X理論 Y理論 Z理論/管理者の組織運営モチベーションマネジメント | キャリアコンサルタントドットネット

X理論 Y理論 Z理論/管理者の組織運営モチベーションマネジメント

[記事公開日]2020/05/18
[最終更新日]2022/07/10
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社会人になってから上司や先輩から「X理論Y理論Z理論も知らないのか!」なんて言われた事がある人も多いはずです。

そんな「社会人になってから知っておいた方が良かった」と思われる、X理論Y理論Z理論を初心者向けにわかりやすく説明いたします。

 

X理論Y理論の提唱者は?

X理論Y理論の提唱者は?X理論Y理論は、ダグラス・マレイ・マクレガーが「企業の人間的側面―統合と自己統制による経営」で提唱しました。 

X理論Y理論の提唱者ダグラス・マレイ・マクレガー(1906年~1964年)は、アメリカの心理学者、経営学者で、マサチューセッツ工科大学教授を務め、アンティアーク大学学長も務めました。

 

X理論Y理論とは?

X理論Y理論とは?X理論・Y理論は、人間に対する本質的な見方を2つの異なる理論として対比させた理論です。人間のモチベーションについての理論のひとつです。

X理論は性悪説Y理論は性善説に基づいた理論と言われています。

X理論は「人間は本来は怠けたい生き物で、責任を取りたくないし、強制されたり命令されなければ仕事をせず、放っておくとサボる」

Y理論は「人間は本来から働きたがる生き物で、条件次第で責任をしっかりと受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとするし、問題解決を進んで行う」

 

X理論について

X理論についてX理論は、マズローの欲求5段階説(自己実現理論)の低次欲求(生理的欲求・安全の欲求・社会的欲求)を多く持つ人の行動モデルです。

人間は生まれつき仕事が嫌いで、責任を回避しようとし、強制や命令がないと働かず、組織が目標を達成するために力を発揮しない。

X理論の考え方に基づく上司のマネジメントスタイルは、明確なノルマや命令、進捗を監督、未達成の場合は罰を与えます。つまり、「アメとムチ」を使用したマネジメントスタイルです。

X理論は、野心や向上心は持たずに、安全安心を何よりも望むと考える理論です。

 

Y理論について

Y理論についてY理論は、マズローの欲求5段階説(自己実現理論)の高次欲求(承認欲求・自我自己実現欲求)を多く持つ人の行動モデルです。

人間は生まれつき進んで働きたがり、自らが設定した目標を設定し責任を取ろうとし力を発揮する。根本的に仕事を遊びと同じように楽しみます。また、組織の問題を解決するために高い想像力を駆使して、創意工夫をこらす能力を人は備えているので、目標や設定を達成する「機会を与える」というマネジメントスタイルです。

Y理論の考え方に基づく上司のマネジメントスタイルは、個人のやりたい仕事と企業目標の整合をとり、部下も意思決定に参加させ、達成したら報奨や賞賛を与えるなどになります。つまり、部下の自主性を尊重する管理を行うことになります。

Y理論は、野心や向上心を持っていますので、魅力ある目標や責任を与え続けることが大切と考える理論です。

 

X理論Y理論の活用方法

X理論Y理論の活用方法「この人はX理論」で「あの人はY理論」と明確に分類できるという訳ではありません。

X理論とY理論は両極端の考え方であり、両極端の間のどこかにそれぞれが位置するということです。

また、現代の日本では、マズローの5段階欲求の低次欲求(安全・衣食住等)は満たされていることが多くなっていますので、Y理論を念頭に動機付けをすると有効なことが多くなっています。

戦後から高度経済成長期、バブル等を経験し、現在は組織内の上層部に属している人は、現在と比較して衣食住を満たされていない環境で生活した経験から、X理論に基づいたマネジメントスタイルを貫いてしまう場合があります。

しかし、社会の生活水準が上昇した現代では、生まれた時から低次欲求が満たされており、新入社員などの若い年代の社会人は、X理論によるマネジメントスタイルは欲求の次元が違い、モチベーションの効果は期待できないのです。

つまり、若い人にはY理論に基づいたマネジメントスタイルの必要性が高いのです。

 

Z理論とは?

Z理論とは?アメリカの経済学者で、日系3世のカリフォルニア大学ロサンゼルス校経営学研究科教授(UCLA)を務めたウィリアム・オオウチ氏は1970年代になり、セオリーZ-日本に学び、日本を超える-でX理論でもY理論でもないZ理論を展開しました。

Z理論は、X理論の上からの押しつけ型、Y理論の自主独立型の間をとりX理論Y理論の良い所をチョイスしたような理論です。上と下と横の繋がりで、良好なコミュニケーションが存在するという理論です。

Z理論では、平等で親密という温かな雰囲気が個人を動かし、細かく監視することなく自発的に行動するとしているのです。企業としての体制が整っていれば、社員のモチベーションは自然とアップするという理論です。

 

Z理論のデメリット

Z理論のデメリットZ理論にもデメリットはあります。

それが「親密さ」や「信頼関係」が悪い方向に常態化してしまう「慣れ合い」です。

「慣れ合い」になってしまうと成果で評価をせずに、人物の文化的な側面や人種、性別などで排除してしまうこともありますので注意が必要です。

 

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X理論・Y理論・Z理論の関連サイト

  1. Z理論とは?X理論・Y理論との関係や動機付けへの活用方法について/mitsucari
  2. 人のモチベーションを左右する3つの理論を教えて!「X理論」「Y理論」「Z理論」/マイナビ
  3. XY理論/Wikipedia
  4. モチベーションのマネジメント(2)-マグレガー理論の正しい理解のために-/インソース
  5. Z理論(セオリーZ)/PPM戦略考

 

X理論・Y理論・Z理論のまとめ

X理論・Y理論・Z理論のまとめ繰り返しにはなりますがいずれの理論であっても、どれが正しく誤っているという理論ではなく、どの理論も参考にマネジメントをする必要があります。

また、いずれの理論も提唱されたのが1950年~1970年代です。インターネット等の進化により社会の動きは、より速く動き、より複雑に絡み合っています。

また、2020年の新型コロナウイルスにより、日本における会社に行って働くという当たり前なことさえもリモートワークにより変化しています。

そんな、変化に適応した理論の本質であるコミュニケーションの必要性や重要性を認識して、社員のモチベーションマネジメントにお役立てください。

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