[最終更新日]2023/06/14
集団とは、共通の目的や関心を持つ人々が集まって形成されるものです。
しかし、集団ができたからといって、すぐに高い成果を出せるとは限りません。
集団は、一定の発展段階を経て、チームとして機能するようになります。
この本では、集団の発展段階について、タックマン・モデルという有名な理論を紹介します。
タックマン・モデルでは、集団は成立期・動乱期・安定期・遂行期・解散期の5つの段階を経るとします。
各段階では、集団の特徴や課題が異なります。
そのため、リーダーやメンバーは、自分たちの集団がどの段階にあるかを把握し、適切な対応を行う必要があります。
ここでは、各段階の特徴や対応策を具体的に解説し、仕事も人間関係も充実させるチーム力を高める方法をお伝えします。
集団の発展段階を理解することで、より効果的なチームマネジメントやコミュニケーションができるようになります。
ぜひ最後までお読みいただきまして、自分たちの集団を最高のチームに育ててください。
Contents
第1章 集団の発展段階とは
あなたは仕事でチームを組んだことがありますか?
チームで仕事をするとき、どのようなことに悩んだり困ったりしましたか?
チームで成果を出すためには、どのようなことに気をつけるべきだと思いますか?
チームで仕事をするということは、単に人が集まって仕事をするということではありません。
チームは、一定の目的や目標に向かって協力し合う集団です。
しかし、チームが結成されたからといって、すぐに協力し合えるようになるわけではありません。
チームは、結成されてから解散するまでに、いくつかの段階を経て発展していきます。
この段階を「集団の発展段階」と呼びます。
集団の発展段階を知ることで、あなたはチームの状態や課題を把握しやすくなります。
また、チームリーダーやプロジェクトマネジャーとして、チームの発展を促進するために必要なスキルや手法を学ぶことができます。
ここでは、集団の発展段階について詳しく解説し、仕事も人間関係も充実させるチーム力を高める方法を紹介します。
集団の発展段階とは何か?
集団の発展段階とは、チームが結成されてから解散するまでに経る5つの段階のことです。
これらの段階は、アメリカの心理学者タックマンが提唱したモデルに基づいています。
タックマンは、1965年に「小集団の発達順序」という論文で、チームが4つの段階(成立期・動乱期・安定期・遂行期)を経て発展するという理論を発表しました。
その後、1977年に新たに5つ目の段階(解散期)が追加されました。
集団の発展段階は以下のように分類されます。
成立期
チームが結成されたばかりで、メンバーは自分たちの役割や責任を学んでいく段階です。メンバーはまだチームに馴染んでおらず、リーダーやマネジャーの指示に従って行動します。
動乱期
メンバーが自分の意見や考え方を主張し始める段階です。メンバー間に対立や摩擦が生じやすく、チーム内の雰囲気が悪化することもあります。
安定期
メンバーがお互いの意見や価値観を尊重し、協力し合うようになる段階です。メンバーはチームの目標や方針に合わせて行動を調整し、コミュニケーションも円滑になります。
遂行期
メンバーが自発的に行動し、高い成果を出すようになる段階です。メンバーは自分たちの役割や責任を十分に理解し、リーダーやマネジャーから委任されることを好みます。
解散期
プロジェクトが完了するなどしてチームが役割を終える段階です。メンバーはチームで得られた教訓や成果を振り返り、次のステップに向かいます。
これらの段階は、必ずしも順番通りに進むとは限りません。
チームの状況やメンバーの関係によって、前の段階に戻ったり、飛ばしたりすることもあります。
また、これらの段階は明確に区切られているわけではなく、重なり合ったり、並行して進行したりすることもあります。
しかし、これらの段階を理解することで、あなたはチームの発展に必要なことを見極めることができます。
集団の発展段階を知るメリットは何か?
集団の発展段階を知るメリットは、以下のようなことが挙げられます。
- チームの状態や課題を把握しやすくなる
- チームの発展を促進するために必要なスキルや手法を学べる
- チーム内のトラブルや紛争を適切に対処できる
- チーム内のコミュニケーションや協力関係を改善できる
- チームの目標達成や成果発揮に貢献できる
集団の発展段階に応じて、あなたはチームリーダーやプロジェクトマネジャーとして、どのような役割や働きかけをすべきかが変わってきます。
例えば、
- 成立期では、チームの目的やビジョンを明確に伝え、メンバーの役割や責任を明確に割り振ることが求められます。
- 動乱期では、メンバー間の対立や摩擦を解決し、信頼関係や協力体制を築くことが求められます。
- 安定期では、チームが目標に向かうサポートをすることが求められます。
- 遂行期では、チームメンバーに委任し、成果を出すことが求められます。
- 解散期では、チーム解散の手続きと反省をすることが求められます。
ここでは、これらの段階ごとに、あなたができることや注意すべきことを具体的に紹介します。
また、実践的なヒントや事例も交えて解説します。
これを読むことで、あなたは仕事も人間関係を充実させることができます。
ぜひ、これを参考にして、チーム力を高めてください。
この章のまとめ
集団の発展段階とは、チームが結成されてから解散するまでに経る5つの段階のことです。
集団の発展段階は、成立期・動乱期・安定期・遂行期・解散期の5つに分類されます。
集団の発展段階を知ることで、チームの状態や課題を把握しやすくなります。
集団の発展段階に応じて、チームリーダーやプロジェクトマネジャーとして、どのような役割や働きかけをすべきかが変わってきます。
それでは、集団の発展段階ごとに、あなたができることや注意すべきことを具体的に紹介します。
第2章 成立期:チームの目的と役割を明確にする
前章では、チームが結成されてから解散するまでに経る5つの段階(成立期・動乱期・安定期・遂行期・解散期)について説明しました。
この章では、その中でも最初の段階である「成立期」について詳しく見ていきます。
成立期とは?
成立期とは、チームが結成されたばかりで、メンバーが自分たちの役割や責任を学んでいく段階です。
この段階では、メンバーはまだチームに馴染んでおらず、リーダーやマネジャーの指示に従って行動します。
メンバーは互いに様子見をしながら、チームの目的やビジョン、方針やルールなどを理解しようとします。
成立期の特徴と課題
成立期の特徴は以下のようにまとめられます。
- メンバーは自分たちが何をすべきか、どうすべきかを知らない
- メンバーは自分の意見や考えをあまり表現しない
- メンバーはリーダーやマネジャーに依存する
- メンバーは互いに距離を置き、信頼関係が築かれていない
- メンバーはチームの目的やビジョンに共感していない
成立期の課題は以下のようにまとめられます。
- チームの目的やビジョンを明確に伝える
- メンバーの役割や責任を明確に割り振る
- メンバーの関心や動機づけを高める
- メンバー同士のコミュニケーションや交流を促す
- チームの方針やルールを決める
成立期にできること
では、具体的に成立期にできることは何でしょうか?
ここでは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきことと、チームメンバーが行うべきことをそれぞれ紹介します。
▼チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきこと
- チームの目的やビジョンを明確に伝える。メンバーが何のために働いているか、どんな価値を提供しているかを理解させる。
- メンバーの役割や責任を明確に割り振る。メンバーが何をすべきか、どうすべきかを知らせる。メンバーの強みや適性を考慮する。
- メンバーの関心や動機づけを高める。メンバーの期待や不安を聞き出し、フィードバックや評価を行う。メンバーの成長や貢献を認める。
- メンバー同士のコミュニケーションや交流を促す。メンバーの自己紹介やアイスブレイクを行う。メンバーの情報や意見を共有する場を設ける。
- チームの方針やルールを決める。メンバーの合意を得ながら、チームの目標や計画、進捗管理や報告方法、連絡手段やツールなどを決める。
▼チームメンバーが行うべきこと
- チームの目的やビジョンを理解する。自分が何のために働いているか、どんな価値を提供しているかを把握する。
- 自分の役割や責任を理解する。自分が何をすべきか、どうすべきかを確認する。自分の強みや適性を活かす。
- 自分の関心や動機づけを高める。自分の期待や不安を伝える。フィードバックや評価を求める。自分の成長や貢献を誇りに思う。
- 他のメンバーとコミュニケーションや交流する。自分の情報や意見を積極的に共有する。他のメンバーの情報や意見に耳を傾ける。
- チームの方針やルールに従う。チームの目標や計画、進捗管理や報告方法、連絡手段やツールなどに協力する。
この章のまとめ
成立期とは、チームが結成されたばかりで、メンバーが自分たちの役割や責任を学んでいく段階です。
成立期の特徴は、メンバーが自分たちが何をすべきか、どうすべきかを知らないことです。
成立期の課題は、チームの目的やビジョンを明確に伝えることです。
成立期にできることは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーがメンバーの役割や責任を明確に割り振ること、
チームメンバーが自分の役割や責任を理解することです。
第3章 動乱期:チームの対立と協調をマネジメントする
前章では、チームが結成されたばかりで、メンバーが自分たちの役割や責任を学んでいく段階である「成立期」について説明しました。
この章では、その次の段階である「動乱期」について詳しく見ていきます。
動乱期とは?
動乱期とは、チームが成立期を終えた後に、メンバーが自分たちの意見や考えを主張し始める段階です。
この段階では、メンバーはチームの目的やビジョン、方針やルールなどに対して異なる視点や価値観を持っており、それらがぶつかり合うことで対立や紛争が起こります。
メンバーは互いに批判的であり、信頼関係や協力体制が築かれていない状態です。
動乱期の特徴と課題
動乱期の特徴は以下のようにまとめられます。
- メンバーは自分たちの意見や考えを積極的に表現する
- メンバーは他者の意見や考えに対して否定的である
- メンバーはリーダーやマネジャーに反抗する
- メンバーは互いに不信感や不満を抱く
- メンバーはチームの目的やビジョンに疑問を持つ
動乱期の課題は以下のようにまとめられます。
- チームの目的やビジョンを再確認する
- メンバーの意見や考えを尊重する
- メンバーの対立や紛争を解決する
- メンバー同士の信頼関係や協力体制を構築する
- チームの方針やルールを修正する
動乱期にできること
では、具体的に動乱期にできることは何でしょうか?
ここでは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきことと、チームメンバーが行うべきことをそれぞれ紹介します。
▼チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきこと
- チームの目的やビジョンを再確認する。メンバーが何のために働いているか、どんな価値を提供しているかを再度理解させる。
- メンバーの意見や考えを尊重する。メンバーが自分たちの思いや感情を表現できる場を設ける。メンバーの視点や価値観を認める。
- メンバーの対立や紛争を解決する。メンバーの間に起こる問題やトラブルを早期に発見し、適切に介入する。メンバーの合意形成を促す。
- メンバー同士の信頼関係や協力体制を構築する。メンバーの強みや貢献を評価し、フィードバックや称賛を行う。メンバーの協力や支援を奨励する。
- チームの方針やルールを修正する。メンバーの意見や考えを反映させながら、チームの目標や計画、進捗管理や報告方法、連絡手段やツールなどを見直す。
▼チームメンバーが行うべきこと
- チームの目的やビジョンを理解する。自分が何のために働いているか、どんな価値を提供しているかを再度確認する。
- 自分の意見や考えを表現する。自分が思っていることや感じていることを正直に伝える。自分の視点や価値観を主張する。
- 他者の意見や考えに耳を傾ける。他者が思っていることや感じていることに注意深く聞く。他者の視点や価値観に対してオープンである。
- 他者と信頼関係や協力体制を築く。他者の強みや貢献を認め、フィードバックや称賛を行う。他者の協力や支援を求めたり、提供したりする。
- チームの方針やルールに従う。チームの目標や計画、進捗管理や報告方法、連絡手段やツールなどに協力する。
この章のまとめ
- 動乱期とは、チームが成立期を終えた後に、メンバーが自分たちの意見や考えを主張し始める段階です。
- 動乱期の特徴は、メンバーが他者の意見や考えに対して否定的であることです。
- 動乱期の課題は、メンバーの対立や紛争を解決することです。
- 動乱期にできることは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーがメンバー同士の信頼関係や協力体制を構築すること、チームメンバーが自分の意見や考えを表現することです。
第4章 安定期:チームの方向性とルールを確立する
前章では、チームが自分たちの意見や考えを主張し始める段階である「動乱期」について説明しました。
この章では、その次の段階である「安定期」について詳しく見ていきます。
安定期とは?
安定期とは、チームが動乱期を超えた後に、メンバーがお互いの意見を尊重し始める段階です。
この段階では、メンバーはチームの目的やビジョン、方針やルールなどに対して共通の理解や合意を持っており、それらに従って協力的に行動します。
メンバーは互いに信頼感や満足感を抱き、チームの一員であることに誇りを感じます。
安定期の特徴と課題
安定期の特徴は以下のようにまとめられます。
- メンバーは自分たちの意見や考えを尊重し合う
- メンバーはチームの目的やビジョンに共感する
- メンバーはチームの方針やルールに従う
- メンバーは互いに信頼感や満足感を持つ
- メンバーはチームの一員であることに誇りを感じる
安定期の課題は以下のようにまとめられます。
- チームの目的やビジョンを維持する
- メンバーの意見や考えを活かす
- メンバーの協力や支援を促進する
- メンバー同士の信頼関係や満足感を高める
- チームの方針やルールを適宜見直す
安定期にできること
では、具体的に安定期にできることは何でしょうか?
ここでは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきことと、チームメンバーが行うべきことをそれぞれ紹介します。
▼チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきこと
- チームの目的やビジョンを維持する。メンバーが何のために働いているか、どんな価値を提供しているかを常に意識させる。
- メンバーの意見や考えを活かす。メンバーが自分たちの思いや感情を表現できる場を設ける。メンバーの視点や価値観を尊重する。
- メンバーの協力や支援を促進する。メンバーが互いに助け合ったり、教え合ったりすることを奨励する。メンバーの協力や支援を評価する。
- メンバー同士の信頼関係や満足感を高める。メンバーの強みや貢献を認め、フィードバックや称賛を行う。メンバーの成長や発展を支援する。
- チームの方針やルールを適宜見直す。メンバーの意見や考えを反映させながら、チームの目標や計画、進捗管理や報告方法、連絡手段やツールなどを見直す。
▼チームメンバーが行うべきこと
- チームの目的やビジョンを理解する。自分が何のために働いているか、どんな価値を提供しているかを常に意識する。
- 自分の意見や考えを表現する。自分が思っていることや感じていることを正直に伝える。自分の視点や価値観を主張する。
- 他者の意見や考えに耳を傾ける。他者が思っていることや感じていることに注意深く聞く。他者の視点や価値観に対してオープンである。
- 他者と信頼関係や協力体制を築く。他者の強みや貢献を認め、フィードバックや称賛を行う。他者の協力や支援を求めたり、提供したりする。
- チームの方針やルールに従う。チームの目標や計画、進捗管理や報告方法、連絡手段やツールなどに協力する。
この章のまとめ
- 安定期とは、チームが動乱期を超えた後に、メンバーがお互いの意見を尊重し始める段階です。
- 安定期の特徴は、メンバーがチームの目的やビジョンに共感し、チームの方針やルールに従うことです。
- 安定期の課題は、チームの目的やビジョンを維持し、メンバーの協力や支援を促進することです。
- 安定期にできることは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーがメンバー同士の信頼関係や満足感を高めること、チームメンバーが自分の意見や考えを表現することです。
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第5章 遂行期:チームとしての最高のパフォーマンスを発揮する
前章では、チームがお互いの意見を尊重し始める段階である「安定期」について説明しました。
この章では、その次の段階である「遂行期」について詳しく見ていきます。
遂行期とは?
遂行期とは、チームが安定期を超えた後に、メンバーが協力的に仕事を行うようになる段階です。
この段階では、メンバーはチームの目的やビジョンに完全に共感し、自分たちの役割や責任を十分に理解しています。
メンバーは自発的に行動し、互いに信頼感や満足感を持ちながら、チームとしての最高のパフォーマンスを発揮します。
遂行期の特徴と課題
遂行期の特徴は以下のようにまとめられます。
- メンバーは自分たちの役割や責任を理解する
- メンバーはチームの目的やビジョンに完全に共感する
- メンバーは自発的に行動する
- メンバーは互いに信頼感や満足感を持つ
- メンバーはチームとしての最高のパフォーマンスを発揮する
遂行期の課題は以下のようにまとめられます。
- チームの目的やビジョンを維持する
- メンバーの意見や考えを活かす
- メンバーの協力や支援を促進する
- メンバー同士の信頼関係や満足感を高める
- チームの方針やルールを適宜見直す
遂行期にできること
では、具体的に遂行期にできることは何でしょうか?
ここでは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきことと、チームメンバーが行うべきことをそれぞれ紹介します。
▼チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきこと
- チームの目的やビジョンを維持する。メンバーが何のために働いているか、どんな価値を提供しているかを常に意識させる。
- メンバーの意見や考えを活かす。メンバーが自分たちの思いや感情を表現できる場を設ける。メンバーの視点や価値観を尊重する。
- メンバーの協力や支援を促進する。メンバーが互いに助け合ったり、教え合ったりすることを奨励する。メンバーの協力や支援を評価する。
- メンバー同士の信頼関係や満足感を高める。メンバーの強みや貢献を認め、フィードバックや称賛を行う。メンバーの成長や発展を支援する。
- チームの方針やルールを適宜見直す。メンバーの意見や考えを反映させながら、チームの目標や計画、進捗管理や報告方法、連絡手段やツールなどを見直す。
▼チームメンバーが行うべきこと
- チームの目的やビジョンを理解する。自分が何のために働いているか、どんな価値を提供しているかを常に意識する。
- 自分の意見や考えを表現する。自分が思っていることや感じていることを正直に伝える。自分の視点や価値観を主張する。
- 他者の意見や考えに耳を傾ける。他者が思っていることや感じていることに注意深く聞く。他者の視点や価値観に対してオープンである。
- 他者と信頼関係や協力体制を築く。他者の強みや貢献を認め、フィードバックや称賛を行う。他者の協力や支援を求めたり、提供したりする。
- チームの方針やルールに従う。チームの目標や計画、進捗管理や報告方法、連絡手段やツールなどに協力する。
この章のまとめ
- 遂行期とは、チームが安定期を超えた後に、メンバーが協力的に仕事を行うようになる段階です。
- 遂行期の特徴は、メンバーがチームの目的やビジョンに完全に共感し、自分たちの役割や責任を理解し、自発的に行動し、チームとしての最高のパフォーマンスを発揮することです。
- 遂行期の課題は、チームの目的やビジョンを維持し、メンバーの協力や支援を促進することです。
- 遂行期にできることは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーがメンバー同士の信頼関係や満足感を高めること、チームメンバーが自分の意見や考えを表現することです。
第6章 解散期:チームの終わりを見据えて振り返りと感謝をする
前章では、チームが協力的に仕事を行うようになる段階である「遂行期」について説明しました。
この章では、その次の段階である「解散期」について詳しく見ていきます。
解散期とは?
解散期とは、チームが目的を達成したり、時間的な制約などでチームの役割が終わったりした後に、チームが解散するための手続きを行う段階です
この段階では、メンバーはチームで得られた成果や教訓を振り返り、お互いに感謝や称賛を表します。
メンバーはチームから離れて別のミッションに向かいますが、チームで築いた信頼関係や協力体制はその後の仕事にも役立ちます。
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コラム関連で活躍中の国家資格キャリアコンサルタント
解散期の特徴と課題
解散期の特徴は以下のようにまとめられます。
- メンバーはチームで得られた成果や教訓を振り返る
- メンバーはお互いに感謝や称賛を表す
- メンバーはチームから離れて別のミッションに向かう
- メンバーはチームで築いた信頼関係や協力体制を維持する
解散期の課題は以下のようにまとめられます。
- チームの成果や教訓をまとめて共有する
- メンバーの才能や貢献を認めて評価する
- メンバーの感情や気持ちを配慮する
- メンバーの引継ぎや移行をサポートする
解散期にできること
では、具体的に解散期にできることは何でしょうか?
ここでは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきことと、チームメンバーが行うべきことをそれぞれ紹介します。
チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきこと
- チームの成果や教訓をまとめて共有する。メンバーが一緒に働いて達成したことや学んだことを文書化し、他の関係者やステークホルダーに報告する。
- メンバーの才能や貢献を認めて評価する。メンバーがチームで発揮した強みや貢献を個別にフィードバックし、表彰や報酬などで評価する。
- メンバーの感情や気持ちを配慮する。メンバーがチームから離れることに対して悲しみや不安を感じることがあるので、そのような感情を受け止めて共感する。メンバーの気分を明るくするために、打ち上げやパーティーなどを開催する。
- メンバーの引継ぎや移行をサポートする。メンバーが別のミッションに向かう際に必要な引継ぎや移行の手続きをサポートする。メンバーが新しいチームにスムーズに適応できるように助言や紹介を行う。
チームメンバーが行うべきこと
- チームの成果や教訓を振り返る。自分が一緒に働いて達成したことや学んだことを思い出し、自分の成長や発展を認識する。
- お互いに感謝や称賛を表す。チームで協力したり、支援したりしたメンバーに対して、感謝や称賛の言葉を伝える。チームで築いた信頼関係や協力体制を維持する。
- 自分の感情や気持ちを表現する。チームから離れることに対して悲しみや不安を感じることがあれば、正直に伝える。チームで楽しかったことや嬉しかったことも共有する。
- 自分の引継ぎや移行を行う。別のミッションに向かう際に必要な引継ぎや移行の手続きを行う。新しいチームにスムーズに適応できるように準備する。
この章のまとめ
- 解散期とは、チームが目的を達成したり、時間的な制約などでチームの役割が終わったりした後に、チームが解散するための手続きを行う段階です。
- 解散期の特徴は、メンバーがチームで得られた成果や教訓を振り返り、お互いに感謝や称賛を表し、チームから離れて別のミッションに向かうことです。
- 解散期の課題は、チームの成果や教訓をまとめて共有し、メンバーの才能や貢献を認めて評価し、メンバーの感情や気持ちを配慮し、メンバーの引継ぎや移行をサポートすることです。
- 解散期にできることは、チームリーダーやプロジェクトマネジャーがメンバー同士の信頼関係や満足感を高めること、チームメンバーが自分の感情や気持ちを表現することです。
集団の発展段階関連の書籍一覧
集団の発展段階関連サイト一覧
- タックマンモデルによる組織開発のコツは?4つの発展段階と活用法も解説/Question Circle
- チームの形成段階とは?/asana
- チームビルディング手法「タックマンモデル」とは?段階を乗り越えよう/mitsukari
- タックマンモデルとは?5つの段階と活用方法を紹介/ワークハピネス
- 集団の発展段階 ~チームの段階に応じたマネジメント理解~/GLOBIS
集団の発展段階とは?/仕事も人間関係も充実させる:チーム力を高める方法のまとめ
ここでは、チームの発展段階とそのマネジメントについて解説したものです。
チームは、成立期・動乱期・安定期・遂行期・解散期の5つの段階を経て成長していくというタックマン・モデルを基に、各段階でのチームの特徴と課題、チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきこと、チームメンバーが行うべきことを具体的に紹介しました。
ここで学ぶことは、以下のようにまとめられます。
- チームの発展段階を理解することで、チームの関係性やパフォーマンスを向上させることができる。
- チームリーダーやプロジェクトマネジャーは、チームの発展段階に応じた適切な対応を行うことができる。
- チームメンバーは、自分の役割と責任を理解し、お互いに協力することができる。
- この本では、各段階におけるチームの状況や課題を具体的な事例や図表を用いて分かりやすく説明しています。
また、各章の最後には、チームリーダーやプロジェクトマネジャーが行うべきことやチームメンバーが行うべきことをまとめたチェックリストがあります。
これらを参考にして、自分のチームの発展段階を把握し、適切なアクションを取ることができます。
この本は、チームで仕事をする方やチームマネジメントに関心がある方におすすめです。
チーム力を高めるために必要な知識やスキルを身につけることができます。
まとめを読んでいかがだったでしょうか?
あなたのビジネスやマネージメント、チーム構成に役立ててください。