[最終更新日]2021/09/14
いわゆる就職氷河期世代と言われる京都の世代は、現在30代半ばから40代半ばに至っています。
就職氷河期世代は、京都のバブル崩壊後の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代であり、就職氷河期世代の中には、希望する企業や業種、または希望雇用環境(正規雇用希望が非正規雇用への就職等)へ就職ができず、新卒一括採用をはじめとした流動性に乏しい雇用慣行が続いていることもあり、現在も、不本意ながら不安定な仕事(非正規雇用等)に就いている方はもちろん、無業の状態にあるなどの方も多くいらっしゃいます。
しかし、就職氷河期世代の人材が京都の企業では不足してきている状況です。そんな中、2019年11月26日に政府は、国家公務員で中途採用枠で重点的に採用する方針を固める等支援が充実してきています。
では、ハローワークや京都府内の市町村や京都市など行政機関の就職氷河期世代への支援等を分かりやすく説明いたします。
Contents
就職氷河期世代について
就職氷河期とはバブル崩壊後の一定期間の事を言います。
就職氷河期世代は、様々な考えがありますが、一般的には1993年(平成5年)頃から2003年(平成15年)頃の10年強程度と言われています。
この時期に就職する人は「高卒者」の場合、1975年(昭和50年)頃~1985年(昭和60年)頃に生まれた方であり、「大卒者」の場合は1970年(昭和45年)頃~1980年(昭和55年)ごろ生まれた方と言えます。
就職氷河期世代の雇用環境
企業は、バブル時代の過剰な設備投資や雇用を圧縮する為に、新卒採用の抑制を始めました。一時期持ち直しましたが、その後も消費税引き上げ、アジア通貨危機、大手金融機関の破綻などにより、再度求人数が悪化し、そのスピードはバブル崩壊後よりも急速な悪化となりました。
また、企業は業績悪化により従業員を育成する力も不足し、新卒者に即戦力を期待する風潮が現れました。しかし、当然新卒者にそのような力はなく短期間で退職する者や、トライアル雇用が始まり企業側から解雇される「新卒切り」「新卒使い捨て」などが行われました。
大学(学部)卒業者の進路状況の変化でみますと、2018年(平成30年)3月卒業者の「就職者割合」は77.1%となっていますが、1993年(平成5年)~2003年(平成15年)卒業者の同割合は50~60%台で推移していました。
就職氷河期世代の就職率・求人倍率
「一時的な仕事に就いた者、進学も就職もしていない者の割合」については、2018年(平成30年)3 月卒業者は8.6%であるのに対して、1993年(平成5年)~2003年(平成15年)卒業者は10~20%台であり、2003(平成15年)年には27.1%であり3倍を超えています。
有効求人倍率は1993年(平成5年)~2005年(平成17年)まで1を下回り、新規求人倍率は1998年(平成10年)に0.9まで下がりました。また、バブル時代に比べて、新卒者の就職が難しかった為、フリーターや派遣労働といった社会保険の無い非正規雇用になる方が増加しました。
就職氷河期世代支援プログラム
基本認識
就職氷河期世代は、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代であり、希望する就職ができず、現在も、不本意ながら不安定な仕事に就いている、無業の状態にあるなど、様々な課題に直面している方が多くいます。
そんな就職氷河期世代を含め全ての世代の人々が希望に応じて意欲・能力をいかして活躍できる環境整備を進める中で取り組む計画を就職氷河期世代支援プログラムと言います。
以下の点は重点的な取り組み内容です。
- 就職氷河期世代が抱える固有の課題(希望する就業とのギャップ、実社会での経験不足等)や今後の人材ニーズを踏まえつつ、個々人の状況に応じた支援により、同世代の活躍の場を更に広げられるよう、地域ごとに対象者を把握した上で、具体的な数値目標を立てて3年間で集中的に取り組む。
- 支援対象としては、正規雇用を希望していながら不本意に非正規雇用で働く者(少なくとも50万人)、就業を希望しながら様々な事情により求職活動をしていない長期無業者、社会とのつながりを作り、社会参加に向けてより丁寧な支援を必要とする者など、100万人程度と見込む。3年間の取組により、現状よりも良い処遇、そもそも働くことや社会参加を促す中で、同世代の正規雇用者については、30万人増やすことを目指す。
- 社会との新たなつながりを作り、本人に合った形での社会参加も支援するため、社会参加支援が先進的な地域の取組の横展開を図っていく。個々人の状況によっては、息の長い継続的な支援を行う必要があることに留意しながら、まずは、本プログラムの期間内に、各都道府県等において、支援対象者が存在する。
基礎自治体の協力を得て、対象者の実態やニーズを明らかにし、必要な人に支援が届く体制を構築することを目指す。
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施策の方向性
相談、教育訓練から就職まで切れ目のない支援
■きめ細かな伴走支援型の就職相談体制の確立
- 支援対象者が相談窓口を利用する流れづくり
- ハローワークに専門窓口を設置、専門担当者のチーム制によるきめ細かな伴走型支援
- 地方自治体の無料職業紹介事業を活用したマッチングの仕組みを横展開
■受けやすく、即効性のあるリカレント教育の確立
- 仕事や子育て等を続けながら受講でき、正規雇用化に有効な資格取得等に資するプログラム、短期間での資格取得と職場実習等を組み合わせた「出口一体型」のプログラム、人手不足業種等の企業等のニーズを踏まえた実践的な人材育成プログラム等の整備
- 「出口一体型」のプログラムや民間ノウハウを活用した教育訓練・職場実習を職業訓練受講給付金の給付対象とし、受講を支援
■採用企業側の受入機会の増加につながる環境整備
- 採用選考を兼ねた「社会人インターンシップ」の推進
- 各種助成金の見直し等による企業のインセンティブ強化
- 採用企業や活躍する個人、農業分野などにおける中間就労の場の提供等を行う中間支援の好事例の横展開
■民間ノウハウの活用
就職相談、教育訓練・職場実習、採用・定着の全段階について、専門ノウハウを有する民間事業者に対し、成果連動型の業務委託を行い、ハローワーク等による取組と車の両輪で、必要な財源を確保し、取組を加速
個々人の状況に合わせた、より丁寧な寄り添い支援
■アウトリーチの展開
潜在的な対象者に丁寧な働きかけ、支援情報を手元に届け、本人・家族の状況に合わせた息の長い継続的な伴走支援を行うため、地域若者サポートステーションや生活困窮者相談支援機関のアウトリーチ機能の強化、関係機関の連携促進
■支援の輪の拡大
断らない相談支援など複合課題に対応できる包括支援や多様な地域活動の促進、ひきこもり経験者の参画やNPOの活用を通じた、当事者に寄り添った支援
■以上の施策に併せて、
- 地方への人の流れをつくり、地方における雇用機会の創出を促す施策の積極的活用促進
- 官民協働スキームとして関係者で構成するプラットフォームを形成・活用し、就職氷河期世代等の支援に社会全体で取り組む気運を醸成、一人ひとりにつながる戦略的な広報の展開
- 被用者保険(年金・医療)の適用拡大
- 速やかに、実効ある施策の実施に必要な体制を内閣官房に整備し、定期的に施策の進捗状況を確認し、加速する。
参照:厚生労働省/就職氷河期世代支援プログラム
就職氷河期世代の相談
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内閣官房 就職氷河期世代支援推進室
住所:東京都千代田区永田町1-6-1 中央合同庁舎第8号館
TEL:03-5253-2111
就職氷河期世代支援プログラム
京都の就職氷河期世代の方々が利用できる施設・施策
所在地 | 〒604-0846 京都府京都市中京区金吹町451 |
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