[最終更新日]2022/06/13
社会人になってから上司や先輩から「ブロックチェーンも知らないのか?!」なんて言われた事がある人も多いはずです。
またこれから、ブロックチェーンを活用したビジネス展開やビットコインなど仮想通貨の活用を検討している方も多いはずです。
そんな「社会人になってから知っておいた方が良かった」と思われる「ブロックチェーンとは?/ビットコイン(仮想通貨)だけではない初心者向けに仕組みや取引を知り活用」を初心者向けにわかりやすく説明いたします。
Contents
ブロックチェーンの開発者
ブロックチェーンは、サトシ・ナカモト氏が暗号通貨であるビットコインに関する論文発表の際に、その基盤技術として発明されました。
一般的にはここから、サトシ・ナカモト氏についての説明を続ける所ですが、サトシ・ナカモト氏は日本人なのか本名なのか、更には実在する人物なのかさえも含めて全てが不明なのです。
このように開発者が不明なこともあり、ブロックチェーンは怪しいシステムでありマネーロンダリングなど不正に使われる為にあるものなんだと勘違いされている人も多いのが実情です。
しかし、開発者こそ正体が不明ですが、「ブロックチェーンはインターネット以来の発明」と呼ばれるほどの発明であり、今後は様々な分野での利用される技術なのです。
ブロックチェーンの基礎的な知識
ブロックチェーンは、「ブロック(塊)」を「チェーン(鎖)」で繋げて保管しています。
「ブロック(塊)」はデータの単位であり「チェーン(鎖)」とはチェーンのようにという意味ですので、目には見えません。
これを難しい単語や言葉で説明すると、ブロックチェーンは、ネットワーク内で発生した取引の記録を分散型のネットワークを構成する世界中の複数のコンピューターに「ブロック」と呼ばれる記録の塊に格納します。
各「ブロック」には、一つ前の「ブロック」のハッシュ値などの情報を格納します。
この「ブロック」が生成され、時系列に沿って繋がっている構造ですので、ブロックチェーンと呼ばれています。
ブロックチェーンは別名として「分散型取引台帳」とも言われており、その取引が発生し生まれた時から現在までの取引を記録している台帳なのです。
この台帳は誰もが使うことが可能です。インターネットに繋がっている必要がありますが基本的には誰でも使用が可能なのです。
ブロックチェーンの活用されている方法
どのような技術でも活用方法がなければ意味がありません。
それではブロックチェーンはどのような活用方法があるのでしょうか?
ビットコインなどの仮想通貨での活用方法は誰もが知っているとは思いますが他の活用方法は以下のとおりです。
- 証明
○年○月○日に△があった。など様々な証明を永遠に残すことが可能です。 - 契約
署名された契約を鍵によって永遠に残すことが可能です。 - 決済
お金の取引がユーザー同士の間で直接可能です。
金の移動の記録を台帳に残すことが可能です。 - ビジネスの契約
契約・決済システムへの適用が可能です。 - シェアリングエコノミー事業
上記のビジネス契約と履行を繰り返すことで適用可能です。
ブロックチェーンの特徴
山田さんが木村さんに1,000円の商品を買いました。
この売買して金銭を渡した情報は、基本的に山口さんと木村さんしか知り得ない情報です。
しかし、ブロックチェーンではこの金銭を渡した情報を誰もが知ることが出来ます。誰もが知ることが出来る点でその売買情報を保証することが出来るのです。
ピア・トゥー・ピア(P2P:Peer to Peer)方式
その情報は分散しており、利用者同士で管理しています。
つまり、管理者がいません。このユーザー同士で管理している形式を「ピア・トゥー・ピア(P2P:Peer to Peer)方式」と言います。
ブロックチェーンはユーザーによって支えられています。ユーザーのパソコンのパワーを少しずつだけわけあうことで作られているのです。
パソコンのパワーを多く分けている人には収入が入るので、多くの収入が欲しい人が多くのパワーを分けるのです。このように全ての取引した情報を持ち合いブロックチェーンは支えられているのです。
また、みんなで持ち合うことにより、どこかのパソコンが壊れたとしてもブロックチェーンは壊れません。つまり、ダウンタイムがないゼロダウンタイムを実現出来ているのです。
コンセンサスアリゴリズム
ブロックチェーンは管理者を持たずに、ユーザーのパソコンが相互確認を行って同一の台帳情報ネットワークを保存しています。
この情報が正しいとネットワークで承認された取引だけがブロックに書き込まれて保存されます。
この承認された合意を行う方法「コンセンサスアルゴリズム」と言います。
この「コンセンサスアルゴリズム」の方法は「Proof of Work(PoW)」や「Endorse+Ordering Service」など複数の方法があります。
このような方法によりブロックチェーンは、理論上改ざんが極めて難しいデータの生成が可能となりました。
偽造防止・暗号化技術
ブロックチェーンは、公開鍵暗号技術を活用しています。ハッシュと電子署名です。
ハッシュとは、ハッシュ関数を用いてデータを不規則な文字列に変換したモノのことを言います。
例えば、「あいうえお」と「アいうえお」のハッシュ値は「あ」と「ア」が違うだけですが、全く違う文字列になります。このハッシュ値は一方向にのみしか変換できません。
つまり、生成された文字列から元のデータに戻すということは出来ないということになり改ざんが不可能なのです。
電子署名とは、暗号鍵と公開鍵のふたつの鍵を使う暗号技術です。
この暗号技術とハッシュを組み合わせ、データの改ざんや成りすまし、盗み見を防ぐことに繋がるのです。
ブロックチェーンの活用で発展する業界
ビットコインなどの仮想通貨でブロックチェーンが活用されていることをご存知の方は多いはずです。
また、仮想通貨の業界が発展していることもご理解いただけているとは思います。
この他にも、ブロックチェーンのインパクトが考えられる業界や業種は以下のとおりです。
小売業などのサプライチェーン
最近のスーパーの野菜には販売者の氏名と顔が袋に書かれているモノも多くなっています。
ブロックチェーンを活用すれば、野菜の種の状態からスーパーに並ぶまでの全てを追跡することが可能になります。一部の悪徳業者による生産地偽装などは不可能になります。
つまり、製品の原材料や、製造過程、流通方法、販売までをブロックチェーンで確認することが可能になることで透明性と信頼度の向上に役立ち効率的なサプライチェーンの実現に繋がるのです。
プロセスや取引に関連する市場
「誰が」「いつ」「どのように」「何を」「どれ位」販売したのかなどの全ての契約情報をブロックチェーンで管理することが出来ます。
これで経理業務や発送業務等のバックオフィス業務の多くは置き換わることになるのです。
PICKUPキャリコン
PICKUPキャリコン
シェアリングエコノミー事業
上述した通り、現在でもシェアリングエコノミー事業ではブロックチェーンは活用されています。
現在はまだAirbnbなどの仲介業者が入る形で多くが利用されています。
しかし、今後は利用権の移転情報や、評価情報を記録することで直接取引にも広がっていくことに繋がるのです。
仮想通貨など権利証明事業
ビットコインなど仮想通貨は既に流通しています。
仮想通貨はブロックチェーンの技術を活用してインターネットの中で存在している通貨です。
今までの通貨は国家(中央銀行)という管理者がいましたが、ブロックチェーンには管理する機関はありません。また、改ざんが出来ないので管理する必要がありません。
国家間の様々な問題に影響を受けない通貨となり、はじめて国家の中央銀行の影響がない通貨となるのです。
他にも、電子カルテや不動産の権利情報、出生、婚姻、引っ越しによる転出転入などの個人情報をブロックチェーンを活用することで行政機関などの業務負担軽減が可能となることが考えれます。
ブロックチェーンの問題点と留意点
100%問題のないコトはありえません。
まして、それが新しいシステムなど今までになかったコトなら尚更です。
ということで、ここではブロックチェーンの問題点についてわかりやすく説明いたします。
法的な問題点
ブロックチェーンは全く新しい考え方でありシステムです。新しいシステムが故に、多くの法的な問題点が解決できていないと考える事ができます。
例えば、ブロックチェーンを用いて何らかの違法行為が行われた場合に、管理者がいない為に訴える相手が存在しないといえます。また、管理者がいないために反社会的勢力などが、悪意を持って使用した場合であっても、インターネットの禁止でしかシステムを止めることが出来ませんが、現代の日本国内においてインターネットの禁止が出来るとは考えられません。
既に、ビットコインなどに代表される仮想通貨業界では、様々な問題点が指摘されているのが現状です。
PICKUPキャリコン
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データの削除ができない
ブロックチェーンのメリットとして一旦記録されたデータは削除は出来ません。
しかし、データが削除出来ないことはデメリットにもなりえます。
例えば、ネット広告でも問題になっている個人情報が、一度でも記録されたら削除することが出来ないという事です。
氏名、性別、生年月日、家族構成、住所、電話番号、年齢、クレジットカード番号、口座番号などの一般的な個人情報に加えて、性的趣向など家族も含めて絶対に他人には知られてなくない情報が流出した場合であっても削除することが出来ないのです。
どこかの企業から仕入れた個人情報をブロックチェーンで広めて二度と削除出来ないようにする等、脅迫や恐喝行為に用いられる可能性も捨てきれません。
量子コンピュータの実用化後の対策
ブロックチェーンの暗号化技術は現在の技術では時間とコスト等が莫大にかかるために、割に合わないといった点で不可能であると考えられています。
ただ、量子コンピュータの開発が実用化されるとその前提が崩れてしまいます。なぜなら、量子コンピュータとは今までのコンピューターの処理能力とは比較にならないほどの高い処理能力を持っているからです。
まだ、実用化されていない為、問題は起こっていませんが、間違いなく実用化に向けて量子コンピュータの開発は進んでおり、いずれ暗号技術が解読されるのも時間の問題なのです。
一方で、量子コンピューターでも解読できない耐性をもった暗号化技術の開発が実用化されつつあるのも実情です。
ブロックチェーンの関連サイト一覧
- ブロックチェーン(blockchain)の基礎知識/coindeskjapan
- 今さら聞けない「ブロックチェーン」とは何か?/MUFJ
- ブロックチェーンの仕組み/NTTDATE
- ブロックチェーン/Wikipedia
- ブロックチェーンとは?仕組みやメリット、企業の活用事例など基礎知識を解説/ferret
- ブロックチェーンの仕組み 〜初心者のためのわかりやすい解説〜/Blockchain Biz
ブロックチェーンとは?/ビットコイン(仮想通貨)だけではない初心者向けに仕組みや取引を知り活用のまとめ
いかがだったでしょうか?
開発者が身元不明だからこそ怪しいと思われる方も多いはずです。
しかし、日本ではファイル共有ソフト「Winny」の開発によって逮捕されたが無罪になった事件などもあったのが事実です。
新しいシステムには既得権益を犯す恐れが多々ある為に複雑な問題が絡み合います。
また、法的整備が整う前に広がってしまった為に起こる問題があるのも事実です。
そんなブロックチェーンですが、今後も更なる広がりを見せ、多くのビジネスに利用活用されていくことでしょう。
その利用活用して新しいビジネス展開にお役立て頂ければと思います。