国家資格キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目について | キャリアコンサルタントドットネット

国家資格キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目について

[記事公開日]2021/09/01
[最終更新日]2021/09/15
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国家資格キャリアコンサルタント試験を管轄している厚生労働省は、平成30年(2018年)3月26日に「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」が発表しました。

これにあわせ、「キャリアコンサルタント試験の出題範囲」を改定されました。

新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」の適用は2020(令和2)年度からの試験となります。

 

学科試験

1:キャリアコンサルティングの社会的意義

1 社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性が増していることに関し、次に掲げる事項について詳細な知識を有すること。

①技術革新の急速な進展等様々な社会・経済的な変化に伴い、個人が主体的に自らの希望や適性・能力に応じて、生涯を通じたキャリア形成を行うことの重要性と、そのための支援の必要性が増してきたこと。

②個々人のキャリアの多様化や社会的ニーズ、また労働政策上の要請等を背景に、キャリアコンサルタントの活動が期待される領域が多様化していること。

 

2 キャリアコンサルティングの役割の理解 

キャリアコンサルティングの役割と意義に関し、次に掲げる事項について詳細な知識を有すること。

①キャリアコンサルティングは、職業を中心にしながらも個人の生き甲斐、働き甲斐まで含めたキャリア形成を支援するものであること。

②個人が自らキャリアマネジメントをすることにより自立・自律できるように支援するものであること。

③キャリアコンサルティングは、個人と組織との共生の関係をつくる上で重要なものであること。

④キャリアコンサルティングは、個人に対する相談支援だけでなく、キャリア形成やキャリアコンサルティングに関する教育・普及活動、組織(企業)・環境への働きかけ等も含むものであること。

 

2:キャリアコンサルティングを行うために必要な知識

1 キャリアに関する理論

キャリア発達理論、職業指導理論、職業選択理論等のキャリア開発に関する代表的理論の概要(基礎知識)について詳細な知識を有すること。

  • パーソナリティ・特性因子論アプローチ
  • 発達論・トランジションに関するアプローチ
  • 社会的学習理論アプローチ
  • 意思決定論アプローチ
  • 精神分析的理論
  • 動機づけ(職務満足・職業適応)理論 等

 

2 カウンセリングに関する理論

1)キャリアコンサルティングの全体の過程において、カウンセリングの理論及びスキルが果たす役割について詳細な知識を有すること。

2)カウセリングの理論、特徴に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること。

①代表的なカウンセリング理論の概要(基礎知識)、特徴

  • 来談者中心アプローチ
  • 精神分析的カウンセリング
  • 論理療法
  • 行動療法
  • ゲシュタルト療法
  • 交流分析
  • 包括的・折衷的アプローチ
  • 家族療法・実存療法
  • アサーション 等

②グループを活用したキャリアコンサルティングの意義、有効性、進め方の留意点等

  • グループワーク
  • グループガイダンス
  • グループカウンセリング
  • グループエンカウウンター
  • サポートグループ 等

 

3 職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

職業能力開発(リカレント教育を含む)に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること。

①個人の生涯に亘る主体的な学び直しに係るリカレント教育を含めた職業能力開発に関する知識(職業能力の要素、学習方法やその成果の評価方法、教育訓練体系等)及び職業能力開発に関する情報の種類、内容、情報媒体、情報提供機関、入手方法等

②教育訓練プログラム、能力評価シート等による能力評価、これらを用いた総合的な支援の仕組みであるジョブ・カード制度の目的、内容、対象等

 

4 企業におけるキャリア形成支援の知識

企業におけるキャリア形成支援に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること。

①企業における雇用管理の仕組み、代表的な人事労務施策・制度の動向及び課題、セルフ・キャリアドックをはじめとした企業内のキャリア形成に係る支援制度・能力評価基準等、ワークライフバランスの理念、労働者の属性(高齢者、女性、若者等)や雇用形態に応じたキャリアに関わる共通的課題とそれを踏まえた自己理解や仕事の理解を深めるための視点や手法

②主な業種における勤務形態、賃金、労働時間等の具体的な労働条件

③企業内のキャリア形成に係る支援制度の整備とその円滑な実施のための人事部門等との協業や組織内の報告の必要性及びその具体的な方法

 

5 労働市場の知識

社会情勢や産業構造の変化とその影響、また雇用・失業情勢を示す有効求人倍率や完全失業率等の最近の労働市場や雇用の動向について一般的な知識を有すること。

 

6 労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

次に掲げる労働者の雇用や福祉を取り巻く各種の法律・制度に関し、キャリア形成と
の関連において、その目的、概念、内容、動向、課題、関係機関等について一般的な知
識を有すること。

①労働関係法規及びこれらに基づく労働政策

ア:労働基準関係

労働基準法、労働契約法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法

イ:女性関係

男女雇用機会均等法、女性活躍推進法、パートタイム労働法(パートタイム・有期雇用労働法)

ウ:育児・介護休業関係

育児・介護休業法

エ:職業安定関係

労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)、職業安定法、若者雇用促進法、労働者派遣法、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法

オ:職業能力開発関係

職業能力開発促進法

カ:その他の労働関係法令

 

② 年金、社会保険等に関する社会保障制度等

  • 厚生年金
  • 国民年金
  • 労災保険
  • 雇用保険
  • 健康保険
  • 介護保険 等

 

7 学校教育制度及びキャリア教育の知識

学校教育制度や、初等中等教育から高等教育に至る学校種ごとの教育目標等、青少年期の発達課題等に応じたキャリア教育のあり方等について一般的な知識を有すること。

 

8 メンタルヘルスの知識

1)メンタルヘルスに関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること。

①メンタルヘルスに関する法令や指針、職場におけるメンタルヘルスの保持・増進を図る対策の意義や方法、職場環境改善に向けた働きかけ方等、さらに、ストレスに関する代表的理論や職場のストレス要因、対処方法

②代表的な精神的疾病(就労支援においてよく見られる精神的疾病)の概要、特徴的な症状を理解した上で、疾病の可能性のある相談者に対応する際の適切な見立てと、特別な配慮の必要性

2)専門機関へのリファーやメンタルヘルス不調者の回復後の職場復帰支援等に当たっての専門家・機関の関与の重要性、これら機関との協働による支援の必要性及びその具体的な方法について詳細な知識を有すること。

 

9 中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識

中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること。

①職業キャリアの準備期、参入期、発展期、円熟期、引退期等の各ライフステージ、出産・育児、介護等のライフイベントにおいて解決すべき課題や主要な過渡期に乗り越えなければならない発達課題

②上記①を踏まえた中高年齢期をも展望した中長期的なキャリア・プランの設計、キャリア・プランに即した学び直しへの動機付けや機会の提供による支援の必要性及びその具体的な方法

 

10 人生の転機の知識

初めて職業を選択する時や、転職・退職時等の人生の転機が訪れた時の受け止め方や対応の仕方について一般的な知識を有すること。

 

11 個人の多様な特性の知識

相談者の個人的特性等によって、課題の見立てのポイントや留意すべき点があることについて一般的な知識を有すること。

  • 障害者については障害の内容や程度
  • ニート等の若者については生活環境や生育歴
  • 病気等の治療中の者については治療の見通しや職場環境 等

 

3:キャリアコンサルティングを行うために必要な技能

1 基本的な技能

(1) カウンセリングの技能

次に掲げる事項を適切に実施するために、カウンセリングの技能について一般的な知識を有すること。

①カウンセリングの進め方を体系的に理解した上で、キャリアコンサルタントとして、相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ、様々なカウンセリングの理論とスキルを用いて相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するよう相談を進めること。

②傾聴と対話を通して、相談者が抱える課題について相談者と合意、共有すること。

③相談者との関係構築を踏まえ、情報提供、教示、フィードバック等の積極的関わり技法の意義、有効性、導入時期、進め方の留意点等について理解し、適切にこれらを展開すること。

 

(2)グループアプローチの技能

次に掲げる事項を適切に実施するために、グループアプローチの技能について一般的な知識を有すること。

①グループを活用したキャリアコンサルティングの意義、有効性、進め方の留意点等について理解し、それらを踏まえてグループアプローチを行うこと。

②若者の職業意識の啓発や社会的・基礎的能力の習得支援、自己理解・仕事理解等を効果的に進めるためのグループアプローチを行うこと。

 

(3)キャリアシート(法第15条の4第1項に規定する職務経歴等記録書を含む。)の作成指導及び活用の技能

次に掲げる事項を適切に実施するために、キャリアシートの作成指導及び活用の技能について一般的な知識を有すること。

①キャリアシートの意義、記入方法、記入に当たっての留意事項等の十分な理解に基づき、相談者に対し説明するとともに適切な作成指導を行うこと。

②職業能力開発機会に恵まれなかった求職者の自信の醸成等が図られるよう、ジョブ・カード等の作成支援や必要な情報提供を行うこと。

 

(4)相談過程全体の進行の管理に関する技能

次に掲げる事項を適切に実施するために、相談過程全体の進行の管理に関する技能ついて一般的な知識を有すること。

①相談者が抱える問題の把握を適切に行い、相談過程のどの段階にいるかを常に把握し、各段階に応じた支援方法を選択し、適切に相談を進行・管理すること。

 

2 相談過程において必要な技能

(1)相談場面の設定

次に掲げる事項を適切に実施するために、相談場面の設定について一般的な知識を有すること。

①物理的環境の整備

相談を行うにふさわしい物理的な環境、相談者が安心して積極的に相談ができるような環境を設定すること 。

②心理的な親和関係(ラポール)の形成

相談を行うに当たり、受容的な態度(挨拶、笑顔、アイコンタクト等)で接することにより、心理的な親和関係を相談者との間で確立すること。

③キャリア形成及びキャリアコンサルティングに係る理解の促進

主体的なキャリア形成の必要性や、キャリアコンサルティングでの支援の範囲、最終的な意思決定は相談者自身が行うことであること等、キャリアコンサルティングの目的や前提を明確にすることの重要性について、相談者の理解を促すこと。

④相談の目標、範囲等の明確化

相談者の相談内容、抱える問題、置かれた状況を傾聴や積極的関わり技法等により把握・整理し、当該相談の到達目標、相談を行う範囲、相談の緊要度等について、相談者との間に具体的な合意を得ること。

 

(2)自己理解の支援

次に掲げる事項を適切に実施するために、自己理解の支援について一般的な知識を有すること。

①自己理解への支援

キャリアコンサルティングにおける自己理解の重要性及び自己理解を深めるための視点や手法等についての体系的で十分な理解に基づき、職業興味や価値観等の明確化、キャリアシート等を活用した職業経験の棚卸し、職業能力の確認、個人を取り巻く環境の分析等により、相談者自身が自己理解を深めることを支援すること。

②アセスメント・スキル

面接、観察、職業適性検査を含む心理検査等のアセスメントの種類、目的、特徴、主な対象、実施方法、評価方法、実施上の留意点等についての理解に基づき、年齢、相談内容、ニーズ等、相談者に応じて適切な時期に適切な職業適性検査等の心理検査を選択・実施し、その結果の解釈を適正に行うとともに、心理検査の限界も含めて相談者自身が理解するよう支援すること。

 

(3)仕事の理解の支援

次に掲げる事項を適切に実施するために、仕事理解の支援について一般的な知識を有すること。

①キャリア形成における「仕事」は、職業だけでなく、ボランティア活動等の職業以外の活動を含むものであることの十分な理解に基づき、相談者がキャリア形成における仕事の理解を深めるための支援をすること。

②インターネット上の情報媒体を含め、職業や労働市場に関する情報の収集、検索、活用方法等について相談者に対して助言すること。

③職務分析、職務、業務のフローや関係性、業務改善の手法、職務再設計、(企業方針、戦略から求められる)仕事上の期待や要請、責任についての理解に基づき、相談者が自身の現在及び近い将来の職務や役割の理解を深めるための支援をすること。

 

(4)自己啓発の支援

次に掲げる事項を適切に実施するために、自己啓発の支援について一般的な知識を有すること。

①インターンシップ、職場見学、トライアル雇用等により職業を体験してみることの意義や目的について相談者自らが理解できるように支援し、その実行について助言すること。

②相談者が啓発的経験を自身の働く意味・意義の理解や職業選択の材料とすることができるように助言すること。

 

(5)意思決定の支援

次に掲げる事項を適切に実施するために、意思決定の支援について一般的な知識を有すること。

①キャリア・プランの作成支援

自己理解、仕事理解及び啓発的経験をもとに、職業だけでなくどのような人生を送るのかという観点や、自身と家族の基本的生活設計の観点等のライフプランを踏まえ、相談者の中高年齢期をも展望した中長期的なキャリア・プランの作成を支援すること。

②具体的な目標設定への支援

相談者のキャリア・プランをもとにした中長期的な目標や展望の設定と、それを踏まえた短期的な目標の設定を支援すること。

③能力開発に関する支援

相談者の設定目標を達成するために必要な自己学習や職業訓練等の能力開発に関する情報を提供するとともに、相談者自身が目標設定に即した能力開発に対する動機付けを高め、主体的に実行するためのプランの作成及びその継続的見直しについて支援すること。

 

(6) 方策の実行の支援

次に掲げる事項を適切に実施するために、方策の実行の支援について一般的な知識を有すること。

①相談者に対する動機づけ

相談者が実行する方策(進路・職業の選択、就職、転職、職業訓練の受講等)について、その目標、意義の理解を促し、相談者が自らの意思で取り組んでいけるように働きかけること。

②方策の実行のマネジメント

相談者が実行する方策の進捗状況を把握し、相談者に対して現在の状況を理解させるとともに、今後の進め方や見直し等について、適切な助言をすること。

 

(7) 新たな仕事への適応の支援

次に掲げる事項を適切に実施するために、新たな仕事への適応の支援について一般的な知識を有すること。

①方策の実行後におけるフォローアップも、相談者の成長を支援するために重要であることを十分に理解し、相談者の状況に応じた適切なフォローアップを行うこと。

 

(8)相談過程の総括

次に掲げる事項を適切に実施するために、相談過程の総括の支援について一般的な知識を有すること。

①適正な時期における相談の終了

キャリアコンサルティングの成果や目標達成具合を勘案し、適正だと判断できる時点において、相談を終了することを相談者に伝えて納得を得た上で相談を終了すること。

②相談過程の評価

相談者自身が目標の達成度や能力の発揮度について自己評価できるように支援すること、またキャリアコンサルタント自身が相談支援の過程と結果について自己評価すること。

 

4:キャリアコンサルタントの倫理と行動

1 キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動

次に掲げる事項を適切に実施するために、キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動について一般的な知識を有すること。

①個人や組織のみならず社会一般に対して、様々な活動を通じてキャリア形成やキャリアコンサルティングの重要性、必要性等について教育・普及すること。

②それぞれのニーズを踏まえ、主体的なキャリア形成やキャリア形成支援に関する教育研修プログラムの企画、運営をすること。

 

2 環境への働きかけの認識及び実践

次に掲げる事項を適切に実施するために、環境への働きかけの認識及び実践について一般的な知識を有すること。

①個人の主体的なキャリア形成は、個人と環境(地域、学校・職場等の組織、家族等、個人を取り巻く環境)との相互作用によって培われるものであることを認識し、相談者個人に対する支援だけでは解決できない環境(例えば、学校や職場の環境)の問題点の発見や指摘、改善提案等の環境への介入、環境への働きかけを、関係者と協力(職場にあってはセルフ・キャリアドックにおける人事部門との協業、経営層への提言や上司への支援を含む)して行うこと。

 

3 ネットワークの認識及び実践

(1) ネットワークの重要性の認識及び形成

次に掲げる事項を適切に実施するために、ネットワークの重要性の認識及び形成について一般的な知識を有すること。

①個人のキャリア形成支援を効果的に実施するためには、行政、企業の人事部門等、その他の専門機関や専門家との様々なネットワークが重要であることを認識していること。

②ネットワークの重要性を認識した上で、関係機関や関係者と日頃から情報交換を行い、協力関係を築いていくこと。

③個人のキャリア形成支援を効果的に実施するため、心理臨床や福祉領域をはじめとした専門機関や専門家、企業の人事部門等と協働して支援すること。

 

(2)専門機関への紹介及び専門家への照会

次に掲げる事項を適切に実施するために、専門機関への紹介及び専門家への照会について一般的な知識を有すること。

①個人や組織等の様々な支援ニーズ(メンタルヘルス不調、発達障害、治療中の(疾患を抱えた)者等)に応える中で、適切な見立てを行い、キャリアコンサルタントの任務の範囲、自身の能力の範囲を超えることについては、必要かつ適切なサービスを提供する専門機関や専門家を選択し、相談者の納得を得た上で紹介あっせんすること。

②個人のキャリア形成支援を効果的に実施するために必要な追加情報を入手したり、異なる分野の専門家に意見を求めること。

 

4 自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識

(1) 自己研鑽

次に掲げる事項を適切に認識する、または実施するために、自己研鑽について詳細な知識を有すること。

①キャリアコンサルタント自身が自己理解を深めることと能力の限界を認識することの重要性を認識するとともに、常に学ぶ姿勢を維持して、様々な自己啓発の機会等を捉えた継続学習により、新たな情報を吸収するとともに、自身の力量を向上させていくこと。

②特に、キャリアコンサルティングの対象となるのは常に人間であることから、人間理解の重要性を認識すること。

 

(2) スーパービジョン

次に掲げる事項を適切に認識する、または実施するために、スーパービジョンの意義、目的、方法等について詳細な知識を有すること。

①スーパーバイザーから定期的に実践的助言・指導(スーパービジョン)を受けることの必要性。

②スーパービジョンを受けるために必要な逐語録等の相談記録を整理すること。

 

5 キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢

(1)活動範囲・限界の理解

次に掲げる事項を適切に認識する、または実施するために、活動範囲・限界の理解について詳細な知識を有すること。

①キャリアコンサルタントとしての活動の範囲には限界があることと、その限界には任務上の範囲の限界のほかに、キャリアコンサルタント自身の力量の限界、実践フィールドによる限界があること。

②活動の範囲内において、誠実かつ適切な配慮を持って職務を遂行しなければならないこと。

③活動範囲を超えてキャリアコンサルティングが行われた場合には、効果がないだけでなく個人にとって有害となる場合があること。

 

(2)守秘義務の遵守

守秘義務の遵守を実践するために、相談者のプライバシーや相談内容は相談者の許可なしに決して口外してはならず、守秘義務の遵守はキャリアコンサルタントと相談者の信頼関係の構築及び個人情報保護法令に鑑みて最重要のものであることについて詳細な知識を有すること。

 

(3)倫理規定の厳守

倫理規定の厳守を実践するために、キャリア形成支援の専門家としての高い倫理観を有し、キャリアコンサルタントが守るべき倫理規定(基本理念、任務範囲、守秘義務の遵守等)について詳細な知識を有すること。

 

(4)キャリアコンサルタントとしての姿勢

次に掲げる事項を適切に認識する、または実施するために、キャリアコンサルタントとしての姿勢について詳細な知識を有すること。

①キャリアコンサルティングは個人の人生に関わる重要な役割、責任を担うものであることを自覚し、キャリア形成支援者としての自身のあるべき姿を明確にすること。

②キャリア形成支援者として、自己理解を深め、自らのキャリア形成に必要な能力開発を行うことの必要性について、主体的に理解すること。

 

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実技試験

1:キャリアコンサルティングを行うために必要な技能

1 基本的技能

相談者に対する支援を適切に行うために、以下の1)から4)までの基本的技能を有していること。

1) カウンセリングの技能

①カウンセリングの進め方を体系的に理解した上で、キャリアコンサルタントとして、相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ、様々なカウンセリングの理論とスキルを用いて相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するよう相談を進めることができること。

②傾聴と対話を通して、相談者が抱える課題について相談者と合意、共有することができること。

③相談者との関係構築を踏まえ、情報提供、教示、フィードバック等の積極的関わり技法の意義、有効性、導入時期、進め方の留意点等について理解し、適切にこれらを展開することができること。

 

2) グループアプローチの技能

① ループを活用したキャリアコンサルティングの意義、有効性、進め方の留意点等について理解し、それらを踏まえてグループアプローチを行うことができること。

②若者の職業意識の啓発や社会的・基礎的能力の習得支援、自己理解・仕事理解等を効果的に進めるためのグループアプローチを行うことができること。

3) キャリアシートの作成指導及び活用の技能

①キャリアシートの意義、記入方法、記入に当たっての留意事項等の十分な理解に基づき、相談者に対し説明できるとともに適切な作成指導ができること。

②職業能力開発機会に恵まれなかった求職者の自信の醸成等が図られるよう、ジョブ・カード等の作成支援や必要な情報提供ができること。

 

4) 相談過程全体の進行の管理に関する技能

相談者が抱える問題の把握を適切に行い、相談過程のどの段階にいるかを常に把握し、各段階に応じた支援方法を選択し、適切に相談を進行・管理することができること。

 

2 相談過程において必要な技能

キャリアコンサルティングを進めるに当たって、次の1)から8)までの技能を用いて、相談者との関係構築、相談者の抱えている問題を把握・整理し、当該相談の到達目標、相談を行う範囲、相談の緊要度等について、相談者との間に具体的な合意を得ることができることの応答と相談過程を意識できること。

1)相談場面の設定

①相談を行うにふさわしい物理的な環境、相談者が安心して積極的に相談ができるような環境を設定することができること 。

②相談を行うに当たり、受容的な態度(挨拶、笑顔、アイコンタクト等)で接することにより、心理的な親和関係を相談者との間で確立することができること。

③主体的なキャリア形成の必要性や、キャリアコンサルティングでの支援の範囲、最終的な意思決定は相談者自身が行うことであること等、キャリアコンサルティングの目的や前提を明確にすることの重要性について、相談者の理解を促すことができること。

④相談者の相談内容、抱える問題、置かれた状況を傾聴や積極的関わり技法等により把握・整理し、当該相談の到達目標、相談を行う範囲、相談の緊要度等について、相談者との間に具体的な合意を得ることができること。

 

2)自己理解への支援

①キャリアコンサルティングにおける自己理解の重要性及び自己理解を深めるための視点や手法等についての体系的で十分な理解に基づき、職業興味や価値観等の明確化、キャリアシート等を活用した職業経験の棚卸し、職業能力の確認、個人を取り巻く環境の分析等により、相談者自身が自己理解を深めることを支援することが
できること。

②面接、観察、職業適性検査を含む心理検査等のアセスメントの種類、目的、特徴、主な対象、実施方法、評価方法、実施上の留意点等についての理解に基づき、年齢、相談内容、ニーズ等、相談者に応じて適切な時期に適切な職業適性検査等の心理検査を選択・実施し、その結果の解釈を適正に行うとともに、心理検査の限界も含めて相談者自身が理解するよう支援することができること。

 

3) 仕事理解への支援

①キャリア形成における「仕事」は、職業だけでなく、ボランティア活動等の職業以外活動を含むものであることの十分な理解に基づき、相談者がキャリア形成における仕事の理解を深めるための支援をすることができること。

②インターネット上の情報媒体を含め、職業や労働市場に関する情報の収集、検索、活用方法等について相談者に対して助言することができること。

③職務分析、職務、業務のフローや関係性、業務改善の手法、職務再設計、(企業方針、戦略から求められる)仕事上の期待や要請、責任についての理解に基づき、相談者が自身の現在及び近い将来の職務や役割の理解を深めるための支援をすることができること。

4) 自己啓発の支援

①インターンシップ、職場見学、トライアル雇用等により職業を体験してみることの意義や目的について相談者自らが理解できるように支援し、その実行について助言することができること。

②相談者が啓発的経験を自身の働く意味・意義の理解や職業選択の材料とすることができるように助言することができること。

 

5) 意思決定の支援

①自己理解、仕事理解及び啓発的経験をもとに、職業だけでなくどのような人生を送るのかという観点や、自身と家族の基本的生活設計の観点等のライフプランを踏まえ、相談者の中高年齢期をも展望した中長期的なキャリア・プランの作成を支援することができること。

②相談者のキャリア・プランをもとにした中長期的な目標や展望の設定と、それを踏まえた短期的な目標の設定を支援することができること。

③相談者の設定目標を達成するために必要な自己学習や職業訓練等の能力開発に関する情報を提供するとともに、相談者自身が目標設定に即した能力開発に対する動機付けを高め、主体的に実行するためのプランの作成及びその継続的見直しについて支援することができること。

 

6) 方策の実行の支援

①相談者が実行する方策(進路・職業の選択、就職、転職、職業訓練の受講等)について、その目標、意義の理解を促し、相談者が自らの意思で取り組んでいけるように働きかけることができること。

②相談者が実行する方策の進捗状況を把握し、相談者に対して現在の状況を理解させるとともに、今後の進め方や見直し等について、適切な助言をすることができること。

 

7)新たな仕事への適応の支援

①方策の実行後におけるフォローアップも、相談者の成長を支援するために重要であることを十分に理解し、相談者の状況に応じた適切なフォローアップを行うことができること。

 

8) 相談過程の総括

①キャリアコンサルティングの成果や目標達成具合を勘案し、適正だと判断できる時点において、相談を終了することを相談者に伝えて納得を得た上で相談を終了することができること。

②相談者自身が目標の達成度や能力の発揮度について自己評価できるように支援すること、またキャリアコンサルタント自身が相談支援の過程と結果について自己評価することができること。

 

※注意事項

学科試験における必要なレベル(「詳細な」「一般的な」「概略の」)の定義について

  • 詳細:確実に、かつ、深く知っていなければならない知識の程度
  • 一般的:知っていないと実務に支障が生じる知識の程度
  • 概略:浅く広く常識として知っておかなければならない知識の程度

 

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