[最終更新日]2021/09/13
社会人になってから上司や先輩から「ロングテール戦略も知らないのか!」なんて言われた事がある人も多いはずです。
そんな「社会人になってから知っておいて方が良かった」と思われる、ロングテール戦略を初心者向けにわかりやすく説明いたします。
Contents
ロングテール戦略の提唱者について
ロングテール戦略の提唱者は、Wired(アメリカ技術雑誌)の中で編集長を務めたクリス・アンダーソン(1961年~)です。
後に、ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略として発展させ発表しました。
クリス・アンダーソンは他にも、フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略、MAKERS―21世紀の産業革命が始まる等の著書がありますが、フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略で提唱した「フリーミアム」は、現在ネットサービスの多くに活用されています。
>>フリーミアムビジネスモデルの戦略的なサービス・製品事例とは?/成功させる価値提供
ロングテール戦略の理解には必須の法則「パレートの法則」とは?
ロングテール戦略には、パレートの法則がとても関連しています。
では、パレートの法則とは何なのでしょう?
ロングテール戦略をする為にもパレートの法則をわかりやすく説明していきます。
パレートの法則について
パレートの法則とは、2割の要素が全体の8割を生み出しているという状態を示し、全体の数値の大部分は、全体を構成する一部の要素によって生み出されているという現象です。
別名、パレートの法則は80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれています。
これは、経済活動だけではありません。社会現象、自然現象にも当てはまることが多く、広く世の中に知られています。
例えば、「売上の8割を2割の従業員が生み出している」や「故障の8割は2割の部品に原因がある」等の事象です。
企業活動においては、全商品を等しくプロモーションや宣伝活動等して、同じ数を店頭に並べたり、全顧客に等しく、時間や手間をかけて対応するのではなく、2割の商品が8割の売上を占める場合には、売れている2割の「売れ筋商品」に経営資源を集中的に投下したり、売上高の高い一部の顧客に重点的に対応するなど、このパレートの法則に応じて活動の重点を絞るという形で活用されてきました。
パレートの法則の注意点
パレートの法則は経験則といった点に注意が必要です。2:8というのは一定ではありません。
ロングテールについて
ロングテールは、パレートの法則では重視されていなかった売れ筋ではない商品に着目しています。
売れ筋商品や優良顧客というモノやヒトに着目するのではなく、販売数量の少ない商品や、単価の低い顧客から積み上がる売上・利益を最大化し、全体の売上・利益を大きくしていくという考え方です。
パレートの法則では、全体の売上の80%を生み出すと言われている売れ筋の部分を「ヘッド」と呼ばれており、人気の無い部分や商品を「テール」と呼んでいます。
ロングテールの法則では、この「テール」部分を伸ばす事でより多くの売上を実現しようという考え方です。また、ロングテールの法則は、インターネットビジネス等において活用されています。
では、どうしてインターネットビジネスにおいてロングテールの法則は活用されているのでしょうか?
ロングテールを活用したビジネス
ロングテールはあまり売れ筋では無い商品も取揃えることにより、それらの売上・利益を積み重ねていこうとするのですが、実際の店舗(リアル店舗)でこれを行おうとするといくつかの障壁が出てきてしまいます。
実際の店舗(リアル店舗)とインターネット店舗の差とは何でしょうか?
実際の店舗(リアル店舗)
実際の店舗(リアル店舗)で、より大くの商品を取り扱う場合には、まず在庫をストックし、売り場の棚に陳列しなければなりません。
陳列する場所が必要ですし、陳列する為の人件費も必要です。と、同時に物理的に場所には制限がありますので、よく売れる商品の陳列する場所が減りますので販売機会の損失に繋がります。
複数店舗を運営しているチェーンストア等ですと、その影響は更に広がります。商品回転率も悪くなります。
つまり、ロングテールの法則を実際の店舗(リアル店舗)で活用するには物理的に無理が発生し、商売として成り立ちません。
インターネット店舗
インターネット店舗では商品の陳列棚が必要ありません。インターネットの中に商品をアップロードするだけで販売することが出来ますので、無制限に商品を販売することが出来ます。
また、顧客は商品をインターネットの中で「検索」すれば見つけることが出来ますので、人件費も少なくて済みます。
インターネット店舗では商品の説明は、商品ページ内に詳しく記載しておけばよく、個別の質問に対しても順番に回答すればよく、全商品の知識を全スタッフが知っておく必要がなく教育費、コミュニケーション費用という人件費の削減にも繋がります。
つまり、実際の店舗(リアル店舗)とインターネット店舗では、商品を取り扱うコストが少なく、人気商品が売れる機会を失うことなく、売れ筋では無い商品を販売しても、ロングテールの売上、利益を積み上げていくことが可能なのです。
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ロングテールを活用した有名企業のamazon
ロングテールを活用している有名企業と言えばamazonです。
amazonは、現在様々な商品を販売していますが「書籍販売」を例に説明いたします。
書籍は日々様々な出版社より多様な書籍が出版されており、商品は当然多くなります。また、ベストセラーと言われる小説やマンガから専門家だけが読む専門書もあります。定期的に発行され一定期間だけしか売れない定期雑誌等もあります。
このように多種多様な商品を実際の店舗(リアル店舗)で販売する場合には、今売れる人気商品を商品棚に置いて販売注力します。
では、amazonはどうでしょうか?
amazonは新号が販売されている旧号雑誌や専門書など、販売数の少ない書籍をインターネットページ上に掲載しています。また、同じページ内に中古品も含めた在庫状況を表示しており、継続販売することを可能にしています。
年に数冊しか売れない専門書籍であっても、より多くの書籍を掲載する事により売上を積み上げていければ、大きな売上につながるのです。
amazonはこのような仕組みを構築して、書籍のみではなくネジやナットなどのプロが使用する小さな商品などから車や家などの大きな商品まで様々な分野の商品を販売し売上を大きく伸ばしています。
ロングテール戦略の注意点について
インターネット店舗でロングテール戦略を用いて運営しようと考えている場合にも、主力商品となる売れ筋商品を軽視するということではありません。
売れ筋商品の売上は、全体売上の底上げに大きく影響します。
また、売れ筋商品で売上を最大化した後は、ロングテール戦略の為にホームページの構築や商品仕入れに力を入れることが可能になるからです。
次に、多くの商品数を取り扱うには保管や物流のコストが発生します。
商品の売り方(陳列や説明方法等)は、ホームページで無制限に取り扱うことが出来ますが、保管や物流には当然発生します。
小さな商品でも多くの数の在庫は運営に大きく影響します。
つまり、インターネット店舗においても過剰な在庫は持たずに欠品も出さない適正在庫での運営が必要です。
また、注文後に在庫を探すことに時間がかかり顧客への商品発想が遅れてしまっていては顧客のリピートは見込めめませんので、商品の管理方法、配送方法なども重要になります。
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ロングテールSEO
ロングテール戦略はリアル商品での活用はもちろんですが検索結果サイト(Yahoo!、Google等)での活用も注目されています。
ロングテール戦略を検索結果に活用する手法は「ロングテールSEO」と言われています。
ビッグキーワードと言われているキーワードで上位表示を目指すのは難しくなっており、よりニッチな検索キーワードで上位結果で、HP閲覧者を増加させようとする手法です。
当サイトもロングテールSEO戦略を活用しています。
例えば「キャリアコンサルタント」というビッグキーワードでは、行政機関である厚生労働省関係の「キャリアコンサルタント試験」や「キャリアコンサルタントの登録機関」などが上位表示されています。
試験を実施していない当サイトが上位表示されるのは難しい為に、「キャリアコンサルタント 相談」というスモールキーワード、「キャリアコンサルタント 相談 大阪」等スモールキーワードの更に地名を入れたロングテールSEO戦略で閲覧者数の増加させています。
ロングテール戦略の関連サイト
- ロングテールはネット時代のマーケティング戦略!正しく理解して売上をあげよう/fereet
- ロングテール戦略とは?/DS magazine
- ロングテール戦略とは?|方法・事例・限界/senses
- ロングテールとは|ニッチ商品で売上を伸ばすネット販売戦略/LISKUL
- ロングテールとは?3つの事例からわかる、徹底解説/マケフリ
ロングテール戦略のまとめ
このようにロングテール戦略の考え方をよく理解し、リアルな商品販売での売上、利益の最大化を図ったり、HPの閲覧者数の増加等に活用していただければと思います。