と言えば「グーグル検索をすること」ですが、就職情報もインターネットで探すのが一般的です。
その就職情報がまとめて掲載されているサイト(ホームページ)が「就職情報サイト」です。
マイナビ、Indeedなどはテレビコマーシャル等も流れているのでご存知の保護者の人も多いのではないでしょうか?
プレエントリー
プレエントリーは資料請求のような手続きの事を言います。企業に対して、「私は興味があります」と示す事です。
プレエントリーは、就職情報サイトや企業の採用サイト・ホームページで個人情報を登録をする企業が多いのが現状です。
プレエントリーをすると、企業側から資料や説明会の案内などが送られてきます。また、企業単独で行う説明会の予約や、選考の予定日程、採用基準もプレエントリーをしなければ知る事ができない場合もあります。
その資料や説明会で興味をもたなければ当然応募しなくても問題ありません。興味を持った企業にプレエントリーをし、資料を読み、説明会に積極的に参加して理解を深める事が大切です。
業界研究
業界研究は企業研究ではありません。鉄道業界や百貨店業界、鉄鋼業界などの事をいいます。
業界研究は、企業研究の前に行います。
最初から企業名での企業研究を行ってしまうと、視野が広がりません。例えば、鉄道業界では、少子高齢社会に向けて海外事業に積極的に進出していこうとしているなどを知る事により、社会やビジネスの流れ、つながるなどを知る事ができることになります。
また、業界を調べる事で、自分の適性を考えて、企業研究へと進みます。保護者の社会人としての視点や自信の社会人経験や業界と比較するなどの意見は、アドバイスとして活用できます。
企業研究
業界研究を行った後にすべきことが企業研究です。
企業のホームページを見たり、商品、サービス、会社の歴史や特徴、中長期の経営ビジョンなどを調べたりします。
また、新聞で最新の動向なども調べましょう。OBやOG、先輩や知人なども含めて話を聞いたり、企業説明会に参加するなどしてより多くの情報を、より多くの見方をして情報を集めるのが理想です。
企業研究はしっかりと行うほど、エントリシートなどの志望動機や自己PRなども含めて作成がスムーズに取り組めます。
インターンシップ
就労体験プログラムや就職活動生の学生の職業体験の事を言います。
最近では学校もインターンシップに力を入れており、インターンシップが単位に認められる学校も増えています。
過去には長期インターンシップが主でした。しかし、現在は短期のインターンシップもあり、1Dayインターンシップというインターンシップもあります。
ただ、お分りの通り「1Dayインターンシップ」は1日のみのインターンシップで、1日で就業体験など出来る訳はなく、実際には「業界の説明」「会社の業務の説明」「ビジネスゲーム」などとなっており、インター
ンシップとは名ばかりになってしまっている所が増えています。
自己分析
自分という人間の培ってきた価値観や特性などを、過去の体験などを元に振り替える事を言います。
自己分析は就職活動の出発点と言われているほど大事です。
自己分析を行う事で、自分はどんな仕事がしたいと思っているのか、どんな会社に行きたいのか、どのような仕事に向いているのかなどを知ることができます。
学生時代は自分の良さをさほど認識できないのが現状で、その「自分の良さ」を気づく為にも非常に重要です。
また、保護者として生まれた時から接しており、接してきた時間が長いからこそ、適切なアドバイスを行うことが可能ではないでしょうか?
逆求人
ヘッドハンティングと言えば少し違いますが、企業から欲しい人材に声をかけるという点では同じです。
知名度が高くないが採用意欲が高い企業などが積極的に活用しています。
ベンチャー企業などが主となりますが、イベントやインターネットを通じて、自分のスキルをや経験をアピールしている学生に興味を持った企業側がオファーをするという形を取ります。
知名度にこだわらないで、広い選択肢の中から自分の可能性を求め、企業への就職を考える学生にとってはとても有効的です。
エントリーシート
エントリーシートは略称で「ES」と呼ばれることが多いです。
エントリーシートは書類選考を通過する為に重要で、面接時にもエントリーシートの内容から質問されることもあります。
その為、エントリーシートの提出は採用選考の為に非常に重要な位置づけです。
また、エントリーシートの提出は新卒の就職活動の大きなハードルで、「志望動機」「自己PR」「学生時代に頑張ったこと」などは企業側から重要視されています。
エントリーシートの作成には多くの学生が時間と労力をかけているのが現状です。
エントリー
プレエントリーと言葉は似ていますがプレエントリーとは違います。
エントリーは求人への応募を意味します。
プレエントリーと差別化する意味で「本エントリー」という事もありますが「応募」することだと認識しておいてください。
エントリーはとても大変な作業です。
エントリーシートや履歴書を記入し送信または送付。適性検査を受験しようやく終了といった企業が大半ですが、他にも適性検査以外に性格検査やクレペリン検査など企業によって違い多岐にわたります。
企業によって内容も違い、締め切りも違う為にこのエントリーする時期の学生は大変です。その為、エントリー時期までに準備を進めておくことも重要となります。
適性検査
性格検査や基礎的な能力を判断する為のテストです。
筆記テストやパソコン上で行うテスト(WEBテスト)などで行われます。
主にはマークシートなどの選択式で行われます。企業や職種との「相性」を知る事が目的です。
また、例として鉄道業界ではクレペリン検査は必須です。
乗務員である車掌や運転士になる前はもちろん、車掌や運転士なった後にも数年に一度受講が義務付けられており、クレペリン検査に合格できない場合は乗務から外され他の職種への転換となります。
その為、入社前に適性検査のクレペリン検査を受験し適正に満たない人は採用しないといった会社もあります。こういった法的な部分で適正検査をする会社もあります。
鉄道業界のクレペリン検査は別ですが、適性検査で偽った回答をしてしまうと、本当の適正と違う結果がでてしまい、本来の適正と異なる職種や職場に配属されてしまうなどの事態につながる事もありますので注意が必要です。
適正で向いていないという事は、自分自身に向いていない仕事と考えられますので、適性検査はありのままの自分でに受講が賢明だと考えますので保護者の方もその旨アドバイスをしてあげてはいかがでしょうか?
面談
面接の前の段階で学生と企業の相互理解のために行われるのが一般的です。
しかし、学生と企業の相互理解のために行われると言っておきながら、実質的には選考の一部となっているのが現状です。
就活生としても気を抜かずに面接に行くのと同じ気持ちで挑んだ方がよいです。
企業にマッチするのはどうかを見極める為に第一段階としていますので、その旨保護者の方はアドバイスをしてみてはいかがでしょうか?
PICKUPキャリコン
グループワーク(グルワ・GW)/グループディスカッション(グルディス・GD)
就活生である学生を数人のグループに分けて集団で討論を行わせます。
何らかのテーマを出題して討論させてグループの結論を発表させたり、商品の開発などでテーマを与えて解決策を検討させたりします。
集団での議論に慣れていない就活生が多くおり、こういった議論の場面では緊張しがちですので、グループ内で役割分担や貢献度、協調性などを企業側は見て判断します。
保護者として、学生本人の強みや学生本人の性格などのアドバイスを行ってみてはいかがでしょうか?
内々定/内定
「内定」とは法的には始期付解約権留保付労働契約と呼ばれる一種の労働契約の事を言います。
もう少し簡単にいうと、「私が現在在学している学校を卒業したら御社で働きます」という契約と「卒業するまでに犯罪行為などをしたら取り消しますが、そういった事がない限りあなたが現在在学している学校を卒業したらわが社で雇用します」という契約です。
内定には学生は企業から「内定通知書」という書面を受け取り、企業は学生から「入社承諾書」を提出し、労働契約が違反のない限り履行されます。
なお、内定取消は一般的に解雇と同程度のものであると解されています。
「内々定」とは、内定式以前に「内定を出す」という企業からの口約束のようなものです。内々定には書面はありません。メールや口頭で伝えられることがほとんどです。
つまり、内々定には内定の前段階のことで厳密な定義はありません。しかし、だからといって、企業側も内々定取り消しなどは簡単に取り消すことも正当な理由がない限りありません。
それは、企業イメージをそこなうことが考えられるからです。
法的に「内定辞退」「内々定辞退」も問題もないとは言えますが社会人としてのマナーを考えて対応することが大切です。
保護者の方も、社会人としてのマナーを学生である就活生にアドバイスしてあげてください。
お祈りメール/サイレント
不採用通知のことを言ったり、不採用であると思われる状態を言います。
現代の不採用通知はメールが主です。
メールの最後に「今後の活躍をお祈りいたします」と書かれている場合が多くあり「お祈りメール」と呼ばれています。「お祈りメール」から発展さらに発展をし、不採用自体を「お祈りされた( T・T)」「祈られた~(涙)」などと呼ばれるようになっています。
また、サイレントも同様の意味で不採用の事を指します。
企業側は多くの学生の応募がある為に、不採用者にまで手がまわらずに不採用である旨の通知を出さない企業もあり、そういった企業は「サイレント」と呼ばれています。携帯電話のサイレントは音もならずバイブで揺れもしない事をいいますが、サイレントは携帯電話の機能が由来です。
ただ、企業側の忙しい気持ちもわかりますが、これから日本を背負って行く学生の未来の為にも不採用通知くらいは送ってあげてほしいと思う大人は少なくありません。
学生自身もはっきりとした通知が来ない為に、気持ちを切り替えるのが難しいようですが、あまりに長く連絡をまっているようでしたら、保護者としてアドバイスなどを送ってあげてみてはいかがでしょうか?
就活生が望む支援や応援アドバイスと嫌だったことは?
保護者世代の就職活動と現代の就職活動との差を認識いただけたと思いますが、では就職活動生である学生は保護者に何を望んでいるのでしょうか?
また、どういった事が保護者からされて嫌だと感じるのでしょうか?
具体的に説明していきたいと思います。
就活生が喜んだ嬉しかった就活支援や就活の応援・アドバイス
金銭的・物質的な支援をしてくれた
就職活動と言っても経済活動を抜きにすることはできません。
履歴書を購入しなければなりませんし、面接場所に行くための交通費も必要です。
まして、東京本社での面接などとなると東京以外に住んでいる学生は交通費だけではありません。夜行バスで行って帰る事もできますが、一生に一回のチャンスですので、疲れがでてはいけないので前泊する為には宿泊費も必要となります。
などと、どう考えても通常の生活費以外では賄う事はできないと思います。そんな時に、目に見える形の金銭でのサポートはありがたいと思う学生が多いです。
ただ、一度に多くの金額を渡すのではなくこまかく渡すことにより、就職活動の状況を保護者の方も把握することが出来ます。2週間に一度などと必要な経費を精算するなどと、期限を決めて援助する形なども良いのではないでしょうか?
また、一人暮らしの学生には食品の仕送りなどの物質的な支援も良いです。
就職活動にてアルバイトも思うようにできず食事も抜くといった学生も多く、金銭的な支援はもちろんですが、食料などの物質的な支援も有効です。
自分の活動を肯定して褒めてくれた
就活生の保護者の方は干渉したい気持ちはわかりますが、干渉しすぎるのも良くない事もご理解いただけると思います。
就職活動はこれから社会に出ていく準備として、世間の厳しさを体験するにはとても良い機会です。
だからこそ、ある程度の距離を保ちながら見守る事を心がけた方がよいでしょう。
ただ、上記で説明したように「お祈りメール」や「サイレント」による不採用通知が届くと気分が落ち込むことは当然です。そういった時にその活動を褒めて肯定してあげる言葉をかけてあげてはいかがでしょうか?
就活をすることで内定がもらえない状態が続くと、自己肯定感が低下します。
自己肯定感が低下した状態ではエントリシートに良い「自己PR」が書ける訳がありません。「自己PR」が書けないので面接にも進めないと、良くないスパイラルにはまってしまう前に、保護者の方の適切なアドバイスで自己肯定感を向上させるようにしてはいかがでしょうか?
励ましてくれた・心の支えになってくれた
上記の「自分の活動を肯定して褒めてくれた」の中でも書いたように、保護者からの励ましは就活生として心の支えに繋がります。
緊張の毎日が続き、気持ちが張り詰めている時こそ励まし、いたわり、気分転換など就活生の心の支えになってあげましょう。
面接を変わったあげる事はできません。
だからこそ、気持ちのサポートをしてあげてはいかがでしょうか?
食事面、生活面の援助
本当に就活生は忙しいです。お昼ご飯をゆっくりと食べる時間などない場合も多くあります。
そんな忙しくてお昼ご飯を食べられない時だからこそ、おにぎりを作ってくれたりすることはとても有効です。また、野菜ジュースなどで栄養面を考えて食事の用意も良いでしょう。
生活面では「クリーニングやアイロン掛け」「クルマの送迎」などや、出かける際に「頑張らないで良い。普段の自分を最大限出しておいで」などという一言も有難かったという意見も見受けられます。
保護者としてではなく社会人としての意見をくれた
社会人の先輩として「社会の仕組み」「業界の実情」などを伝えられたことは、普段社会人として意識していない親からの適切なアドバイスとして捉えられているようです。
また、社会人としての意見と同時に、保護者として親としての意見も重要です。
就活生の性格などを、ずっと見てきた保護者だからこそ理解している部分も多くあり、有難かったという意見も多くあります。
就職全般的な情報や応募企業の情報を教えてくれた
地元へのUターン就職の場合には、就職情報を手に入れるだけでも大変な作業です。
そんな時に、地元の就職情報を教えてくれて非常に有難かったという声がありました。
また、就職応募時期の変更なども「新聞の写真を撮ってラインで送ってくれた」という親・保護者であれば当然と感じられるような作業も有難かったとの声も聞かれました。
大人にとっては、当たり前の情報も就活生にとってはとてもありがたく知らない情報の場合も多くありますので、情報提供は惜しみなくしてあげてはいかがでしょうか?
また、社会人としての目線も併せて伝えてあげても良いかもしれません。
保護者にされて就活生が嫌だったこと
嬉しいことがあれば嫌なことがあるのは当然です。
まして、それが保護者の偏った意見や行動なら当然なのかもしれません。
保護者は就活生のことを思っての声掛けや行動なのは重々理解できますが、その声掛けや行動が就活生のストレスになってしまっては不本意ではないでしょうか?
そんな就活生が感じた保護者からされて嫌だったことをわかりやすく説明したいと思います。
PICKUPキャリコン
企業選びに口出しされた
就活生は一生懸命に悩み、考えて応募します。
書類選考、面接など多くの苦しみ、プレッシャーを感じ就職活動をしています。
そんな中で、その行為の元である企業選びを保護者から、口出しされるのは不要なストレスを抱える原因だという意見が多く聞かれます。
ニュースやネットでの評判などのみで「ダメな企業」と言ったり、「大企業にしなさい」という根拠がない、訳のわからないプレッシャーを与えられたりしたという意見は非常に多く聞かれます。
保護者の価値観と就活生の価値観は違います。
「出世が人生の成功だ」と言われていた時代もありましたが、現代の新入社員のアンケートによりますと「出世したくない」の割合が一番多いというアンケート結果もあります。
スマホで常に誰かと繋がっている時代です。
時代は変化しており、その時代の変化は保護者のあなたよりも就活生である子どもの方が早くキャッチしているのは間違いありません。
保護者として就活生である子どもを心配している気持ちはわかりますが、その会社で働くのは保護者であるあなたの価値観とは違う人間の子どもです。
彼ら彼女らの多様な価値観、多様な働き方が受け入れられる世の中になっていることを認識し、子どもを子どもだと思わずに一人の意見を持った社会人として大人として接してコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか?
内々定や内定をもらい進路を決めた後に意見を言われた
保護者の方に意見を言われて困る時期は、勤務地や配属先が決定される入社直前です。
おわかりの通り、卒業もしてその会社で働こうと気持ちを準備している時期に保護者に言われても就活生であった子どもはどうする事も出来ません。
どうする事も出来ずに不安だけが増していくことに、強い不満を感じているようです。
勤務地が離れて一人暮らしをすることになった場合に「一人暮らしは大変で、お金も貯まらないし、家から通えるところの方が良いんじゃない?」など言われてもどうする事も出来ません。
もし、どうしてもこれだけは譲れない「勤務地」「配属先」がある場合は就職活動が「はじまる前の段階」で伝えて、就活生と意見のすり合わせが重要です。
他の人と比べられた・兄弟姉妹やいとこと比べられた
現代の就活生は価値観が多様化しているので、他の人間と比べられることに強い違和感を感じてしまいます。
お分りだと思いますが、人それぞれ適職や天職は違います。
一方的な価値観で何万社もある企業の中から他人と比べられてしまっては良い気持ちはしないのは当然で反発もしたくなるものです。
保護者として、他の人と比べたりせずに就活生本人の適正を見極めたアドバイスを心がけましょう。
人生設計(ライフキャリプラン)について意見された
終身雇用、年功序列、企業内労働組合は日本だけの文化です。
しかし、その文化は崩れつつあります。労働組合の組織率は右肩下がりでです。
また、終身雇用、年功序列についても崩壊しており、転職者は毎年増加し、成果別報酬は多くの大企業でも導入されています。
そんな変化の中で保護者世代の方は、「就職した会社でずっと働き続けるのが当然だ」という認識のもとに就活生にアドバイスをしている保護者も多くいるとの事です。
現代の就活生の考え方としてキャリアを積んだ後に転職は当然です。就職後に一旦退職し大学や専門学校へ学びなおしたり、男性の育児休暇、専業主夫なんて選択肢もあり選択肢は増える一方です。
また、ひょっとすると常識にとらわれずに新しい選択肢を自分で見つけるかもしれません。
そんな自分のライフキャリプランの選択を応援してあげることが重要です。
もし、社会人として世間をなめているようなことを感じられたら保護者としての意見ではなく、社会人としての意見を大人である就活生に「こういう選択肢もあるんじゃないかな?」とそれとなく伝えるのはいかがでしょうか?
落ち込んでいる時に無駄に声をかけられた/声をかけられなかった
就活生が喜んだ嬉しかった就活支援や就活の応援・アドバイスでありましたが、声をかけてほしい時にかけられないのも嫌という意見です。
根拠のない「大丈夫だよ」「絶対次には受かるよ」などの励ましや楽観論に対しては反発したくなる就活生が多く見受けられます。
逆に落ち込んでいる時に声をかけてもらえなかったという意見もあります。
また、不採用通知を保護者に伝えると就活生である自分以上に落ち込んでしまい、それを見てさらに落ち込んだ親をみてさらにショックだったという意見もあります。
声掛けは人に性格にもよりますので、親・保護者として就活生である子どもの性格を判断して、適度な距離感を保って励ましたりし、時には声をかけずに見守るだけということも心がけてみてはいかがでしょうか?
金銭的、物質的な援助・支援がなかった(少なかった)
就活生が喜んだ嬉しかった就活支援や就活の応援・アドバイスでもあった金銭的、物質的な援助ないのも不満という結果です。
「東京までの交通費がなく諦めた」という金銭的な問題で就活に断念したという意見もあります。
困ったらならば伝えてくれたらよいのにと保護者は思われますが、保護者に負担をかけたくないという気持ちがあるのが就活生です。
困る事が、予想されるのが就職活動です。
困る事が起こる前に事前に金銭的物質的な支援援助を心がけてあげてください。
まとめ
いかがでしょうか?
「保護者の就活時代」と「現代の就職活動」の違い~保護者が就活学生に安心を与える支援方法~でした。
保護者が就活をするわけでもなく、保護者がその会社で働く訳ではありません。
しかし、自分が働くつもりでアドバイスをしてしまうのが実情です。
保護者として心配する気持ちはわかりますが就活生である子どもさんは学校を卒業したら社会人です。
社会人として一人前になる為にも「ハリネズミのジレンマ」のように適度な距離で見守ってあげてはいかがでしょうか?