[相談日]2020/12/16
相談者
ニックネーム:フリーバード
性別:男性
年齢:36才
相談内容
今後の方向性についての相談です。
私は今、人材紹介会社にてキャリアアドバイザーの仕事をしています。
専門性を高める為、副業から新たな可能性を追求する為に、キャリアコンサルタントの資格を取得しました。
副業で何がしたいのか詳細は定まっていません。
副業をはじめたい理由は、キャリアの幅を広げたいこと、専門性を高めたいこと、軌道に乗れば独立も視野に入れたいといった内容です。
そこでご相談です。
自身のスキルの幅を広げるため、技能士2級を目指し、キャリコンとして突き詰めるか、社労士か中小企業診断士の資格を取得して、ダブルライセンス保有者になるか、次の資格取得の方向性で悩んでおります。
ビジョン次第なのかもしれませんが
- キャリコンとして技能士1級を目指すとどのような可能性があるのか。
- キャリコンと社労士のダブルライセンスを取得するとどのような可能性があるのか。
- キャリコンと中小企業診断士のダブルライセンスを取得するとどのような可能性があるのか。
ご教示願いますでしょうか。
1 件の回答
フリーバード 様
はじめまして。キャリアコンサルタントの二森といいます。よろしくお願いします。
ご相談についてあくまで私なりのご意見を述べさせていただきたく思います。現在キャリアアドバイザー職に従事されているとのこと、毎日ご苦労が絶えないと思います。そのような中で、今後のご自分のキャリアについて考えられていることは素晴らしいことです。副業を始めるにあたって、キャリアの幅を広げ、専門性を高めるということのようですが、ここでは「キャリア」を自分の仕事という意味でお話させていただきますね。
まず、キャリアの幅を広げることと専門性を高めることは同時には難しいということです。どういうことかと申しますと、キャリアの幅を広げるためには、今の自分のスキルとは方向性が違うスキルを身に付け、さらに多くの顧客であるCLからの仕事の依頼を受けられるようにならなければなりません。また、専門性を高めるには、今の仕事(キャリアコンサルティング)においてより多くの人の依頼を受け、さまざまな相談に応じるということになります。現在、多くの人が仕事に関する多くの悩みや葛藤をもたれています。それらは一人として同じものではありません。より専門性を高めるためにはより多くの相談事例を積み重ねることだと私は思います。しかしながら、私たちは身体がひとつしかありません。より手広く仕事をするのにも限界があり、より専門性を高めることにも限界があります。
もうひとつ、考えるとすればターゲティングとニーズです。ターゲティング、すなわちどのようなCLに対して自分は仕事をどう遂行するのかということと、その対象者であるCLにはどのようなニーズがあるのか、です。まずはそのようなマーケティング的な把握が優先事項かもしれませんね。さらに言えば、キャリアコンサルタントは自身のコンサルティングが「自社商品」であり、そこに「商品価値」を見出さなければなりません。そういう意味は、まずはニーズの把握とターゲティング・ブランディングの確立が先かもしれませんね。
少なくとも、キャリアの幅と専門性は同時には難しいということははっきりと言えると思います。仮に社労士や中小企業診断士にはどのような顧客に必要とされているのか、またどのようなニーズが存在し、どのようにご自分らしく仕事ができるかを考えてからでも遅くはないかもしれません。多くの同業者といかに差別化をはかるかは重要ですね。
最後に、私なりの意見をのべさせていただきます。私は現在、キャリアコンサルタントとして従事していますが、キャリアコンサルティングにおいては、この資格だけでも十分に思います。技能士の資格の必要性は現時点では感じていないし、むしろ必要なのかさえ思います。しかしながら、自分のキャリア形成において、他者からの信頼性の担保にはなりますが、実際の業務に関してはいささか、必要性に疑問をもっているのが正直なところです。自分の専門性をより高めるためには資格取得よりも、できるだけ多くの相談事例を積み重ねること、より多くの支援対象者の相談に耳を傾け一人ひとりの生き方に寄り添うことが専門性を高めることにつながると思います。
少なくとも現在、この業界で必要性があるとすれば、福祉的な資格やスキルでしょうか。たとえば、社会福祉士や精神保健福祉士などの、より福祉の領域からの支援の必要性が高まっていると感じます。特に、このコロナ禍において生活困窮者や障害などのハンデを負っている人のキャリアコンサルティングのニーズが高まっています。
社労士と中小企業診断士については、ほとんど知識を持ち合わせていないため、意見はひかえさせていただきます。
最後になりますが、ご自身にとってより良いキャリア形成につながる模索をされていることは素晴らしいことです。私も見習わなければです。以上、ご参考になればと思い、回答させていただきました。