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愛知の発達障害者/発達障害児の相談・支援・サポート

[記事公開日]2019/08/31
[最終更新日]2021/09/14
愛知の発達障害者/発達障害児の相談・支援・サポート

愛知でも発達障害という言葉をテレビや新聞などだけでなく、愛知の職場など身近な場所でも耳にすることが多くなりました。

  • 人の気持ちがわからない
  • 空気が読めない
  • 同じ失敗やミスを繰り返す
  • 成績は優秀だけど衝動的な行動をとる

等、思い当たる方はもしかすると発達障害なのかもしれません。

しかし、愛知でも発達障害という言葉が独り歩きして、教育、心理、福祉などの幅広い分野で注目を集めている反面、理解が不十分なままで広がりをみせているという面もあります。

発達障害は目に見える訳ではない為に、周囲にはわかりにくく理解されないままでいれば、自分勝手でわがままな人と思われ協力が得にくい面があります。

そんな発達障害者・発達障害児についての愛知での相談場所・支援・サポートや方法、当人はもとより大阪でも周囲の正しい理解と協力を得る為にもわかりやすく説明します。

 

発達障害とは?発達障害者・発達障害児とは?

発達障害者・発達障害児発達障害支援法第2条において、「『発達障害』とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」、「『発達障害者』とは、発達障害がある者であって発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるものをいい、『発達障害児』とは、発達障害者のうち十八歳未満のものをいう。」と定義されています。

発達障害支援法でいう社会的障壁とは、発達障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいいます。

発達障害者支援法に定義されている各障害は以下の通りです。

広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)

自閉症(自閉症スペクトラム)

自閉症は「1. 対人関係の障害」「2. コミュニケーションの障害」「3. パターン化した興味や活動」の3つの特徴をもつ障害で、生後まもなくから明らかになります。最近では症状が軽い人たちまで含めて、自閉症スペクトラム障害という呼び方もされています。

アスペルガー症候群(Asperger syndrome)

アスペルガー症候群は、広い意味での「自閉症」のひとつのタイプです。最初に症例を報告したハンス・アスペルガーというオーストリアの小児科医の名前にちなんでつけられました。アスペルガー症候群は、自閉症の3つの特徴のうち「対人関係の障害」と「パターン化した興味や活動」の2つの特徴を有し、コミュニケーションの目立った障害がないとされている障害です。言葉の発達の遅れがないというところが自閉症と違うところです。知的発達に遅れのある人はほとんどいません。

学習障害(LD:Learning Disabilities or Learning Disorders)

学習障害(LD)には教育的な立場でのLD(Learning Disabilities)と医学的な立場でのLD(Learning Disorders)の2つの考え方があります。最近は健常児とは異なった学習アプローチをとるという点から、Learning Differences(学びかたの違い)と呼ぶ人も出てきています。教育の立場では聞いたり話したりする力など学習面での広い能力の障害を含み、医学的LDは「読み書きの特異的な障害」「計算能力など算数の特異的な発達障害」を指すことが多いようです。

注意欠陥多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)

AD/HD(注意欠如/多動性障害)は、「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつです。AD/HDを持つ小児は家庭・学校生活でさまざまな困難をきたすため、環境や行動への介入や薬物療法が試みられています。AD/HDの治療は人格形成の途上にある子どものこころの発達を支援する上でとても重要です。

AD/HDの有病率は報告によって差がありますが、学齢期の小児の3-7%程度と考えられています。AD/HDを持つ子どもの脳では、前頭葉や線条体と呼ばれる部位のドーパミンという物質の機能障害が想定され、遺伝的要因も関連していると考えられています。

AD/HDの診断については、アメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-IV-TRに記述されており、下記などの条件が全て満たされたときに診断されます。

  1. 「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動-衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること
  2. 症状のいくつかが7歳以前より認められること
  3. 2つ以上の状況において(家庭・学校など)障害となっていること
  4. 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
  5. 広汎性発達障害や統合失調症など他の発達障害・精神障害による不注意・多動-衝動性ではないこと

このようにAD/HDの診断は医師の診察で観察された行動上の特徴に基づいて行われ、それ単独で診断ができるような確立した医学的検査はありません。しかし一部の神経疾患・身体疾患・虐待・不安定な子育て環境などが子どもにAD/HDそっくりの症状を引き起こす場合があり、小児科・小児神経科・児童精神科医師による医学的評価は非常に重要です。

AD/HDを持つ子どもは意識的に症状を予防しようと試みても、どうしてもじっとしていられず、学校で必要な持ち物を忘れたり失くしたりしてしまいます。このような失敗行動は通常両親や教師たちに厳しく叱責されるため「どんなにがんばってもうまくいかない自分」という否定的な自己イメージを持ちやすく、家庭や学校においてつらい思いをしていることが多いようです。さらにAD/HDを持つ子どもは学業不振や対人関係で悩むだけでなく、気分が落ち込んだり、不安感をコントロールできなくなるなど、心の症状を合併することもあります。このため子どもがなんらかの困った行動を呈しており、その背後にAD/HDの特性があると診断される場合には医学的治療が必要です。

AD/HDを持つ子どもの治療は「1. 薬物療法」「2. 環境への介入」「3. 行動への介入」などを組み合わせて行うと効果が高いといわれています。

メチルフェニデートという薬剤がAD/HDの不注意・多動-衝動性を軽減する可能性がありますが、これは登録された専門医療機関でのみ処方が可能です。最近では新たにアトモキセチンという薬剤も処方可能になりました。
子どもを取り巻く環境を暮らしやすいものにするための介入としては、教室での机の位置や掲示物などを工夫して本人が少しでも集中しやすくなる方法を考える物質的な介入や、勉強や作業を10分-15分など集中できそうな最小単位の時間に区切って行わせる時間的介入などが有効です。

行動への介入では、子どもの行動のうち、好ましい行動に報酬を与え、減らしたい行動に対しては過剰な叱責をやめて報酬を与えないことで、好ましい行動を増やそうという試みを行います。問題行動を抑制できたことやその頻度が減ることなどにも注目してしっかりと褒めてあげることが重要です。報酬を得点化して一定数になったら何らかの特別なご褒美・行事への参加(映画に行く・博物館に行くなど)につなげるようにします。

多動症状をただ押さえ込むようなスタンスの治療は良い結果を生みません。親の立場から見える子どもの問題と、子ども本人が感じている困難さは同じでないことの方が多いのです。家族と専門家・教師の連携は言うまでもなく重要ですが、親子こそがしっかり連携して双方の「言い分」をやり取りできる雰囲気があると、AD/HDを持つ子どもはこの障害を乗り越えるのに必要な力を得ることができるでしょう。

トゥレット症候群(TS:Tourette’s Syndrome)

吃音[症](Stuttering)

参照:厚生労働省/e-ヘルスネット

発達障害

参照:国立障害者リハビリテーションセンター・発達障害情報・支援センター

 

発達障害は合併しておこりやすいのでわかりにくいという点があります。

注意欠陥多動性障害(ADHD)は学習障害(LD)や、アスペルガー症候群(AS)は注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴を持つことが多く、重度の自閉症は知的障害を合併しやすいなどもあります。

また、発達障害者は、自分自身を客観的に認識する「自己認知」並びに他者を正確に認識する「他者認知」が苦手です。注意欠陥多動性障害(ADHD)の人はマイナス思考の人が多く、何事にも否定的に考える傾向があります。その為、自己肯定感や自己評価、自尊心も低くなってしまいます。

ただ、小さな時から成功体験が少なく達成感を得ることがなく、むしろ失敗体験が多く周囲からも低評価な言葉をかけられ成長してきたからだとも指摘されています。また、脳機能としても快楽に影響を与えるドーパミン関係の部位が未発達だという研究結果もあります。

つまり、発達障害者は、小さな頃から失敗を繰り返し、周囲の人から評価が低く、自分自身でも評価を高める事が出来ず、思春期になると漠然と「社会に適応していないのではないか?」という気持ちを抱き、疎外感などが募ってしまうのです。

その結果、思春期以降に合併症として「うつ病」「不安障害」「依存症・嗜癖行動」「行為障害・反社会的行動」「パーソナリティ障害」などが併発することが多くあります。このような症状が良くならない場合は大人の発達障害を疑い、専門医への相談も考える方が良いでしょう。

 

年代別発達障害者・発達障害児の気になる行動・反応

それでは具体的に、発達障害者・発達障害児は年代によってどのような特徴があるのでしょうか?

就学前

発達障害者就学前

  • 落ち着きがなく、注意が伝わりにくかったり指示が入りにくい
  • 視線が合いにくい
  • 子どもの輪に入りにくくひとり遊びが多い
  • ある特定のものや順番へのこだわりが強く、変えようとするとかんしゃくやパニックを起こす
  • ことばの発達が遅かったり、独特のしゃべり方をする
  • 4歳を過ぎて、ブランコやジャングルジム等を強く嫌がったり、いくら練習してもスキップや三輪車に乗る
  • ことがうまくできなかったり、ということが見られる
  • 極端に不器用、年長になっても、はさみやおはしをうまく使えない

学齢期

発達障害者学齢期

  • 知的な遅れはないが学習がうまく進まない
  • 鏡文字を書いたりする
  • 音読が極端に苦手であったりと、読み書きの問題が顕著に見られる
  • 不器用でコンパスや定規をうまく使えない
  • 体育が極端に苦手であり一生懸命練習しても縄跳びが苦手
  • 授業中、座り続けることが難しい
  • あちこちに注意が散って学習に集中することが難しい
  • 片付けや準備が苦手であったり、忘れ物が多い
  • 同年齢の集団のなかで友達関係がうまく持てない
  • 相手の気持ちに気づかず、一方的に話してしまったりすることが多い
  • 冗談をまともに受け取って落ち込んだり、ケンカになってしまったりする
  • 場の雰囲気が読み取れない

成人期

発達障害者成人期

  • 一生懸命努力をしても、人間関係がうまくいかない
  • ささいなことや細かなことが気になって仕事が遅くなってしまう
  • 複数のことを同時にこなすのが難しい。段取りを考えることが苦手
  • 気をつけているつもりでも、いつも何かを見落としてしまう
  • 読み書きや計算に問題がある
  • 極端に方向感覚が悪い
  • 不器用で、手作業の工程が覚えられない
  • 視覚入力や聴覚入力など、入力モードによって出来・不出来が大きく異なる
  • 場の雰囲気が読み取れない
  • 急な予定変更時に不安や混乱したようすがみられる

参照:大阪市発達障がい者支援マップ

 

発達障害はなぜ起こるのか?

発達障害者なぜ起こる発達障害はなぜ起こるのでしょうか?

と、思われる方も多いとは思いますが、まだはっきりとしたことはよくわかっていません。

一次的な原因は「脳」という臓器の一つが原因であることは確認されています。

つまり、脳機能の発達に偏りのある脳機能障害です。

「親の養育の失敗」「愛情不足」などは明確に否定されていますので保護者の方が責任を感じることはありません。

ただ、子どもへ対する親の態度が、予後や幸福感に影響を与えることは確かですがそれが原因ではありませんので、一人一人の特徴に応じて配慮したり、支援したりしていくことが重要です。

 

発達障害者・発達障害児への接する時のポイント

発達障害者のポイント発達障害と言っても障害の種類や程度はひとそれぞれです。年齢等によっても現れ方が違いますが発達障害がある人に対して配慮したい、基本的なポイントをいくつかご紹介します。

  • できたことをほめる/できないことを叱らない
  • 視覚的な情報を提示して説明する
  • 説明や指示は短い文で、順を追って、具体的に
  • 安心できる環境を整える
  • 善悪やルールをはっきりと教える
  • 発達障害の子ども(人)を温かく見守る

参照:政府広報オンライン/発達障害って、なんだろう?配慮する ~一人一人の特性を理解しよう~

 

発達障害者・発達障害児の誤解

発達障害者・発達障害児は本人だけでなんとかできる

発達障害者誤解成人になった発達障害者は、幼いころから周囲からの配慮が受けられず苦労をしたという話が聞かれます。

適切なサポートが発達障害者への支援に繋がり、発達障害者への理解にも繋がります。

 

発達障害者・発達障害児はやれば出来るのにさぼっている?

発達障害とは脳という臓器の発達に偏りがある脳機能障害です。

外見などでは判断できない為に、さぼっているなどの様々な誤解が生まれています。

また、症状には個人差がある為、理解出来ない部分も多くあるのが現実です。ただ、風邪をひいた人が「咳がでる」「鼻水が出る」「喉が痛い」など様々な症状があるのと同じだとの認識が必要です。

同時に現在の日本では発達障害者の理解が広がっておらず、一生懸命に頑張っていても「さぼっている」と捉えられることが多い環境です。

そういった環境の中で生活した結果、自己肯定感、自尊心が低くなってしまっている事も多くあり、何事にもマイナス思考で考え、否定的に捉えることが多く、結果さらに周囲の悪評価に繋がるというスパイラルに陥る事もあります。

支援・サポート方法についても人それぞれ違いますので、有名な訓練方法や支援方法の押し付けをするのでは、当人は辛いばかりです。当人にとって適切な支援・サポート手法を検討することが良いでしょう。

 

発達障害者・発達障害児関連のホームページ

政府広報オンライン「発達障害って、なんだろう?」

国立 障害者リハビリテーションセンター・発達障害情報・支援センター(厚生労働省)

国立 特別支援教育総合研究所・発達障害教育推進センター(文部科学省)

インクルーシブ教育システム推進センター

災害時の発達障害児・者支援について

一般社団法人 日本自閉症協会

 

愛知の発達障害者・発達障害児への相談・支援・サポート

あいち発達障害者支援センターホームページ

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