[最終更新日]2021/11/24
職業選択理論/ホランドの六角形という言葉を聞いた事があるけど
- 職業選択理論って重要と聞くけどいったいなに・・・
- 就職・転職にも役立つって本当?
- 自己理解を深めるためにはとても効果的?
- 職業選択理論とリアセック(RIASEC)って一緒?
なんてことを思われている方も多いのではないでしょうか?
そんな、職業選択理論/ホランドの六角形(リアセック/RIASEC)をわかりやすく説明いたします。
Contents
職業選択理論/ホランドの六角形(リアセック/RIASEC)とは?
職業選択理論/ホランドの六角形(リアセック/RIASEC)は、アメリカ合衆国の心理学者ジョン・L・ホランド(John L . Holland, 1919-2008)が提唱した理論です。
ジョン・L・ホランドは、第二次大戦(1942~46年)の間、陸軍に所属しており、第二次戦時下の兵士たちを適材適所に配置する人事の仕事に従事していて、従軍中に多数兵士の職業経歴書を分析するうちに多くの規則性があり、その規則性は複数のタイプに分類できるであろうという仮説に至ったことが理論のはじまりです。
それをある種の規則性を発見し体系化したのが、「RIASEC(リアセック)」と呼ばれる理論です。
RIASECは「現実的 (Realistic)」「研究的 (Investigative)」「芸術的 (Artistic)」「社会的 (Social)」「企業的 (Enterprising)」「慣習的 (Conventional)」の6種類の頭文字から取られています。
6種類は働く人の性格の特徴から分類されていて、このパターンを「パーソナリティタイプ」と呼ばれています。また、ホランドが開発したという事実から「ホランドタイプ」と呼ばれたりもしています。
ホランドは、「人間は遺伝と環境の所産であり、人は生まれながらの生得的資産と環境との相互作用の結果として、社会的、環境的課題に取り組む独自の方法を身につける」と考えました。
これは現在でも日本のみならず、欧米の企業でも広く多く用いられています。
ホランド理論のアプローチ
- 同じ職業に就いている人々は、類似したパーソナリティ特性とパーソナリティ形成史を示すものが多い
- 人間の行動は、個人のパーソナリティとその人の住んでいる環境との相互作用の産物である
ホランドの類型/職業環境の6類型
ホランドはパターンとして「パーソナリティタイプ」をRIASECは「現実的 (Realistic)」「研究的 (Investigative)」「芸術的 (Artistic)」「社会的 (Social)」「企業的 (Enterprising)」「慣習的 (Conventional)」に分けました。
それではそれぞれどのような特徴があるのでしょうか?
RIASECの「R」現実的 (Realistic)
物、用具、機器類、動物などを、明瞭で、順序よく、系統的に取り扱うことが求められ、また、その機会の多いことで特徴づけられる環境。
「人」や「アイデア」よりも、「もの」を扱うことを好む
- 機械や物に対する関心が強い。
- 対人的、社会的出来事への関心は乏しい。
- 機械を操作したり、物を作る能力に恵まれている。
- 対人接触が不得手で、それを必要とする仕事を好まない。
【関連のある職業領域】
- 動植物管理の職業
- 工学関係の職業
- 熟練技能の職業
- 機械管理の職業
- 手工芸技能の職業・機械、装置運転の職業
- 生産技術関係の職事
道具 技術 農業、電気関係、エンジニア、機械作業
RIASECの「I」研究的 (Investigative)
観察と記号を操作した体系的で、創造的な調査研究を、物理学、生物学的現象または、文化的現象について行うことが求められ、また、その機会が多いことで特徴づけられる環境。
研究者、医者など科学的、数学的能力を発揮したい
- 抽象概念や論理的思考に強い関心を持つ。
- 合理的で几帳面であると同時に、内向的である。
- 物事を数理的に処理し、論理的に考え、解釈する能力に恵まれている。
- 知的にも、教育的にも要求水準が高い
- 指導性や統率力はあまりない。
- 物事を1人で成し遂げることを好み、グループでの活動を好まない。
- 科学や芸術に対して高い価値を置く反面、社会的、経済的あるいは政治的問題に対してはあまり関心を持たない。
【関連のある職業領域】
- 動物、植物生理学関係の職業
- 物理科学関係の職業
- 社会調査研究関係の職業
- 生産工学関係の職業
- 数理、統計学関係の職業
- 医学関係の職業
- 報処理関係の職業
RIASECの「A」芸術的 (Artistic)
曖昧で、自由な系統立っていない活動と芸術的形式や作品を取り出す才能を持つことが求められ、また、その機会の多いことで特徴づけられる環境。
独創的、直感的、独立的を好み、創造的能力を発揮したい
- 音楽、美術、文学などに強い関心を示す。
- 独創性や想像力に恵まれている。
- 繊細で感受性が強い。
- 型にはまるのを嫌い、規則や習慣を重視せず、自分の感性や独自性を大切にする。
- 内向的で、自分や他者の感情に敏感なため、衝動的になりやすく、不安感が強い。
【関連のある職業領域】
- 美術、彫刻、工芸関係の職業
- 舞踊関係の職業
- 文芸関係の職業
- 音楽関係の職業
- 演劇、演出関係の職業
- デザイン、イラスト関係の職業
RIASECの「S」社会的 (Social)
情報提供、訓練、発達、治療、啓蒙のために、他人を扱うことが求められ、また、その機会の多いことで特徴づけられる環境。
人に伝える、教える、手助けをするなどに関連する活動を好む
- 人に教えたり、援助したり、人と一緒に活動するのを好む。
- 責任感が強い。
- 他者に対する洞察力に富む。
- 人に対し親切かつ寛大である。
- さまざまな人と良好な人間関係を作ることができる。
- 人の気持ちを理解し、敏感に反応することができる。
【関連のある職業領域】
- 社会奉仕の職業
- 医療保健関係の職業
- 各種の対個人サービスの職業
- 学校教育、社会教育関係の職業
- 販売関係の職業
PICKUPキャリコン
RIASECの「E」企業的 (Enterprising)
組織等の目標を達成する目的で、他人を扱うことが求められ、または、その機会が多いことで特徴づけられる環境。
他人を導いたり、他人に影響を与えられる活動を好む
- 新しい事業や計画を企画したり、組織作りをしたり、組織を動かすなどの活動を好む。
- 権力や地位を重視する。
- 指導力、説得力、表現力に恵まれ、積極的で社交性に富む。
- 他人に従うよりも、自らリーダーシップを発揮して、新しい仕事を開拓していくことを好む。
【関連のある職業領域】
- 経営管理関係の職業
- 広報、宣伝関係の職業
- 営業関係の職業
- 管理的事務関係の職業
- 財務関係の職業
- 報道関係の職業
コラム関連で活躍中の国家資格キャリアコンサルタント
RIASECの「C」慣習的 (Conventional)
明確に、順序だった、体系的なデータの処理、例えば、記録の保存、資料のファイリング、コピー、あらかじめ決
められている計画に従って文書にまとめたり、数値データにまとめること。OA機器、コンピュータの操作などが求められ、その機会の多いことで特徴づけられる環境。
事務、データなど情報を秩序立てて整理する活動を好む
- 反復的な事務的色彩の濃い活動などを好む。
- 規則や習慣を重んじる。
- さまざまな状況に対しても順応的、協調的である。
- 几帳面で、ねばり強く、また自制心に富んでいる。
- 人との和を重んじ、属する集団を一つにまとめることを重視する。
- 人々の間に葛藤や混乱を起こさないように行動する。
- 自発的、創造的に行動したり、自己主張をして自分がリーダーシップをとるよりも、権威者の指示に従うことを好む。
【関連のある職業領域】
- 経理事務関係の職業
- 警備、巡視の職業
- 一般事務の職業
- 文書整理、保管の職業
- 法務関係の職業
- 編集、校正関係の職業
PICKUPキャリコン
PICKUPキャリコン
職業選択理論関連書籍等一覧
- ホランドの職業選択理論―パーソナリティと働く環境―/John L. Holland
- 職業選択の理論―社会学的理論をめざして/ウィリアム・モーガン・ウィリアムズ
- キャリアコンサルティング 理論と実際/木村周
- キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ―/渡辺三枝子
RIASECのホランド理論 検査サイト
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