あなたは、人と話すときにどんなことに気をつけていますか?話の内容や言葉遣いだけでなく、声のトーンや表情、しぐさなども重要だと感じたことはありませんか?
実は、これらの要素はコミュニケーションにおいて大きな影響を及ぼしています。
心理学者のアルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」によると、感情や態度を伝えるときには、言語情報(Verbal)から7%、聴覚情報(Vocal)から38%、視覚情報(Visual)から55%のウェイトで影響を受けるというのです。
ここでは、メラビアンの法則について詳しく解説し、感情や態度を伝える3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)をマスターする方法をお伝えします。
相手に好印象を与えたり、説得力のあるプレゼンテーションを行ったりするためのコツがわかります。
メラビアンの法則はコミュニケーションスキルを向上させるための一つのツールです。
これを読んで、あなたもコミュニケーションの達人になりましょう!
Contents
- 1 メラビアンの法則とは?-コミュニケーションにおける言語・聴覚・視覚の影響
- 2 メラビアンの法則に関するよくある誤解-コミュニケーション全般に適用できるわけではない
- 3 メラビアンの法則の活用方法-感情や態度を伝える3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)をマスターする
- 4 メラビアンの法則を社内コミュニケーションに活かす-上司や部下、同僚との関係を良好にする
- 5 メラビアンの法則を営業や商談に活かす-相手に好印象を与えて信頼関係を築く
- 6 メラビアンの法則をプレゼンテーションに活かす-説得力のある発表をするコツ
- 7 メラビアンの法則関連書籍一覧
- 8 メラビアンの法則関連サイト一覧
- 9 メラビアンの法則とは?/感情や態度を伝える3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)のまとめ
メラビアンの法則とは?-コミュニケーションにおける言語・聴覚・視覚の影響
あなたは、人と話すときにどんなことに注意していますか?
話す内容や言葉遣いはもちろん大切ですが、それだけではなく、声のトーンや表情、しぐさなども相手に与える印象に影響します。
実は、このような言葉以外の要素がコミュニケーションにおいてどれだけ重要かを示した法則があります。
それが「メラビアンの法則」です。
メラビアンの法則とは、1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した心理学上の法則で、コミュニケーションにおける言語・聴覚・視覚の影響の割合を明らかにしました。
この法則によると、コミュニケーションにおいて、人は言語情報(Verbal)から7%、聴覚情報(Vocal)から38%、視覚情報(Visual)から55%のウェイトで影響を受けます。
つまり、コミュニケーションにおいて最も影響度が大きいのは、視覚から入ってくる情報だということです。
例えば、あなたが友達に「今日は楽しかったね」と言ったとします。
そのとき、あなたが笑顔で目を見て言った場合と、無表情で目をそらして言った場合では、友達はどちらが本心だと感じるでしょうか?
おそらく、笑顔で目を見て言った方が本心だと感じるはずです。
これは、言語情報(「今日は楽しかったね」という言葉)よりも視覚情報(笑顔や目線)の方が優先されるからです。
もちろん、これはあくまでも一般的な傾向であり、個人差や状況によっても変わります。
しかし、メラビアンの法則は、私たちが日常的に行っているコミュニケーションにおいて非常に参考になるものです。
では、メラビアンの法則を知っているとどう役立つのでしょうか?
それは、「相手に良い印象を与える」ことができるようになるからです。
例えば、あなたが面接やプレゼンテーションなどで自分をアピールする機会があったとします。
そのとき、あなたは話す内容や言葉遣いだけでなく、声のトーンや表情、しぐさなども意識する必要があります。
声のトーンや表情、しぐさは、「自信」「熱意」「誠実さ」「好意」などを相手に伝えることができます。
逆に、「不安」「無関心」「不誠実さ」「嫌悪」なども伝えてしまうことがあります。
そのため、メラビアンの法則を意識して、「自分が伝えたいメッセージ」と「相手が受け取る印象」が一致するように工夫することが大切です。
具体的には、
- 話す内容や言葉遣いは相手や場面に合わせて適切に選ぶ
- 声のトーンや抑揚は変化させて話す
- 表情や目線は相手に向けて笑顔で見せる
- しぐさや姿勢は自信や礼儀正しさを表すようにする
などが挙げられます。
このようにメラビアンの法則を活用することで、「相手に良い印象を与える」ことができます。
また、「相手から良い印象を受ける」こともできます。
例えば、あなたが上司や部下、同僚などと話す機会があったとします。
そのとき、相手の声のトーンや表情、しぐさなどを注意深く観察することで、
- 相手の気持ちや考え方
- 相手の悩みや不満
- 相手の希望や期待
などを読み取ることができます。
これは、「相手への理解度」や「信頼関係」を高めることにつながります。
また、「自分へのフィードバック」や「自己改善」にも役立ちます。
例えば、
- 自分の声のトーンや表情、しぐさが相手にどんな印象を与えているか
- 自分の話す内容や言葉遣いが相手や場面に合っているか
- 自分が伝えたいメッセージと相手が受け取った印象が一致しているか
などを振り返ってみることで、
- 自分のコミュニケーションスキル
- 自分の人間関係
- 自分の仕事ぶり
などを改善することができます。
このようにメラビアンの法則は、「自分から相手へ」「相手から自分へ」という両方向でコミュニケーションを円滑化することができる有効なツールです。
しかし、メラビアンの法則を活用する際に注意しなければならない点もあります。
それは、
- メラビアンの法則は一般的な傾向であり個人差や状況差もあること
- メラビアンの法則は感情や態度を伝える場合に限定されており全てのコミュニケーションシーンに当てはまらないこと
- メラビアンの法則は言語・聴覚・視覚以外にも影響する要素(文化・価値観・経験・知識など)を無視していること
などです。
これらの点を踏まえて、メラビアンの法則を適切に活用することが重要です。
メラビアンの法則は、コミュニケーションにおける言語・聴覚・視覚の影響の割合を示した心理学上の法則です。
この法則を知っておくことで、「相手に良い印象を与える」「相手から良い印象を受ける」「自分へのフィードバックや自己改善に役立てる」ことができます。
しかし、メラビアンの法則は一般的な傾向であり個人差や状況差もあること、感情や態度を伝える場合に限定されており全てのコミュニケーションシーンに当てはまらないこと、言語・聴覚・視覚以外にも影響する要素を無視していることなど、注意しなければならない点もあります。
そのため、メラビアンの法則を活用する際には、相手や場面に応じて柔軟に対応することが大切です。
メラビアンの法則に関するよくある誤解-コミュニケーション全般に適用できるわけではない
メラビアンの法則と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
「人は見た目が9割」「話の内容よりも話し方や表情が大事」「第一印象がすべて」といった言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
これらは、メラビアンの法則が元になっています。
しかし、実はこれらはメラビアンの法則の本来の意味とは異なる誤った解釈です。
メラビアンの法則は、コミュニケーションにおける言語・聴覚・視覚の影響の割合を明らかにした心理学上の法則で、1971年にアルバート・メラビアンという心理学者によって提唱されました。
メラビアンの法則によれば、コミュニケーションにおいて、人は言語情報(Verbal)から7%、聴覚情報(Vocal)から38%、視覚情報(Visual)から55%のウェイトで影響を受けます。
このことから、「3Vの法則」や「7-38-55ルール」と呼ばれることもあります。
つまり、コミュニケーションにおいて最も影響度が大きいのは、視覚から入ってくる情報だということです。
例えば、私たちが相手になにかを伝える際、表情豊かに話をするのと、無表情で話をするのとでは、相手に伝わる内容(印象)が異なります。
人は言葉の意味(言語情報)だけではなく、話してるスピードや声のトーン(聴覚情報)、顔の表情や身体のしぐさ(視覚情報)からさまざまな情報を受け取っており、そのことを実験によって明らかにしたのがメラビアンの法則なのです。
しかし、この法則はあくまでも話し手が矛盾したメッセージを発信している場合において成立するものです。
すなわち、言語・聴覚・視覚のイメージが一致しない場合にどちらが優先されるかということです。
例えば、「好き」という言葉を無表情で言ったり、「嫌い」という言葉を笑顔で言ったりする場合です。
このような場合、相手はどちらを信じればよいか迷ってしまいます。
そこで、相手は自分が一番信頼できると思う情報源を選びます。
メラビアンの法則では、その優先順位が「視覚>聴覚>言語」ということを示しています。
しかし、これは無条件的に「コミュニケーションにおいて視覚情報が最も重要である」ことを結論付けるわけではありません。
実際には、コミュニケーションはさまざまな状況や目的に応じて変化します。
例えば、
- 事実やデータを伝える場合は言語情報が重要
- 感情や態度を伝える場合は聴覚情報や視覚情報が重要
- 遠隔地や電話で話す場合は聴覚情報が重要
- メールやチャットで話す場合は言語情報が重要
という具合です。
したがって、メラビアンの法則をコミュニケーション全般に適用することはできません。
また、「見た目が9割」という解釈も正しくありません。
メラビアンの実験では、「見た目」だけではなく、「声色」も含めた「非言語的な要素」全体が9割影響することを示しています。
メラビアンの法則は非常に有用な知識ですが、その真意を理解しなければ誤った使い方をしてしまいます。
コミュニケーションスキルを向上させるためには、この法則を正しく理解し活用することが大切です。
メラビアンの法則の活用方法-感情や態度を伝える3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)をマスターする
メラビアンの法則とは、コミュニケーションにおける言語・聴覚・視覚の影響の割合を明らかにした心理学上の法則です。
この法則によれば、コミュニケーションにおいて、人は言語情報(Verbal)から7%、聴覚情報(Vocal)から38%、視覚情報(Visual)から55%のウェイトで影響を受けます。
このことから、「3Vの法則」や「7-38-55ルール」と呼ばれることもあります。
この法則は、コミュニケーションスキルを向上させるために非常に有用な知識ですが、その真意を理解しなければ誤った使い方をしてしまいます。
コミュニケーションスキルを向上させるためには、この法則を正しく理解し活用することが大切です。
では、具体的にどうやってメラビアンの法則を活用することができるのでしょうか。
ここでは、感情や態度を伝える3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)をマスターする方法について紹介します。
言語情報(Verbal)とは
言語情報とは、言葉そのものが持つ意味や内容です。
例えば、「好き」という言葉は好意的な感情を表しますし、「嫌い」という言葉は否定的な感情を表します。
言語情報は、事実やデータなど客観的な情報を伝えるときに重要です。
しかし、メラビアンの法則では、言語情報はコミュニケーションにおける影響力が最も低いとされています。
これは、言語情報だけでは相手に伝わらない部分が多くあるからです。
例えば、「好き」という言葉だけでは、どれくらい好きなのか、どんな理由で好きなのか、どんな気持ちで好きなのかなどが伝わりません。
また、言語情報は相手によって解釈が異なる場合もあります。
例えば、「すごいね」という言葉は、本当に感心している場合もあれば、皮肉や嫉妬で言っている場合もあります。
したがって、言語情報だけでは不十分な場合が多くあります。
そこで、聴覚情報や視覚情報と組み合わせて使うことが大切です。
聴覚情報(Vocal)とは
聴覚情報とは、声のトーンや抑揚、速さや強弱など声色や話し方です。
例えば、「好き」という言葉でも、声が高くて明るくて強く発音する場合と、声が低くて暗くて弱く発音する場合では印象が異なります。
聴覚情報は、感情や態度など主観的な情報を伝えるときに重要です。
メラビアンの法則では、聴覚情報はコミュニケーションにおける影響力が中程度とされています。
これは、聴覚情報が相手に与える印象や感じ方に大きく関係しているからです。
例えば、「すごいね」という言葉でも、声が高くて明るくて強く発音する場合は本当に感心しているように聞こえますが、声が低くて暗くて弱く発音する場合は皮肉や嫉妬で言っているように聞こえます。
したがって、聴覚情報は相手に自分の気持ちや考え方を伝えるために有効です。
しかし、聴覚情報だけでは不十分な場合もあります。
そこで、言語情報や視覚情報と組み合わせて使うことが大切です。
視覚情報(Visual)とは
視覚情報とは、顔の表情や目線の動き、身体の姿勢やジェスチャーなどボディランゲージです。
例えば、「好き」という言葉でも、笑顔で目を見つめる場合と無表情で目をそらす場合では印象が異なります。
視覚情報は、感情や態度など主観的な情報を伝えるときに重要です。
メラビアンの法則では、視覚情報はコミュニケーションにおける影響力が最も高いとされています。
これは、視覚情報が相手に与える信頼感や信憑性に大きく関係しているからです。
例えば、「すごいね」という言葉でも笑顔で目を見つめる場合は本当に感心しているように見えますが無表情で目をそらす場合は皮肉や嫉妬で言っているように見えます。
したがって、視覚情報は相手に自分の気持ちや考え方を伝えるために有効です。
しかし、視覚情報だけでは不十分な場合もあります。
そこで、言語情報や聴覚情報と組み合わせて使うことが大切です。
3つの要素を揃えることが大切
メラビアンの法則の活用方法の2つ目は、3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)を揃えることです。
言語情報・聴覚情報・視覚情報が一致していないと、相手に混乱や不信感を与えてしまいます。
例えば、あなたが部下に「頑張ってね」と言うとき、言語情報は「頑張ってね」という好意的なメッセージですが、聴覚情報は「頑張ってね」という冷たくて高圧的な口調で、視覚情報は「頑張ってね」という不機嫌な表情で伝えたとします。
この場合、部下はあなたの言葉の意味よりも、あなたの声や表情に影響されて、「本当は頑張ってほしくないんだ」「怒っているんだ」「信頼していないんだ」と感じてしまうかもしれません。
逆に、あなたが部下に「頑張ってね」と言うとき、言語情報は「頑張ってね」という好意的なメッセージですが、聴覚情報は「頑張ってね」という優しくて励ましてくれる口調で、視覚情報は「頑張ってね」という笑顔で目を見つめる表情で伝えたとします。
この場合、部下はあなたの言葉の意味と一致するように、あなたの声や表情に影響されて、「本当に頑張ってほしいんだ」「応援してくれているんだ」「信頼してくれているんだ」と感じるでしょう。
このように、3つの要素が一致しているときには、相手に自分の真意が伝わりやすくなります。
逆に、3つの要素が一致していないときには、相手に自分の真意が伝わりにくくなります。
したがって、コミュニケーションをとる際には、3つの要素を揃えることを意識することが大切です。
自分の言葉と声と表情が一致しているかどうかをチェックしましょう。
メラビアンの法則を社内コミュニケーションに活かす-上司や部下、同僚との関係を良好にする
ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)を意識する
メラビアンの法則によれば、コミュニケーションにおいて最も影響度が大きいのは、視覚から入ってくる情報です。
つまり、相手に伝えたい内容や感情は、言葉だけではなく、表情やしぐさなどで表現することが重要です。
例えば、部下を褒める際は、無表情で褒めたりせず、笑顔で相手の目をみてしっかり褒めるように意識しましょう。
そうすることで、部下はあなたからの褒め言葉が本心から出たものだと感じて、やる気や信頼感が高まります。
逆に、上司から指示や要望を受ける際は、うなずいたり相槌を打ったりして聞いていることを示しましょう。
そうすることで、上司はあなたが真剣に話を聞いてくれていると感じて、協力的な態度だと評価します。
また、同僚と話す際は、相手の話に興味や共感を示す表情やしぐさを見せましょう。
そうすることで、同僚はあなたが自分の話に関心があると感じて、仲良くなりやすくなります。
声の抑揚や表情を一致させる
メラビアンの法則によれば、コミュニケーションにおいて2番目に影響度が大きいのは、聴覚から入ってくる情報です。
つまり、相手に伝えたい内容や感情は、声のトーンや抑揚などで表現することが重要です。
例えば、部下に仕事の進捗状況を聞く際は、威圧的な声ではなく、穏やかで優しい声で聞くように意識しましょう。
そうすることで、部下はあなたからプレッシャーを感じずに正直に答えやすくなります。
逆に、上司から仕事の成果を報告する際は、自信がなさそうな声ではなく、明るく元気な声で報告するように意識しましょう。
そうすることで、上司はあなたが仕事に対して積極的で能力が高いと感じて評価します。
また、同僚と話す際は、相手の話に合わせて声のトーンや抑揚を変えましょう。
そうすることで、同僚はあなたが自分の話に共感してくれていると感じて親しみやすくなります。
重要なことは、「声」と「表情」が一致していることです。
例えば、「ありがとう」と言っても無表情だったり、「ごめん」と言っても笑顔だったりすると相手は不信感や違和感を持ちます。
その場合、「声」と「表情」が矛盾しているためです。
メラビアンの法則では、「声」と「表情」が矛盾した場合、「表情」が優先されます。
つまり、「ありがとう」と言っても無表情だったら「本当はありがとうと思っていない」と相手は受け取りますし、「ごめん」と言っても笑顔だったら「本当はごめんと思っていない」と相手は受け取ります。
3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)を揃える
メラビアンの法則では、「言語」「聴覚」「視覚」から入ってくる情報が一致しない場合、「視覚」が最も優先されます。
しかし、「視覚」だけ重視すればよいわけではありません。
「言語」「聴覚」「視覚」から入ってくる情報が一致している場合、「言語」も「聴覚」も「視覚」も同じウェイトで影響します。
例えば、「ありがとう」と言って笑顔で頭を下げる場合、「言語」「聴覚」「視覚」から入ってくる情報が一致しています。
「ありがとう」という言葉(Verbal)も笑顔(Visual)も頭を下げるしぐさ(Visual)も感謝の気持ちを表現しています。
この場合、「ありがとう」という言葉(Verbal)も笑顔(Visual)も頭を下げるしぐさ(Visual)も同じウェイトで相手に影響を与えます。
逆に、「ごめん」と言って笑顔で肩をすくめる場合、「言語」「聴覚」「視覚」から入ってくる情報が矛盾しています。「ごめん」という言葉(Verbal)は謝罪の気持ちを表現していますが、笑顔(Visual)や肩をすくめるしぐさ(Visual)は軽率な態度を表現しています。この場合、「ごめん」という言葉(Verbal)よりも笑顔(Visual)や肩をすくめるしぐさ(Visual)の方が優先されて、相手に不快な印象を与えます。
このように、コミュニケーションにおいては、3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)が揃っていることが重要です。そうすることで、相手に伝えたい内容や感情を正確に伝えられますし、相手からの信頼や好感も得られます。
具体的には、次のような点に注意するとよいでしょう。
注意すべきこと 具体例
- 言語情報と聴覚情報を一致させる
例えば、部下に仕事のミスを指摘する際は、厳しい言葉と優しい声の組み合わせではなく、適切な言葉と適切な声の組み合わせで伝えるように意識する - 聴覚情報と視覚情報を一致させる
例えば、上司に仕事の相談をする際は、低い声と目をそらす組み合わせではなく、はっきりした声と目を見る組み合わせで伝えるように意識する - 言語情報と視覚情報を一致させる
例えば、同僚に感謝の気持ちを伝える際は、ありがとうという言葉と無表情の組み合わせではなく、ありがとうという言葉と笑顔の組み合わせで伝えるように意識する
以上がメラビアンの法則を社内コミュニケーションに活かす方法です。
この法則を理解して実践することで、上司や部下、同僚との関係を良好にすることができます。
ぜひ参考にしてみてください。
メラビアンの法則を営業や商談に活かす-相手に好印象を与えて信頼関係を築く
営業や商談では、相手に自分や自社の商品・サービスの価値を伝えることが重要です。
しかし、それだけではなく、相手に好印象を与えて信頼関係を築くことも大切です。
なぜなら、信頼関係があれば、相手は自分や自社の商品・サービスに対してよりオープンになり、購買意欲や契約意思が高まるからです。
では、どうすれば相手に好印象を与えて信頼関係を築くことができるでしょうか。
ここでは、「メラビアンの法則」という心理学上の法則を活用する方法をご紹介します。
メラビアンの法則を営業や商談に活かす方法
メラビアンの法則を営業や商談に活かす方法は、以下の3つがあります。
- 言語・聴覚・視覚の3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)を一致させる
- 視覚的な要素(Visual)を強化する
- 聴覚的な要素(Vocal)を工夫する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
言語・聴覚・視覚の3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)を一致させる
メラビアンの法則は、本来的な実験内容は「聞き手にとって言語・聴覚・視覚が矛盾した場合」どちらが優先されるか調べたものです。
そのため、「言語・聴覚・視覚」が一致していればこの法則は適用されません。
しかし、「言語・聴覚・視覚」が一致していない場合はどうでしょうか。
例えば、「この商品は素晴らしいです」と言っているけれども声が小さくて不安げだったり、「あなたと契約したいです」と言っているけれども目線が合わなかったりしたらどうでしょうか。
この場合、「言語・聴覚・視覚」が矛盾しています。そして、この矛盾したメッセージは相手に不信感や不快感を与えます。
そこで、「言語・聴覚・視覚」が一致するように意識することが重要です。
例えば、「この商品は素晴らしいです」と言うときは声も大きくて明るくし、「あなたと契約したいです」と言うときは目線もしっかり合わせるようにします。
これによって相手は自分や自社の商品・サービスへの信頼感や好感度が高まります。
視覚的な要素(Visual)を強化する
メラビアンの法則では、「言語・聴覚・視覚」が矛盾した場合でも「見た目」から入ってくる「Visual」要素が最も影響力が高いことがわかりました。
「見た目」から入ってくる「Visual」要素とは具体的に何でしょうか。「見た目」から入ってくる「Visual」要素とは以下のようなものです。
- 服装
- 髪型
- アクセサリー
- 化粧
- 表情
- 目線
- 身振り
- 姿勢
これらの「Visual」要素は、相手に自分の感情や態度を伝える際に大きな役割を果たします 。
例えば、笑顔で話すと相手に好意や親しみを感じさせることができます 。
逆に、眉をひそめたり目をそらしたりすると相手に不快感や不信感を与えることがあります 。
そこで、「Visual」要素を強化することで、相手に好印象を与えることができます 。
具体的には、次のような点に注意するとよいでしょう。
注意すべきこと | 具体例 |
---|---|
清潔感のある服装や髪型にする | 例えば、シワのないスーツやネクタイ、髪の毛は整えておくなど |
アクセサリーや化粧は控えめにする | 例えば、派手なピアスやネックレスは避け、化粧はナチュラルなものにするなど |
笑顔で話す | 例えば、相手の目を見てニコッと微笑むなど |
目線を合わせる | 例えば、相手の話に興味があることを示すために目線をそらさないなど |
身振りや姿勢で話を盛り上げる | 例えば、手振りや頷きで話のポイントを強調したり、背筋を伸ばして前かがみにならないようにするなど |
このように「Visual」要素を強化すると、相手は自分や自社の商品・サービスに対してより興味や関心を持つようになります 。
聴覚的な要素(Vocal)を工夫する
メラビアンの法則では、「言語・聴覚・視覚」が矛盾した場合でも「声色」から入ってくる「Vocal」要素が次に影響力が高いことがわかりました 。
「声色」から入ってくる「Vocal」要素とは具体的に何でしょうか。「声色」から入ってくる「Vocal」要素とは以下のようなものです 。
- 声の大きさ
- 声のトーン
- 声の抑揚
- 話すスピード
これらの「Vocal」要素は、相手に自分の感情や態度を伝える際に重要な役割を果たします 。
例えば、声が大きくて明るいと相手に元気や自信を感じさせることができます 。
逆に、声が小さくて暗いと相手に消極的や不安げに見えることがあります 。
そこで、「Vocal」要素を工夫することで、相手に好印象を与えることができます 。
具体的には、次のような点に注意するとよいでしょう。
注意すべきこと | 具体例 |
---|---|
声の大きさは聞き取りやすい程度にする | 例えば、相手の反応を見て声の大きさを調整したり、電話ではマイクから離れすぎないようにするなど |
声のトーンは明るく柔らかくする | 例えば、高すぎず低すぎず自然な声で話したり、笑顔で話すことで声も明るくなったりするなど |
声の抑揚は変化させて話す | 例えば、話のポイントや感情表現では声の高さや強弱をつけたり、一定ではなく変化させたりするなど |
話すスピードは早すぎず遅すぎずする | 例えば、相手がついて来られるペースで話したり、重要な部分ではゆっくり話したりするなど |
このように「Vocal」要素を工夫すると、相手は自分や自社の商品・サービスに対してより理解や共感を持つようになります 。
メラビアンの法則を営業や商談で活用しよう
メラビアンの法則は、「言語・聴覚・視覚」が矛盾した場合でも「見た目」と「声色」から入ってくる情報が最も影響力が高いことを示しています 。
営業や商談では、「言語・聴覚・視覚」が一致するように意識し、「見た目」と「声色」から入ってくる情報を強化・工夫することで相手に好印象を与えて信頼関係を築くことができます 。
メラビアンの法則はビジネスだけではなく日常生活でも役立つコミュニケーションの知識です。
是非参考にしてみてください。
PICKUPキャリコン
メラビアンの法則をプレゼンテーションに活かす-説得力のある発表をするコツ
プレゼンテーションは、ビジネスシーンでよく行われるコミュニケーションの一つです。
プレゼンテーションでは、自分の考えや提案を相手に伝えて、理解や納得、賛同や協力を得ることが目的です。
しかし、プレゼンテーションはただ話すだけではなく、相手に影響を与えるためにはさまざまな工夫が必要です。
そこで、プレゼンテーションにおいて有効なコミュニケーションの法則として、「メラビアンの法則」があります。
では、この「メラビアンの法則」をプレゼンテーションに活かすにはどうしたらよいでしょうか。
ここでは、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」のそれぞれについて、具体的なコツを紹介します。
言語情報(Verbal)
言語情報とは、言葉そのものや話す内容、話す順序などを指します。
言語情報はコミュニケーションにおいて最も基本的な要素であり、プレゼンテーションでは以下の点に注意するとよいでしょう。
- 話す内容は明確かつ具体的にする
- 話す順序は論理的かつわかりやすくする
- 話す言葉は相手に合わせて選ぶ
例えば、あなたが新しい商品の開発計画をプレゼンテーションする場合、以下のような話し方は良くありません。
「この商品は最先端技術を駆使して開発された画期的なものです。市場ニーズも高く、競合他社に対して優位性もあります。この商品を売り出せば売上も利益も大幅に伸びるでしょう」
この話し方では、話す内容が曖昧で具体性がありません。
また、話す順序も論理的ではなく飛躍しています。
さらに、話す言葉も相手に合わせていません。
例えば、「最先端技術」という言葉は技術者にとってはわかりやすいかもしれませんが、経営者や消費者にとっては何を指しているのかわからないかもしれません。
そこで、以下のように話し方を改善するとよいでしょう。
「この商品は〇〇という技術を使って開発されたもので、これまでにない機能や特徴があります。具体的には△△や□□などです。これらの機能や特徴は市場調査によって高いニーズがあることがわかっており、競合他社では提供していない差別化要素でもあります。そのため、この商品を売り出せば売上目標〇〇円、利益目標〇〇円を達成することが可能です」
この話し方では、話す内容が明確で具体的です。
また、話す順序も論理的でわかりやすくなっています。
さらに、話す言葉も相手に合わせて選んでいます。例えば、「〇〇という技術」という言葉は技術者だけでなく経営者や消費者も理解できるように具体化しています。
聴覚情報(Vocal)
聴覚情報とは、声の大きさやトーンやスピードなどを指します。
聴覚情報はコミュニケーションにおいて感情や印象を伝える重要な要素であり、プレゼンテーションでは以下の点に注意するとよいでしょう。
- 声の大きさは相手が聞き取れる程度にする
- 声のトーンやスピードは話す内容や場面に合わせて変化させる
- 声の抑揚や間をつけて話す
例えば、あなたが新しい商品の開発計画をプレゼンテーションする場合、以下のような話し方は良くありません。
「この商品は〇〇という技術を使って開発されたものでこれまでにない機能や特徴があります具体的には△△や□□などですこれらの機能や特徴は市場調査によって高いニーズがあることがわかっており競合他社では提供していない差別化要素でもありますそのためこの商品を売り出せば売上目標〇〇円利益目標〇〇円を達成することが可能です」
この話し方では、声の大きさが小さすぎて相手が聞き取れないかもしれません。
また、声のトーンやスピードが一定で抑揚や間がなく、単調で退屈に聞こえるかもしれません。
さらに、声のトーンやスピードが話す内容や場面に合わせて変化していないため、相手に感情や印象を伝えることができません。
そこで、以下のように話し方を改善するとよいでしょう。
「この商品は〇〇という技術を使って開発されたもので、(声を強めて)これまでにない機能や特徴があります。具体的には(声を落として)△△や□□などです。これらの機能や特徴は(声を明るくして)市場調査によって高いニーズがあることがわかっており、競合他社では提供していない差別化要素でもあります。そのため(声を大きくして)この商品を売り出せば(一呼吸置いて)売上目標〇〇円、利益目標〇〇円を達成することが可能です」
この話し方では、声の大きさは相手が聞き取れる程度にしています。
また、声のトーンやスピードは話す内容や場面に合わせて変化させています。
さらに、声の抑揚や間をつけて話しています。
これにより、相手に感情や印象を伝えることができます。
視覚情報(Visual)
視覚情報とは、表情や目線、身振り手振りなどを指します。
視覚情報はコミュニケーションにおいて最も影響力が高い要素であり、プレゼンテーションでは以下の点に注意するとよいでしょう。
- 表情は明るく自信を持って見せる
- 目線は相手と合わせて視線を送る
- 身振り手振りは適度に使って話す内容を補強する
例えば、あなたが新しい商品の開発計画をプレゼンテーションする場合、以下のような話し方は良くありません。
「この商品は〇〇という技術を使って開発されたもので、これまでにない機能や特徴があります。具体的には△△や□□などです。これらの機能や特徴は市場調査によって高いニーズがあることがわかっており、競合他社では提供していない差別化要素でもあります。そのため、この商品を売り出せば売上目標〇〇円、利益目標〇〇円を達成することが可能です」
この話し方では、表情が暗く自信がなさそうに見えます。
また、目線が下向きで相手と視線を合わせていません。
さらに、身振り手振りがなく動きが少なく見えます。
そこで、以下のように話し方を改善するとよいでしょう。
「この商品は(笑顔で)〇〇という技術を使って開発されたもので、(目線を相手に向けて)これまでにない機能や特徴があります。(両手を広げて)具体的には△△や□□などです。(頷きながら)これらの機能や特徴は市場調査によって高いニーズがあることがわかっており、競合他社では提供していない差別化要素でもあります。(拳を握って)そのため(一呼吸置いて)この商品を売り出せば(右手を上げて)売上目標〇〇円、利益目標〇〇円を達成することが可能です」
この話し方では、表情は明るく自信を持って見せています。
また、目線は相手と合わせて視線を送っています。さらに、身振り手振りは適度に使って話す内容を補強しています。
PICKUPキャリコン
まとめ
プレゼンテーションでは、「メラビアンの法則」を活用することで説得力のある発表をすることができます。
「メラビアンの法則」は、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つの要素から成り立ちます。
それぞれの要素について注意すべき点は以下の通りです。
- 言語情報:話す内容は明確かつ具体的にする・話す順序は論理的かつわかりやすくする・話す言葉は相手に合わせて選ぶ
- 聴覚情報:声の大きさは相手が聞き取れる程度にする・声のトーンやスピードは話す内容や場面に合わせて変化させる・声の抑揚や間をつけて話す
- 視覚情報:表情は明るく自信を持って見せる・目線は相手と合わせて視線を送る・身振り手振りは適度に使って話す内容を補強する
以上のコツを実践することで、「メラビアンの法則」をプレゼンテーションに活かすことができます。
ぜひ試してみてください。
メラビアンの法則関連書籍一覧
- 人望の法則 単行本/西田文郎
- 人は話し方が9割/永松茂久
- 心理マーケティング100の法則/酒井とし夫
- 非言語行動の心理学: 対人関係とコミュニケーション理解のために/ヴァージニア・P. リッチモンド
- 行動分析学入門:ヒトの行動の思いがけない理由/杉山尚子
メラビアンの法則関連サイト一覧
- メラビアンの法則とは?【例をわかりやすく】第一印象/カオナビ
- メラビアンの法則/ウィキペディア
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メラビアンの法則とは?/感情や態度を伝える3つの要素(Verbal・Vocal・Visual)のまとめ
ここでは、「メラビアンの法則」というコミュニケーションの法則について紹介しました。
「メラビアンの法則」とは、心理学者のアルバート・メラビアンが提唱した、コミュニケーションにおける言語・聴覚・視覚の影響の割合を示した法則です。
この法則によると、コミュニケーションにおいて、人は言語情報(Verbal)から7%、聴覚情報(Vocal)から38%、視覚情報(Visual)から55%のウェイトで影響を受けます。
つまり、言葉だけではなく、声や表情なども重要な役割を果たすということです。
ここでは、「メラビアンの法則」を社内コミュニケーションや営業や商談、プレゼンテーションなどさまざまなビジネスシーンに活用する方法を具体的に紹介しました。
それぞれのシーンでは、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つの要素を意識してコミュニケーションを行うことが大切です。
「メラビアンの法則」は、ビジネスで必ず活用できるといってもよい、非常に大切なコミュニケーションの知識です。
ぜひこれを参考にして、相手に良い印象を与えるコミュニケーションスキルを身につけてください。