改正育児・介護休業法について/男性育休取得率向上に向けた施策・育児休業給付 | キャリアコンサルタントドットネット

改正育児・介護休業法について/男性育休取得率向上に向けた施策・育児休業給付

[記事公開日]2021/07/09
[最終更新日]2021/09/10
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令和3年法律第58号、令和3年6月9日公布の「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律」で、柔軟な育児休業の枠組みの創設など改正されました。

改正された育児休業・介護休業を対象となる企業規模や施行日を含めてわかりやすく説明いたします。

 

育児休業・介護休業法/雇用保険法の改正されるポイント

育児休業・介護休業法/雇用保険法の改正されるポイント育児休業・介護休業法は、「出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするため、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け、育児休業給付に関する所要の規定の整備等の措置を講ずる。」為に改正されます。

また、上記の改正に伴い雇用保険法の一部も改正されます。

改正されるポイントは次の通りです。

  1. 出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設/全企業対象
    施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日
  2. 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置が事業主の義務/全企業対象
    施行日:令和4年4月1日
  3. 育児休業の分割取得が可能/全企業対象
    施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日
  4. 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和/全企業対象
    施行日:令和4年4月1日
  5. 育児休業取得状況の一部公表義務可
    施行日:令和5年4月1日
  6. 育児休業給付に関する所要の規定の整備
    施行日:公布日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日

それでは、具体的に改正されるポイントを説明いたします。

なお、上記に記載の施行日は一部省略して記載しています。詳しくは下記の項目をご確認ください。

 

出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設

出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みは、主に男性の育児休業取得促進のために創設されました。これは全企業が対象となります。

施行日は、公布後1年6か月以内の政令で定める日です。

現行の育児休業制度

  • 対象期間/取得可能日数
    原則子が1歳(最長2歳)まで
  • 申出期限
    原則1か月前まで
  • 分割取得
    原則分割不可
    なお、現行制度ではパパ休暇(子の出生後8週間以内に父親が育休取得した場合には再度取得可)があります。
  • 休業中の就業
    原則就業不可

改正後の育児休業制度

上記内容にプラスされ新制度では以下の通りとなります。なお、現行制度とは別に取得が可能です。

  • 対象期間/取得可能日数
    子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能
  • 申出期限
    原則休業の2週間前まで
    なお、職場環境の整備などについて、今回の改正で義務付けられる内容を上回る取り組みの実施を労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることができます。
  • 分割取得
    分割して2回取得可能
  • 休業中の就業
    労働者の意に反したものとならないように労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主の合意した範囲内で、事前に調整した上で休業中に就業することを可能となる
    なお、労働者が合意した範囲の具体的な手続きは次の通りです。

    • 労働者が就業してもよい場合は事業主にその条件を申出
    • 事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示
    • 労働者が同意した範囲で就業
      就業可能日等の上限(休業期間中の労働日・所定労働時間の半分)を厚生労働省令で定める予定

今回の改正で創設される新制度も育児休業給付の対象です。

具体的には、育児休業給付(給付率:180日間までは67%)の対象となるよう、雇用保険法上の手当ても行われます。

休業期間中の就業日数等は、現行の育児休業給付と同等の水準に設定(4週間の休業を取得した場合10日・80時間の範囲内)する予定です。なお、この設定は省令事項です。

男性育児休暇取得率の政府目標

令和2年(2020年):13%

令和7年(2025年):30%

令和元年度所得率:7.48%

 

雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置が事業主の義務

雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置が事業主の義務育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置が義務付けられます。これは全企業が対象となります。

施行日は、令和4年4月1日です。

現行の育児休業制度

  • 研修等の取得しやすい環境整備に関する規定はありません
  • 個別周知の努力義務のみ

なお、育児等のための休暇・休業の取得に際し、男性では6割以上が企業からの働きかけがなかったと回答がありました。

改正後の育児休暇制度

  • 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
    • 新制度及び現行育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の措置を事業主に義務付けられます。
    • 具体的な内容は、研修、相談窓口設置等の複数の選択肢からいずれかを選択可能です。
    • 環境整備に当たっては、短期はもとより1か月以上の長期の休業の取得を希望する労働者が希望する期間を取得できるよう事業主が配慮することを指針において示す予定です。
  • 妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
    • 労働者又は配偶者が妊娠又は出産した旨等の申出をしたときに、当該労働者に対し新制
      度及び現行の育児休業制度等を周知するとともに、これらの制度の取得意向を確認するための措置を義務づけられます。
    • 周知の方法は、面談での制度説明、書面等による制度の情報提供等の複数の選択肢から
      いずれかを選択とする予定です。なお、省令事項です 。
    •  取得意向の確認については、育児休業の取得を控えさせるような形での周知及び意向確認を認めないことを指針において示す予定です。

子の出生前後の男性の休暇の取得状況

子の出生前後の男性の休暇の取得状況

※育児休業取得促進への取組・上司の理解の有無別

末子の妊娠中から出生後2か月以内の休暇について、制度・取組・上司のうち2つ以上が揃っている職場では、取得した者の割合が高くなっています。

  • 制度あり:勤務先に「(配偶者出産休暇制度が)あった」と回答
  • 取組あり:「男性の育児休業の取得に関する説明会や広報」「上司からの育児休業取得への声かけ」等のうち1つ以上「取組があった」と回答
  • 上司あり:直属の上司について、「残業をできるだけ減らすよう、業務改善・効率化等を行う人を評価している」「男性の子育て参加に対して理解がある」等のうち1つ以上「あてはまる」「まああてはまる」と回答

出典:内閣府委託事業「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究

 

育児休業の分割取得が可能

育児休業の分割取得が可能育児休業を分割して取得できるようになります。これは全企業が対象となります。

施行日は公布後1年6か月以内の政令で定める日です。

現行の育児休業制度

  • 原則分割することはできない
    パパ休暇(子の出生後8週間以内に父親が育休取得した場合には再度取得可)あり
  • 1歳以降に延長した場合の育休開始日が、各期間(1歳~1歳半、1歳半~2歳)の初日に限定されているため、各期間開始時点でしか夫婦交代できない

改正後の育児休暇制度

  • 育児休業(新制度除く)を 分割して2回まで取得可能
  • 保育所に入所できない等の理由により1歳以降に延長する場合について、開始日を柔軟化することで、各期間途中でも夫婦交代を可能(途中から取得可能)となります。

なお、育児休業給付について、分割取得等に対応するよう、雇用保険法上の手当ても行われます。

 

有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件が緩和されます。これは全企業が対象となります。

施行日は令和4年4月1日です。

現行の有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件

  1. 引き続き雇用された期間が1年以上
  2. 1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない

改正後の育児休暇制度

現行の「1引き続き雇用された期間が1年以上」の要件について、無期雇用労働者と同様の取扱い(労使協定の締結により除外可)となります。

現行の1の要件は撤廃となり、2のみになります。

「引き続き雇用された期間が1年未満の労働者」は労使協定の締結により除外可能です。

 

育児休業取得状況の一部公表義務可

育児休業取得状況の一部公表義務可常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業等の取得の状況を公表することが義務付けられます。

施行日は令和5年4月1日です。

現行の育児休業取得状況公表義務

プラチナくるみん企業のみ公表

プラチナくるみん企業について

「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。

次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。
この認定を受けた企業の証が、「くるみんマーク」です。

さらに、平成27年4月1日より、くるみん認定を既に受け、相当程度両立支援の制度の導入や利用が進み、高い水準の取組を行っている企業を評価しつつ、継続的な取組を促進するため、新たにプラチナくるみん認定がはじまりました。
プラチナくるみん認定を受けた企業は、「プラチナくるみんマーク」を広告等に表示し、高い水準の取組を行っている企業であることをアピールできます。

参照:くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて/厚生労働省ホームページ

改正後の育児休業取得状況公表義務

従業員1000人超の企業を対象に、育児休業の取得の状況について公表を義務付けられます。

なお、具体的な内容は省令により定められますが、男性の「育児休業等の取得率」又は「育児休業等及び育児目的休暇の取得率」を予定しています。

 

育児休業給付に関する所要の規定の整備

改正育児・介護休業法について/男性育休取得率向上に向けた施策・育児休業給付のまとめ

上記の改正を踏まえ、育児休業給付についても所要の規定を整備します。

また、出産日のタイミングによって受給要件を満たさなくなるケースを解消するため、被保険者期間の計算の起算点に関する特例を設けました。

施行日は公布日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日です。

 

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改正育児・介護休業法について/男性育休取得率向上に向けた施策・育児休業給付のまとめ

改正育児・介護休業法について/男性育休取得率向上に向けた施策・育児休業給付のまとめいかがだったでしょうか?

育児休業・介護休業の改正を理解し男性育休取得率向上にお役立ていただければ幸いです。

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