[最終更新日]2023/07/06
誰もそうですが「将来を決める時」に悩んだことも多くあったと思います。
また、同時にこれからも将来を決める時に悩むこともあると思います。
そんな悩んだ時に力になるのが国家資格キャリアコンサルタント(略称:キャリコン)です。
国家資格キャリアコンサルタントはあなたの悩みや夢を聞き、様々な選択肢を示してくれたりする人です。
また、同時に適職診断や性格検査などにより、性格や考え方などを考慮したうえであなたにぴったりの仕事のアドバイスをくれたりします。
もちろん、その適職を目指し始めたときの就職や転職の書類作成や面接対策なども教えてくれます。
このページでは、国家資格キャリアコンサルタントとはどのような人なのかなどを詳しく説明します。
あなたの将来や未来のためにはもちろん、国家資格キャリアコンサルタントを目指す人も是非ともお読みください。
Contents
国家資格キャリアコンサルタントとは?(概要・定義・歴史)/第1章
国家資格キャリアコンサルタントとは、職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門家のことです。
国家資格キャリアコンサルタントは、2016年4月に職業能力開発促進法に規定された名称独占資格で、登録制(5年ごとの更新)です。
国家資格キャリアコンサルタントの歴史は、日本の社会や雇用の変化に影響されています。
国家資格キャリアコンサルタントがする仕事であるキャリアカウンセリングは、もともとアメリカで生まれたものです。
20世紀初頭にアメリカの若者たちが仕事の向き不向きにかかわらずに働かされた結果、退職するということが続発しました。
それを防ぐために、適正な仕事を見つけるための職業指導運動が始まりました。
日本では2002年に厚生労働省が少子化により働き手が減ることを懸念し、民間資格としてキャリアコンサルタントが誕生しました。
その後、2008年に技能検定制度の一種としてキャリアコンサルティング技能士が新設されました。
そして2016年には、職業能力開発促進法の改正により、キャリアコンサルタントが国家資格化されました。
現在、国家資格キャリアコンサルタントは、就職希望者や労働者を対象に職業の選択や、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談を行っています。
この相談業務・行為のことをキャリアコンサルティングといいます。
国家資格キャリアコンサルタントは、人生100年時代を迎えた今、働く人々の充実した職業生活の実現と雇用機会の拡充に寄与する重要な役割を担っています。
国家資格キャリアコンサルタントができること(役割・メリット・事例)/第2章
国家資格キャリアコンサルタントができることは、職業選択や職業生活設計、職業能力の開発や向上などに関する相談に応じて、適切な助言や指導を行うことです。
これをキャリアコンサルティングといいます。
キャリアコンサルティングは、個人の自律的なキャリア開発を支援するだけでなく、組織の人材戦略や活性化にも貢献することができます。
国家資格キャリアコンサルタントができることの具体的な役割は、以下のように分類できます。
社員の環境理解の支援
社員が自分が置かれている組織や職務について理解し、適応していくために必要な情報や視点を提供する。
社員の自己理解の支援
社員が自分の関心や価値観、適性や能力について理解し、自分に合った仕事を見つけるために必要なツールや方法を提供する。
社員のキャリアプランニングの支援
社員が自分の将来のキャリア目標や方向性について考えるために必要な情報や選択肢を提供し、実現可能な行動計画を立てるためにサポートする。
上司や職場への介入と支援
社員との面談から明らかになった課題やニーズに対して、上司や職場へ働きかけたり、協力したりすることで、社員のキャリア開発を促進する。
経営者への情報提供と組織活性化の支援
社員との面談から得た情報を個人を特定できない形で経営者へ報告したり、組織全体のキャリア開発支援制度や研修プログラムの整備や改善を提案したりすることで、組織の人材戦略や活性化に貢献する。
産業医や人事との連携
社員の心身の健康管理や休職者の復職支援などに関して、産業医や人事と連携し、社員のキャリア形成をサポートする。
キャリアコンサルティングのメリットは、以下のように分類できます。
個人レベル
社員は自分自身を深く理解し、自分に合った仕事を主体的に選択できるようになります。
また、自分のキャリア目標や方向性に沿って行動計画を立てて実行することで、仕事へのモチベーションや満足度が高まります。
さらに、国家資格キャリアコンサルタントとの信頼関係や相談機会があることで、仕事に対する不安やストレスを軽減できます。
組織レベル
組織は社員のキャリア開発を支援することで、社員の能力やパフォーマンスを向上させるとともに、社員の離職を防ぎ、定着率を高めることができます。
また、国家資格キャリアコンサルタントから得た情報を人事制度や育成制度の改善や立案に活用することで、組織の人材戦略や活性化に貢献できます。
キャリアコンサルティングができることの事例は、以下のようなものがあります。
仕事にやりがいを感じなくなった社員に対して
自分の価値観や関心に気づかせ、自分に合った仕事を見つけるための選択肢や行動計画を一緒に考える。
転職を考えている社員に対して
自分の適性や能力について理解させ、現在の組織で実現できる可能性や周囲への働きかけ方を一緒に考える。
休職から復職した社員に対して
復職後の職場環境や仕事内容について理解させ、自分のキャリア目標や方向性に沿って仕事を再開するためのサポートをする。
新入社員や若手社員に対して
自分が置かれている組織や職務について理解させ、適応していくための情報や視点を提供する。
上司や経営者に対して
社員との面談から得た情報を報告し、社員のキャリア開発支援制度や研修プログラムの整備や改善を提案する。
以上が第2章:国家資格キャリアコンサルタントができること(役割・メリット・事例)でした。
次章では国家資格キャリアコンサルタントになるには?(資格・スキル・経験)をわかり易く説明いたします。
PICKUPキャリコン
国家資格キャリアコンサルタントになるには?(資格・スキル・経験)/第3章
国家資格キャリアコンサルタントになるには、国家資格であるキャリアコンサルタント試験に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録する必要があります。
試験に合格するためには、以下のいずれかの受験資格を満たす必要があります。
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
- 労働者の職業選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
- 上記の項目と同等以上の能力を有する者
未経験者の場合は、最初の項目である講習の課程を修了することが一般的です。
講習の課程は、150時間のカリキュラムで構成されており、複数のスクールが行っています。
学習期間は3~6ヵ月程度が標準です。
講習を修了すると、受験資格が得られます。
試験は年3回(3月、7月、11月)実施されており、試験科目は以下の5つです1。
- 職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目
- キャリアコンサルティングの理論に関する科目
- キャリアコンサルティングの実務に関する科目
- キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目
- キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目
試験は厚生労働大臣が登録した登録試験機関が行っており、現在は2機関あります。
- 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
- 特定非営利活動法人日本キャリア開発協会
試験に合格したら、次にキャリアコンサルタント名簿に登録します。
登録をして初めて「国家資格キャリアコンサルタント」と名乗ることができます。
登録事務は、厚生労働大臣が指定登録機関として指定した「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」が行っています。
以上が国家資格キャリアコンサルタントになるために必要な資格です。
次に必要なスキルや経験について見ていきましょう。
キャリアコンサルタントに必要なスキルは、以下のように分類できます。
コミュニケーションスキル
相談者の話を聞き、理解し、共感し、適切なフィードバックや質問をする能力。
分析スキル
相談者の状況やニーズを把握し、問題を明確化し、解決策を考える能力。
情報収集スキル
相談者に必要な情報を効率的に調べ、整理し、提供する能力。
指導スキル
相談者に自己理解やキャリアプランニングの方法を教え、行動計画の立案や実行のサポートをする能力。
管理スキル
相談者との面談の進め方や時間配分を管理し、相談記録や報告書などの書類作成をする能力。
これらのスキルは、資格取得の学習や試験で一定程度身につけることができますが、実際に相談業務を行うことでさらに磨くことができます。
そのため、経験も重要な要素です。
経験を積むことで、以下のようなメリットがあります。
- 相談者の多様性やニーズに対応できるようになる。
- 自分の得意分野や専門性を見つけることができる。
- 信頼関係やネットワークを築くことができる。
- 継続的な学習や自己成長の機会が増える。
以上が第3章:国家資格キャリアコンサルタントになるには?(資格・スキル・経験)です。
次章では国家資格キャリアコンサルタントの活動場所と対象者(企業・学校・公的機関など)をわかり易く説明いたします。
国家資格キャリアコンサルタントの活動場所と対象者(企業・学校・公的機関など)/第4章
国家資格キャリアコンサルタントは、職業選択や職業生活設計、職業能力の開発や向上などに関する相談に応じる専門家です。
国家資格キャリアコンサルタントは、どのような場所でどのような対象者に対して活動しているのでしょうか?
国家資格キャリアコンサルタントの活動場所は、大きく分けて以下の3つに分類できます。
企業
企業内キャリアコンサルタントとして、社員のキャリア支援をおこなう。
学校
学校内キャリアコンサルタントとして、学生や教職員のキャリア教育や進路指導をおこなう。
公的機関
ハローワークや公共職業訓練校などの公的機関で、求職者や訓練受講者の就職支援をおこなう。
次に、それぞれの活動場所におけるキャリアコンサルタントの対象者と役割について見ていきましょう。
企業内キャリアコンサルタント
企業内キャリアコンサルタントは、社内に配置されたキャリアコンサルタントで、社員の自律的なキャリア開発支援をおこないます。
対象者は、新入社員からベテラン社員まで幅広く、部署や役職に関係なく相談を受け付けます。
企業内キャリアコンサルタントの役割は、以下のようにまとめられます。
- 社員との個別面談を通じて、社員の環境理解・自己理解・キャリアプランニングを支援する。
- 上司や職場への介入や支援をおこない、社員と組織とのマッチングや職場環境の改善を促進する。
- 経営者への情報提供や組織活性化の支援をおこない、人事制度や育成制度の改善や立案に貢献する。
- 産業医や人事と連携し、社員の心身の健康管理や休職者の復職支援をおこなう。
企業内キャリアコンサルタントは、個人と組織の両方に有益な自律的キャリア開発を支援することで、社員のモチベーションやパフォーマンスを向上させるとともに、定着率や生産性を高める効果が期待できます。
学校内キャリアコンサルタント
学校内キャリアコンサルタントは、大学や高校などの教育機関に配置された国家資格キャリアコンサルタントで、学生や教職員のキャリア教育や進路指導をおこないます。
対象者は、学生のほかにも教職員や保護者などが含まれます。
学校内キャリアコンサルタントの役割は、以下のようにまとめられます。
- 学生との個別面談を通じて、学生の自己理解・進路選択・就職準備を支援する。
- キャリア教育や進路指導のプログラムやカリキュラムを開発し、実施する。
- 教職員や保護者への情報提供や研修をおこない、キャリア教育や進路指導の理解と協力を得る。
- 企業や業界団体などと連携し、インターンシップや就職フェアなどの機会を提供する。
学校内キャリアコンサルタントは、学生の自己実現と社会参画を支援することで、学生の学習意欲や自信を高めるとともに、進学率や就職率を向上させる効果が期待できます。
公的機関での国家資格キャリアコンサルタント
公的機関での国家資格キャリアコンサルタントは、ハローワークや公共職業訓練校などの公的機関に配置された国家資格キャリアコンサルタントで、求職者や訓練受講者の就職支援をおこないます。対象者は、失業中や離職予定の方、再就職を希望する方、転職を考えている方などが含まれます。
公的機関での国家資格キャリアコンサルタントの役割は、以下のようにまとめられます。
- 求職者や訓練受講者との個別面談を通じて、自己理解・就業意欲・就職準備を支援する。
- 求人情報や職業紹介、公共職業訓練などの制度やサービスについて説明し、利用方法を案内する。
- 企業や業界団体などと連携し、求人開拓やマッチング支援をおこなう。
就労経験が少ない若者や特別な支援が必要な方に対しては、個別支援プログラムやフォローアップサービスを提供する。
公的機関でのキャリアコンサルタントは、求職者や訓練受講者の就労能力と就労意欲を高めることで、雇用安定や雇用創出に貢献する効果が期待できます。
以上が第4章:国家資格キャリアコンサルタントの活動場所と対象者(企業・学校・公的機関など)です。
次章では国家資格キャリアコンサルタントの今後の展望(市場規模・需要・課題など)をわかり易く説明いたします。
PICKUPキャリコン
国家資格キャリアコンサルタントの今後の展望(市場規模・需要)/第5章
国家資格キャリアコンサルタントは、職業選択や職業生活設計、職業能力の開発や向上などに関する相談に応じる専門家です。
2016年4月に国家資格制度が誕生し、現在では約5万4千人が資格を保有しています。
厚生労働省は2025年までに国家資格キャリアコンサルタントを10万人に増やす計画を立てており、今後もこの職業の需要は高まっていくと考えられます。
しかし、それだけではなく、国家資格キャリアコンサルタント自身も時代の変化に対応し、自らの専門性や付加価値を高めていく必要があります。
この章では、国家資格キャリアコンサルタントの市場規模・需要・課題などについて見ていきましょう。
市場規模
キャリアコンサルタントは国家資格であり、「名称独占資格」です。
つまり、資格を取得しなければ「国家資格キャリアコンサルタント」と名乗ることができません。
しかし、それ以外にも「キャリアカウンセラー」や「キャリアアドバイザー」といった肩書で、キャリア支援に携わる人は多数存在します。
国家資格キャリアコンサルタントの市場規模を正確に把握するのは難しいですが、一つの目安として、国家資格を取得するために必要な養成講座や試験の費用を考えてみましょう。
養成講座は、厚生労働省が認可した養成団体が実施しており、受講料は約40万円から60万円程度です。
試験は、国家試験と民間試験の2種類があり、それぞれ約1万円から2万円程度の受験料がかかります。
また、書籍代や交通費なども考慮する必要があります。
これらを合計すると、国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得するためには、約50万円程度の費用がかかると見積もれます。
これを10万人に掛けると、市場規模は500億円にもなります。
これは、国内のeスポーツの市場規模(約100億円)の5倍以上です。
ただし、これはあくまで資格取得にかかる費用であり、国家資格キャリアコンサルタントが実際に提供するサービスや商品の市場規模ではありません。
国家資格キャリアコンサルタントがどのような収入源を持ち、どのような価格設定をするかは個々によって異なります。
コラム関連で活躍中の国家資格キャリアコンサルタント
需要
国家資格キャリアコンサルタントの需要は、個人や組織のキャリアに関する悩みや課題に応じて変化します。
現在の日本では、以下のような要因が国家資格キャリアコンサルタントの需要を高めていると考えられます。
- コロナ禍による雇用環境の悪化や働き方の変化
- 人生100年時代におけるライフステージやキャリアステージの多様化
- 企業や学校におけるキャリア教育やキャリア支援の充実
- キャリアコンサルタントの国家資格制度の認知度や信頼性の向上
- コロナ禍による雇用環境の悪化や働き方の変化
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、多くの企業が経営危機に陥り、失業者や休業者が増加しました。
また、テレワークやオンラインミーティングなど、働き方も大きく変化しました。
このような状況下では、就職や転職を希望する人や、自分の適性や能力を見直したい人、働き方やライフワークバランスを改善したい人など、キャリアに関する相談ニーズは高まっています。
国家資格キャリアコンサルタント関連書籍一覧
- さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0/トム・ラス
- その幸運は偶然ではないんです! /J.D.クランボルツ
- サビカス キャリア構成理論 四つの〈物語〉で学ぶキャリアの形成と発達/マーク・L・サビカス
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- 強みの育て方 「24の性格」診断であなたの人生を取り戻す/ライアン・二―ミック博士
国家資格キャリアコンサルタント関連サイト一覧
- キャリアコンサルタントとは?/日本マンパワー
- キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント/厚生労働省
- キャリアコンサルタントとは?仕事内容をわかりやすく解説/ブラッシュアップ
- 5分でわかる・キャリアコンサルティングの資格試験/特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
- キャリアコンサルタントとは?仕事内容や資格のメリット、転職する方法を解説/canvas
国家資格キャリアコンサルタントとは?就職・転職・キャリアに悩む人の救世主のまとめ
国家資格キャリアコンサルタントとは?就職・転職・キャリアに悩む人の救世主でした。
ここでは、国家資格キャリアコンサルタントについてご紹介しました。
国家資格キャリアコンサルタントは、あなたのキャリアに関する悩みや疑問に寄り添ってくれるプロフェッショナルです。
あなたの価値観や目標を明確にし、あなたに合った仕事や企業を探すお手伝いをします。
もし、あなたも国家資格キャリアコンサルタントに相談したいと思ったら、ぜひお気軽にご連絡ください。
私たちはあなたの夢を叶えるために全力でサポートします。