マズローの欲求5段階説(自己実現理論)/就職・転職・従業員満足度向上に活かす | キャリアコンサルタントドットネット

マズローの欲求5段階説(自己実現理論)/就職・転職・従業員満足度向上に活かす

[記事公開日]2020/02/01
[最終更新日]2023/01/06
マズローの欲求5段階説を徹底的に解説します!

マズローの欲求5段階説とは、人間の欲求を5段階のピラミッド状の階層的に理論化したものです。

マズローの欲求5段階説は「自己実現理論」とも言われていて、ピラミッド状の低階層にある欲求が満たされると、より高層階にある高次の階層の欲求を求めます。

マズローの欲求5段階説を理解することは、商品の販売やサービスの提供などマーケティングにおいて活用したり、就職、転職などで人員を募集する際や従業員の福利厚生を考える際活用することが出来ます。

それでは今回は「マズローの欲求5段階説」をわかりやすく徹底的に解説しますので効率的にご活用ください。

 

マズローの欲求5段階説とは?

キャリアの役立つオリジナル記事の掲載とは?マズローの欲求5段階説はアブラハム・ハロルド・マズローが提唱した理論です。

人間の衝動、同期、欲求それ自体をよいものなのだと捉えて、基本的な欲求は並列的に存在しているのではなく、ピラミッド状の階層的に存在しているものだと考えました。

アブラハム・ハロルド・マズローは、アメリカ合衆国のニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれた心理学者です。

マズローの欲求5段階説は、経営者から、部署のリーダーやマネージャー等まで知っておくべき理論です。

 

5段階の欲求について

キャリアコンサルタントとは?わかりやすく5段階のそれぞれの欲求は「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」を言います。

この5つの欲求を満たす事が出来れば、人間はますます成長し心理的にも健康になっていくと考えられています。

それでは「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」それぞれについてわかりやすく説明いたします。

 

生理的欲求(Physiological needs)

Physiological needsマズローの欲求5段階説のピラミッドの底辺にあたる「生理的欲求」とは、生きていくための欲求です。人間としての欲求というよりも日本社会においては動物的な欲求と捉える事が出来ます。

生命維持のために必要な「食べる」「寝る」「排せつする」の部分です。

肉体的・本能的なレベルの欲求で、動物はこの階層を超えることはなく、逆に人間がこの階層にとどまる状況は一般的ではありません。

つまり、それほど基本的な欲求という事が出来ます。

食べることが出来ない状況や寝ることが出来ない状況では、動物として生存してくことが出来ませんので、生理的欲求は基本的でありながらとても重要な欲求になります。

 

安全欲求(Safety needs)

Safety needsマズローの欲求5段階説の「安全欲求」とは、安全安心な状況にいたいと思う欲求です。生理的欲求が満たされた後は、自分の生命の安全を求めるようになります。

安全欲求は、安全な環境にいたいと思う環境ですが、不慮の事故や戦争状態にないなどセーフティ・ネットもこれを満たす要因となります。

幼い頃はこの欲求を満たしたいと思う気持ちを表にだしますが、大人になると反応を自然と抑制し次の段階へ欲求が昇華していきます。

他にも、経済的に安定したいや良好な健康状態を保ちたいといった欲求も含まれます。

生活の部分は「衣・食・住」と言いますが、「衣・食・住」で言うと「衣・住」の部分です。

生理的欲求と安全欲求は物質的な欲求です。物質的欲求が満たされないとこれ以降の欲求は生まれません。

これ以降の欲求は精神的な欲求となります。

 

所属と愛情欲求 (Social needs / Love and belonging)

Social needs / Love and belonging所属と愛情欲求は帰属欲求、親和欲求、社会的欲求とも言われています。

マズローの欲求5段階説の「所属と愛情欲求」とは、集団に所属したい、仲間や恋人が欲しい、仲間や恋人から愛されたいという欲求です。

自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚を得たいと思う欲求です。

この欲求が満たされない時に、人は孤独感を感じて社会的不安を感じやすくなります。

人間は愛を求めて、孤独・追放・拒否・無縁状態である時にひどく痛恨を感じます。これは、不適応や重度の病理、孤独感や社会的不安、鬱状態になる原因の最たるものです。

生理的欲求、安全欲求、所属と愛情欲求の3つは、外的なモノや人に満たされたいという欲求で低次の欲求です。

これ以降は、自分自身の内的なモノ(心)を満たしたいという欲求で、高次の欲求と呼ばれている欲求に変わります。

 

自尊欲求 (Esteem)

Esteem自尊欲求は尊重の欲求、承認欲求、尊厳欲求、自尊心の欲求、自我の欲求とも言われています。

マズローの欲求5段階説の「自尊欲求」とは、自分が集団や仲間などの他人から価値のある存在だと認められ、尊敬されたいや優秀だと認められたいという欲求です。出世したい、有名になりたいという欲求も自尊欲求です。

この自尊欲求のレベルは低いレベルと高いレベルと2つあります。

低いレベルの自尊欲求は、他者からの尊敬や名声、注目などで満たすことができます。昨今ではSNSの「いいね」の数などはこの低いレベルの自尊欲求です。

高いレベルの自尊欲求は、自分で自分のことを認めて自信をつけたい欲求です。自己の中で、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得る事で満たされます。

自分で自分を価値のある存在だと認め、優秀だと認めると得られます。

低いレベルの自尊欲求でとどまり続けることは危険です。知性や物事への探求、能力を磨いたり、精神的な自立や目標設定をし、自尊欲求が満たされるように努めましょう。

この欲求は満たされないと、劣等感や無力感を持ちやすくなります。

自尊欲求がある程度満たされると次の自己実現欲求が生まれてきます。

 

自己実現欲求(Self-actualization)

Self-actualizationマズローの欲求5段階説の「自己実現欲求」とは、自分の能力や可能性を引き上げたい、自分の限界に挑戦したいなどと思う欲求です。

人は自分に適していることをしていない限り、すぐに新しい不満が生じて落ち着かなくなります。「あるべき自分になりたい」と思い、具現化して自分がなりえるものにならなければならないという欲求です。

自己実現欲求までの欲求は他者に何かを求める欲求ですが、自己実現欲求は自分自身への成長や活動に関心を持っています。自己承認欲求の延長とも言えます。

  • 生理的欲求はご飯を食べられる自分を実現したい
  • 安全欲求は安全な環境にいる自分を実現したい
  • 所属と愛情欲求は誰かと一緒にいる自分を実現したい
  • 自尊欲求は他者から認められる自分を実現したい

等、すべての行動の動機はこの自己実現欲求に帰結されます。

自己実現欲求は行動による報酬を目的としているのではなく、行動そのものを目的とすることが重要です。

 

この階層的になっている5つの欲求を満たすことが出来れば、人間はますます成長し、心理的に健康になっていくと考えられています。

 

マズローの欲求5段階説の欲求の分類

マズローの欲求5段階説の欲求の分類マズローの欲求5段階説の欲求は以下の種類で分類することが出来ます。

  • 「物質的欲求」と「精神的な欲求」
  • 「外的欲求」と「内的欲求」
  • 「欠乏欲求」と「成長欲求」

それではこの種類を分かりやすく説明いたします。

 

「物質的欲求」と「精神的な欲求」

「物質的欲求」と「精神的な欲求」「物質的欲求」はモノを所有したり、使用したりすることで満たされる欲求です。

「精神的な欲求」は社会生活の中で精神的に満たされる欲求です。

「物質的欲求」と「精神的な欲求」は次のように分類されます。

物質的欲求

生理的欲求・安全欲求

精神的な欲求

所属と愛情欲求 ・自尊欲求 ・自己実現欲求

 

「外的欲求」と「内的欲求」

「外的欲求」と「内的欲求」

「外的欲求」とは自分以外の他の外部を満たそうとする欲求です。

「内的欲求」とは自分自身の内面を満たそうとする欲求です。

「外的欲求」と「内的欲求」は次のように分類されます。

外的欲求

生理的欲求・安全欲求・所属と愛情欲求

内的欲求

自尊欲求 ・自己実現欲求

 

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「欠乏欲求」と「成長欲求」

「欠乏欲求」と「成長欲求」「欠乏欲求」とは足りないからこそ外部から得ることで満たそうとする行動の動機です。

「成長欲求」とは満たされているからこそ成長や他社の援助に目を向けるという行動の動機です。

「欠乏欲求」は外部に求め続ける限り抜け出せない欲求です。足りないと思っている限り満たされず、欠乏している何かが満たされても「次はもっと」と欲求を膨らませてしまいます。

「欠乏欲求」と「成長欲求」は次のように分類されます。

欠乏欲求

生理的欲求・安全欲求・所属と愛情欲求 ・自尊欲求

成長欲求

自己実現欲求

 

なお、マズローは晩年、生理的欲求・安全欲求・所属と愛情欲求・承認欲求 ・自己実現欲求の5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階「自己超越の欲求」があるとしました。

このレベルに達している人は人口の2%しかいないと発表しています。マザーテレサやガンジー、マンデラ南アフリカ大統領などが例にあげられます。

 

マズローの5段階欲求説の関連書籍一覧

 

マズローの5段階欲求説に関するサイト

 

まとめ

マズローの欲求5段階説は、組織で働く従業員のモチベーションの問題にも活かすことが出来ます。

仕事を通じて従業員の自己実現欲求を充足するように、管理者はやりがいのある意義や誇りを見出せる仕事を提供し、仕事を通じてより高次な欲求を充足するように配慮していくことが求められます。

長期的には自らのワークキャリアプランの作成、短期的には目標管理の設定というそれぞれの目標に基づく能力開発の実行だけではなく、日常業務の生産性の向上にも活かしていく事ができます。

こういった事を理解して福利厚生、賃金アップなども含めて従業員満足度向上を目指し、従業員の離職率の低下と定着率向上に活用してみましょう。

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